【新人奮闘記 第三回】セミドライスーツについて学ぶ
マサル「シュウト君、これ完成済みの出荷品です!」
※実際の業務中は先輩たちがとても厳しく商品を管理しています
シュウト「了解です!フードがついてるこのスーツ、今月もう何着目かな?最近特に多いよね!」
マサル「そうだね。工場長も最近このスーツよく作ってるなーって思う!」
カッキー「これは人気急上昇中のセミドライスーツ、【WDM-02】だよ!」
二人「あっ!細いのにめっちゃ食べる、サービスセンターの出荷業務担当のカッキー先輩こと柿澤さん!!」
シュウト「セミドライスーツって言いましたか?セミドライスーツって、ウェットより水が入りにくいスーツのことですよね?」
カッキー「そう、ドライスーツのような完全防水ではないけれど、ウェットスーツよりも水の侵入が少なくて暖かい、かつドライスーツより動きやすいスーツの事だよ。」
マサル「えーと、ZEROのセミドライスーツ…」
カッキー「はいここで質問です。ZEROといったらどんなイメージ?」
シュウト「ドライスーツ!」
カッキー「そうだね。ZERO=ドライスーツってイメージはとても強いと思う。実際、ZEROのドライスーツの歴史は長いし、ドライスーツには特に自信がある。そのZEROが、三年前に「セミドライ」というジャンルで発売したのがこの「WDM-02」と「WPS-01」なんだ。
ジュンペイ「柿澤さーん!」
ジュンペイ「生地が届きました!この生地、どこに置けばいいですか?」
カッキー「ナイスタイミングだジュンペイ君!これこそが、セミドライWDM-02で使っている起毛生地、ドライマックスエコだ!」
シュウト「フワフワした起毛なんですね!」
カッキー「表面は速乾性に優れてるスーパーカラットジャージ、裏面は中空糸起毛のドライマックスエコ。このドライマックスエコが、水捌けが良くて抜群の速乾力を持ってるんだ」
シュウト「へ~」
カッキー「生地については、モニタースーツもあるし海で実際に着て感じてみるといいよ。ちょっとこっちで詳しく教えてあげよう!」
~いつものお勉強場所へ移動~
ジュンペイ「WDM-02は、フードが付いてるんですね」
カッキー「そう、このフードが大きなポイント!ウェットスーツを着ていて、一番冷たさを感じるのはどこだと思う?」
シュウト「首筋から水が入ってくる時!」
カッキー「正解。ウェットスーツは首筋からの浸水と、背中ファスナーからの浸水が一番ヒヤッと冷たく感じる。WDM-02はそのどちらもクリアしたスーツなんだよ!」
名和「これの話??」
カッキー「こうやってフードが一体型になってるし、中にインナーシールが付いてるから、首からの浸水がほとんどないんだ。これは大きな利点!」
シュウト「このフードについてるのは…メンダコですか?」
カッキー「そう、このメンダコが良い仕事します!この二つのメンダコはO.T.V.システムと言って、シリコンの弁を特別に加工しているものなんだ。今までのフードについてるネオプレン生地を二枚合わせたエアーダクトよりも空気の抜けが良くて、突起が出ないから見た目もオシャレでしょ。」
ジュンペイ「二個ついてるのは意味あるんですか?」
カッキー「水中での姿勢を考えてごらん。地面に対して水平でも垂直でも、フード内の空気が排出されるからフードが浮いたりすることがないんだ。写真撮影の時には、特に便利だよ!」
シュウト「これ、ZEROのフードにも付けられるんですよね!」
名和「そう、ZEROのオリジナルオプションです!!」
カッキー「そして、ワンピースにフードが一体型になっているという事は、どういうことだと思う?」
マサル「ファスナーがハイブリッドドライスーツみたいに胸部にあるから楽に着れる!!」
カッキー「正解!前回のドライスーツの種類の記事で書いた通り、ZEROのお家芸と言えば胸の開口部。自信の技術をここでもふんだんに使って、セミドライでも胸部のファスナーを採用しています。」
ジュンペイ「ということは、このファスナーも防水ですか?」
カッキー「樹脂製の防水ファスナーと、同じく樹脂製のウェットスーツで使用している非防水のファスナーが選べるよ。防水ファスナーにすれば、ファスナーからも全く水は入ってこない。非防水のファスナーでも、スーツの内側にシール(水返し)が付いているから、水が入りにくいんだ!」
裏から見るとシール(水返し)が分かりやすい
名和「これがもう一種類のセミドライのWPS-01だよ」
マサル「こっちのWPS-01も胸部ファスナーですね」
カッキー「そう、こっちのWPS-01はフードが付いてなくて、首がドライスーツと同じ生地・形になっているものなんだ。生地は両面がPSジャージで、起毛じゃない分コストが抑えられてる。フードが不必要で暖かいポイントで多くダイビングする方には、こちらの方がコスパが良くてオススメだね」
マサル「手首と足首も、ドライスーツみたいな生地ですね」
カッキー「WDM-02もWPS-01も、手首と足首にはドライスーツのリストシールと全く同じ生地を使ってるよ。」
シュウト「へー、じゃあホントに水は入ってこないかも…」
カッキー「年間で見てもウェットスーツよりも長い期間使ってるって人も多いから、これは作っておいて損はないよ。全てフルオーダー作製だしね!」
マサル「こばP工場長~~~!!お願いします!!僕にこれを作って下さい!!!」
こばP「そう言うと思って、それはマサルくんのサイズで作りました!!」
マサル「やったー!!ありがとうございます!」
カッキー「よし、じゃあそれを着て実際にダイビングだ!!今から海まで行っくよー!」
せーのっっ
ワーーーーープ!!
ドン!!!!
到着!!!!
カッキー「はい、じゃあ早速WDM-02を着てみようか」
シュウト「何か今日暑いですね、汗ばんできました…着るの大変かもなー」
シュウト「えっ?!」
マサル「あれっ?」
二人「こ、これは…」
二人「スルッと着れるーーー!!!」
胸のファスナーを締めて…
簡単に着れましたー!!!!!
カッキー「これがドライマックスエコの力!!スキンの素材と違って、着るのがとっても楽なんだ!!」
シュウト「フィット感がすごくいいです。手首と足首も、ドライスーツのリストシールと同じ生地だから水入ってくる気がしないです。」
カッキー「本当に浸水したくない人は、ドライスーツ用のリストバンドを巻いたり、サーフィン用のドライスーツに使うような柔らかいブーツをオプションで取り付けることも可能なんだ。そうすると、もうほぼドライスーツみたいだね」
マサル「おっ、シュウトくんのスーツはWDM-02だよね?フードがついてないね?」
シュウト「そう、僕はどうしてもアニマルキャップが被りたくて、こばP工場長に相談したらWPS-01と同じくドライスーツのネックシール仕様で特別に作ってくれたんだ!」
※こちらの仕様は営業担当までご相談ください
二人「よし!一本目、行ってきまーす!!」
水中撮影が大好きなシュウト
最近カメラを始めたマサル
~全員、エキジット~
シュウト「ふー、楽しかった!!暖かいですねこのスーツ!」
カッキー「スクイーズはどうだった?スクイーズが痛い時はウェットみたいに水を入れてももちろん良いんだけど、水を入れるのが嫌な人にはバルブをオプションで付けることも出来るよ」
マサル「それは増々ドライスーツみたいですね。でも、意外と大丈夫でしたよ!そしてフードからのエアーの抜けが良くてビックリしました。このメンダコ、やるなぁ…」
シュウト「手首からも足首からも、水が入ってきた感覚が無かったです。ファスナーも…」
シュウト「す、すげーーー!!内側が全然濡れてない!?」
マサル「僕のも内側が全然濡れてない!!」
シュウト「さすが防水ファスナーですね!胸からは本当に全く浸水してません!!」
カッキー「防水ファスナー仕様にすれば、開口部の防水はドライスーツと同じだからね!」
シュウト「本当に、ドライで潜ったみたいに濡れてないです」
カッキー「それがWDM-02の力だ!よーし、試しに…」
こ う し て や る ! !※後輩イジメではありません
シュウト「あーっ!!内側濡れてないのに!あとで二本目潜るのにー!!」
カッキー「さ、休憩しよー。水分補給はしっかりね!」
~1時間後~
シュウト「さー、二本目…って、スーツ完全に乾いてる!!」
カッキー「フフフ…」
カッキー「これこそが起毛ドライマックスエコの真骨頂!速乾で二本目着る時にスルスル着れるし、冷たくない!!」
シュウト「いやーこんなに暖かくて着るのが楽で、ハマっちゃいますね!」
金澤さん「あれ、君たちWDM-02で潜るのは初めてかい?」
カッキー「こちら、千葉県勝浦のダイビングショップ かめはうすのオーナーの金澤さんです」
シュウト&マサル「こんにちは!ZERO新入社員の幸田シュウトです!森田マサルです!」
金澤さん「WDM-02は良いスーツだよね~!僕も大好きなんだ」
カッキー「金澤さん、今日はこの二人がZEROのセミドライについて勉強しているんです。ご愛用されている視点で、少しお話を伺っても宜しいでしょうか?」
金澤さん「もちろん!」
二人「宜しくお願い致します!!」
今日はスペシャルな先生に教えてもらいます!
シュウト「金澤さん、WDM-02は千葉エリアでは、年間どんなシーズンで使用されていますか?ウェットの時期、ドライの時期とある中で、いつ使うのがベストでしょうか?」
金澤さん「真夏はもちろん、5~6月頃の「気温は上がってきているけど水温がまだ冷たい」時期や、10~11月頃の「水温はまだ温かいけど気温が低くなってきた」という、ウェットにするかドライにするか悩んでいた時期でもこのスーツなら快適に使用できますね。
ゲストさんには「ウェットスーツで潜れる期間が今までよりも前後2ヶ月ずつくらい伸びますよ」と勧めています。寒さに強い人なら1年中OK!ですね。」
一年中…?と反応するシュウト
マサル「そうすると使用する時期的に、ウェットスーツのロクハンと被る所が多くあると思うのですが、比べてみて、WDM-02を選ぶポイントはどういう所でしょうか?」
金澤さん「ロクハンと比べると、こちらの方が暖かく、脱着がしやすいですね。ロクハンよりも薄いのに暖かいことが良いですね。(※金澤さんは6.5㎜のWDM-02を着用されています。)
さらに、水が入ってこないこともすごく良いです。水中は暖かく潜れて◎陸上でもストレスがなくて◎良いことばかりですね。ただ、動きやすさとしては、フロントファスナーによってロクハンよりは動きにくい感じはします。」
シュウト「僕たちも今日着てみて、着脱のしやすさにビックリしました!」
マサル「裏地のドライマックスエコ、不思議な生地ですよね。このドライマックスエコについては、陸上や水中でどの様なところが良いと思いますか?」
金澤さん「陸上では、速乾性がとてもよく、1ダイブ終わって裏返して干しておけば2本目には乾いていることがとても良いと思いますし、水中ではロクハンよりも暖かいので、これはお客さんにも勧めていることです。」
さっきめっちゃ乾くの速かった…!と思い出してニヤつくマサル
シュウト「この速乾性の良さは驚きですよね。金澤さんは、WDM-02で一番気に入っている所はどんな所ですか?」
金澤さん「1番は・・・、「コストパフォーマンス」!ですね!金額的な部分だけではなく、総合的に考えてのコスパですね。
ぼくは1年中これで潜る!と決めているので、さっき話に出た「ウェットにしようかドライにしようか」という微妙な時期に悩むことがないですね。これが実はけっこう大きいです。ドライだと着替えを持たなきゃいけないとか、フィンを変えなきゃとか、持ち物が変わったりしますよね。「1年中ウェット」と決めてしまえば1年中器材や持ち物が変わらないので、悩んだり忘れ物がなくなります。・・・洗濯物も減るし。
寒さ対策としてはドライにはかなわない、真夏の暑さ対策としては一般的な5ミリウェットの方が上だけど、、1年トータルで考えた時の「総合力」というか、うーん、やっぱり「コスパ」ですね、これが1番良いと思います。」
シュウト「それは良いですね。僕もよくウェットかドライか悩んだり、切り替え時期にうっかり忘れものをしてしまった事もあります。年間通して、使用時期が長いというのは大きいですね」
マサル「スーツとしての機能面はもちろん、やっぱり使っていらっしゃる方ならではの視点ですね。本当に勉強になります!」
シュウト「僕らまだまだ半人前ですが、これからたくさん勉強して、もっともっと良いスーツを作りたいと思ってるんです。」
金澤さん「それには、沢山潜って沢山経験しないとね!ダイビングを楽しんで!」
シュウト&森田「はい!有難うございました!」
ダイビングショップ かめはうす 金澤さん 有難うございました!
カッキー「二人とも、これからも沢山潜って、スーツの事をもっともっと深く理解するように!!」
二人「はい!頑張ります!」
今回ご協力を頂いた、ダイビングショップかめはうす様HP↓↓
かめはうす様フェイスブック↓↓
金澤さんインスタグラム↓↓
撮影場所:勝浦ダイビングサービス様HP↓↓
次回は、【bigblue 水中ライトについて学ぶ!!】
次回もお楽しみに!!
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