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ブームの予感!老化細胞アプローチのアンチエイジング

更新が滞っておりましたが、皆様変わらずお元気でしょうか?
早いもので1月ももうすぐ終わり…、噂では花粉も飛び始めているとか。
スキンケアのことだけを考えると冬は好きですが(毛穴が引き締まる&保湿だけ強化すればOK)、早く暖かくなって心を陽気に持っていきたいところです…。

#除去する美容液が気になる

さてスキンケアブランドからは新技術を搭載した新製品が絶えず発売されていますが、私が最近気になったのは、#除去する美容液、というキャッチコピーで資生堂から3月1日に発売される「アルティミューン™ パワライジング セラム」です!

資生堂の老化細胞研究は有名で、老化細胞を”老化シグナル(コラーゲン分解酵素や炎症誘発因子)を発することで様々な肌のエイジングサインを引き起こし、加速するもの”として、様々な研究成果を発表しています。

昨年の10月に発表されたのは老化細胞のもつ特定の抗原に反応して、選択的に除去することができるT細胞(別名メモリーT細胞)と、それを間接的に誘導する成分でしたね。

※あくまでイメージです

このような老化細胞は、通常は体内の新陳代謝で老化細胞は取り除かれますが、代謝の滞りなどで除去されなかった老化細胞を「ゾンビ細胞」としたことも美容業界では有名ですよね。

今回新発売される美容液には、この老化細胞を特異的に取り除くことができる成分が入っているようで、#除去する美容液、と大きく打ち出されているようです。

そこで発売前の口コミを見てみると、「老化細胞なるものがあるのか…」「老化細胞だけ除去するなんてそんなことできるの?」という困惑(?)のものが多く、一般的なスキンケアユーザーには老化細胞やゾンビ細胞の存在やアプローチがまだまだ知られていないのだなあ🤔と思いました。

そこで今回は老化細胞とは何かという点と、それに対するアプローチを持つ化粧品原料を紹介したいと思います。

①老化細胞(ゾンビ細胞)とは?

前述の通り、老化細胞とは老化シグナルを発することで様々な肌のエイジングサインを引き起こし、加速するものです。
老化細胞の出す老化シグナルはSASPs(老化関連分泌表現型因子、Senescence Associated Secretory Phenotypes)と呼ばれていて、主に以下のようなものがあります。

●TNF-a
炎症を引き起こす因子で、肌のダメージや炎症を引き起こすため、過剰に分泌されると、シワやたるみの原因になります。

●IL-6、IL-8 (IL:インターロイキン)
IL-6:炎症を引き起こすサイトカインで、慢性的な炎症を引き起こします。
IL-8:症を引き起こす物質で、肌の赤みや腫れに関与しています。皮膚のトラブルやニキビの原因にもなることがあります。

●MMP-1、MMP-3 (マトリックスメタロプロテイナーゼ)
MMP-1:コラーゲンを分解する酵素で、過剰に働くと肌のハリや弾力が失われ、シワが増えます。
MMP-3:コラーゲンやエラスチンを分解する酵素で、肌の老化を加速させる原因となります。

●エオタキシン
エオタキシンは、免疫反応に関与する化学物質で、炎症を引き起こし、アレルギー反応や湿疹などの肌のトラブルを引き起こす可能性があります。

●COX-2 (シクロオキシゲナーゼ-2)
COX-2は炎症を促進する酵素で、痛みや腫れ、赤みを引き起こす原因となります。肌の炎症や日焼け後の赤みを引き起こす原因にもなります。

●iNOS (誘導型一酸化窒素合成酵素)
iNOSは一酸化窒素を生成する酵素で、炎症や免疫反応を調節します。過剰に働くと肌のダメージや炎症を悪化させ、肌荒れやニキビを引き起こすことがあります。

通常このような老化細胞は自然に分解されますが、分解・代謝されなくなってしまうと、通常の細胞としては機能しないのに、SASPsだけを出し続ける迷惑な「ゾンビ細胞」へと化してしまいます。

しかし最新の研究では、肌が再生や修復に向かう時にこの老化細胞を指標にしているという報告もあり(あ、老化細胞がある!何か機能がおかしくなってるから直してあげなきゃ!ってなるらしいです)、全ての細胞を完全に殺してしまうような完全除去系のアプローチは、スキンケアでは疑問視されるような傾向です。

②老化細胞(ゾンビ細胞)アプローチの原料

植物エキスには老化細胞へアプローチする化粧品原料が多くあります。
老化細胞アプローチには主に
・老化細胞そのものを除去する
・老化細胞の放出するSASPsを抑制する

の2種類が考えられるので、それぞれに有効なデータを持つ原料を紹介します。

老化細胞を除去して、皮膚の炎症を効果的に防ぐ「Alpein Rose Active」

有効成分:ロドデンドロンフェルギネウムエキス
かわいいピンクの花から抽出されるエキスであるAlpein Rose Activeはゾンビ細胞を除去する効果が知られている代表的な原料です。
ゾンビ細胞の除去のみならず、肌の黄グスミの原因となるダメージによるカルボニル化を防ぐ効果や抗炎症効果が高いので、アンチエイジングとしてだけでなく、敏感肌やストレス肌、また頭皮ケアにも、オールラウンダー的に働くことのできる原料です。
参考情報:https://www.cosmetic-info.jp/mate/detail.php?id=2772

老化細胞だけを特異的に除去できる「Eterwell Youth」

有効成分:エピロビウムフレイスケリ花/葉/茎エキス
ETERWELL YOUTHはアルプスのウィローハーブから取れるエキスで、比較的新しい化粧品原料です。
ETERWELL YOUTHの特徴は健康な細胞も含めてごっそり除去するのではなく、老化細胞のみを選択的に除去することができるという点です!
そのため肌組織が老化していない細胞で満たされるので、反応性も上がっているのかレチノールなどと組み合わせると、単体よりもETERWELL YOUTHを併用した方が良い効果が出るというデータもあります。
参考情報:https://www.cosmetic-info.jp/mate/detail.php?id=21251

SASPsの放出を抑制してゾンビを押さえつける「Bioptimized Guava」

有効成分:グアバ葉エキス
Bioptimized Guavaは韓国・チェジュ島で育ったグアバを最適化された発酵法”Bioptimized”によって抽出した特別なエキスです。
Bioptimized Guavaには、ゾンビ細胞が周りに放出する老化の原因となる因子(SASP)を抑えることができる原料です。
そしてBioptimized Guavaを他のアンチエイジング原料と一緒に使うことで、効き目が上昇するというデータもあります。
→ETERWELL YOUTHでも同様のアプローチがありましたが、やはりゾンビ細胞の改善は、他のアンチエイジング成分の効き目にも関わってきそうですね!
参考情報:https://www.cosmetic-info.jp/mate/detail.php?id=20313

以上、今回は老化細胞をテーマにご紹介しました。
アンチエイジング製品の新企画やリニューアルをご検討の方、ぜひこのコンセプトもご検討下さい😌

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