化粧品開発展2024行ってきました!
こんにちは。ZeroGravityのコラム担当Mです。
1月17~19日の3日間で開催されたCosme week 2024・化粧品開発展に行ってきたので、そこで感じた今年のトレンドや、キャッチーで目立っていたワード、各ゾーンで感じた業界の雰囲気などを紹介させて頂きます。
2024年のトレンド
各ブースで展示しているものは様々でしたが「これはよく見たな~🤔」と思うものを2024年のトレンドとして挙げてみます。
エクソソーム
これまでサロンやクリニック向けのブースで目立っていた印象のエクソソームが、化粧品原料の方のブースでも盛り上がっている印象でした。どこをみても「幹細胞」「エクソソーム」のキーワードが並んでいて、これまで避けられていた印象のヒト由来の成分もプッシュされていました。海外、特に韓国ではヒト以外の細胞からのエクソソームも増えてきているようで、これから要チェックですね!
アゼライン酸
OEM各社のブースでは「レチノール」「ビタミンC」「ナイアシンアミド」などコロナ禍で人気になった成分よりも、“アゼライン酸”がプッシュされていました。毛穴やニキビの悩みに効くのと、クリニックでしか手に入らないっぽい(?)効果感が人気になっているのでしょうか…?
泥・炭
同じくOEM各社のブースで目立っていたのが、シャンプーやクレンジング、ボディソープなどの洗浄系の剤形への吸着系成分の訴求です。いつかに大ブームを起こしたというよりは、ずっと人気な定番という印象でしたが、最近はジワジワと問い合わせが増えていて商品企画も多いらしいです。
キャッチーだったワード
続いては、頻繁に出ていた訳ではないけれど、人だかりが出来ていたり、これからブームが起こりそう…!と(直感で)感じたものを紹介します。
部分太り
エステゾーンで痩身マシンがずらっと並ぶ中で、部分太りを訴求した美容液を展示している会社が賑わっていました。バストやヒップなどトレーニングで鍛えにくい(結果が出にくい?)部分だけでなく、まぶたや頬・手の甲・首のシワ改善にニーズが高そうだと感じました。
塗る糸リフト
巷でハイフよりも物理的な引き上げで、たるみ改善や小顔効果が期待されている糸リフトが化粧品のコンセプトにも登場。成分は塗るハイフ・塗るボトックス系と大差ないようでしたが、キャッチコピーとして”人気(か最新)のクリニック施術を入れる”というブームが続く予感でした。
睡眠美容
化粧品会社各社で「今社内で企画があって…」という声が多かったのが睡眠中に特化したコンセプトで、寝る前に使って集中的に補修する効果があるものが多かったですが(ヘアケアなど)、睡眠の質に言及したものもあり、「YOLU」で広がった”夜間(睡眠)トリートメント”のブームも1-2年前から継続している印象です。
オムケア
フェムケアやフェムテックの市場は言わずもがな成長していますが、その一方で「オムケア」も最近OEM各社で問い合わせが多いとのこと。メンズコスメとはまた違うとのことで、男性特有のデリケートゾーンの悩み(主に蒸れやかゆみ)をケアする商材がニッチな分野として成長しているようです。
貼るボトックス
パッチ系のブームはニキビケア系がけん引している印象でしたが、アンチエイジングやリフトアップ系も増えており、特に「貼る〇〇」系は数が多かったです。特にボトックスはもともと針で注入する施術が一般的だったので、それが自分でできる感じ(?)が人気そうでした。
進化系ニードル
ニードルパッチのブースはひときわ大きく「ヒアルロン酸含有で他にも様々な成分を入れられるもの」「ヒアルロン酸に加えコラーゲンも加えたもの」「先端針型ではなく富士山型になっていることで肌への刺激が抑えられるもの」が三大派閥だったイメージです。
肌ファスティング
中華系インフルエンサーのスキンケア動画の様に様々な成分をモリモリにして使う方法とは真逆で、肌をリセットすることで本来肌が持つ力を引き出すケアを謡っていたブースが人気そうな印象でした。何かを足すというより、肌本来の力を引き出す系の原料もこれから流行の兆しです。
AI肌解析
VISIAのようなことがスマートフォンでできるようになっているAI肌解析のサービスがいくつかありました。小売業に導入が進むと、消費者の中でもより細かな肌悩みがクリアになり、能動的なパーソナルコスメの流行や、ベースは同じでも成分違いのシリーズ系が今後流行していくのではと思います。
GDF-11
一般的な認知度が低そうなのにブースで大き目に取り上げられていた印象の「GDF-11」。昨年ポーラ・オルビスHDがプレスリリースを出したり、美容医療・幹細胞のブームで注目を集めている印象なので、今後フェイスパックなどのスペシャルケア製品でEGFなどのワードと同じような感じで出てくる予感がします。
レスベラトロール
NMNの注目で同じく長寿遺伝子SIRT1を活性化する成分として再注目をされているのか、レスベラトロールの訴求を健康食品やサロン系コスメのブースでよく目にしました。今更感もありますが、もしかしたら近く人気が再熱するのでしょうか…?
浸透修復
ヘアケア系はコーティングの時代はほぼ終わり、有効成分を浸透させて内部を補修するというコンセプトの勢力が強かったです。ケラチンタンパクを加水分解したものや、階の内部を膨張させるものなど様々な種類があり、S-S結合にフォーカスしたものも注目されていた印象です。
NMN
Youtuberが絶賛していたことから富裕層を中心に人気のNMNは健康食品ブースでは大人気だった一方で、化粧品原料でも注目されていて、経皮吸収や安定性の問題をクリアする原料の開発が進められていました。(NMN誘導体に浸透性ペプチドを結合したものなど)
Cosme Week 2024:ゾーンごとの感想
最後に各ゾーンごとに感じた業界ごとの空気感をレポートします!
国際化粧品展
韓国スキンケアは「色違い」がブーム?
自分の肌悩みが明確で、どの成分を使えばその肌悩みが改善できるのかの認知がより進んでいる印象の韓国では、ベースは同じような感じでメインの成分だけが違うような色違いシリーズが豊富でした。CICA=緑、ビタミンC=黄色のようにある程度共通の色も決まっているので、日本や他の国のスキンケア製品と違ってとてもカラフルでした。
エステ・サロン展
スキンケア以上の”デバイス類”の進化がすごい
座るだけで骨盤底筋を鍛えられる椅子型マシン、AI肌解析、赤外線の出るブラシ、溶ける素材のシートマスクや振動装置付きマスク…などなど、スキンケアやコスメに次いで小物やデバイス類の進化が目まぐるしかったです。(そして全部欲しいです。)
セミナーセッションで皮膚科医の友利先生も言及していましたが、「美容医療vsスキンケア」のような構造ではなく、それぞれの良いところを賢く利用する消費者が増えてきそうです。
消費者も無意識に成分で区別している…?
スキンケアで人気のビタミンC、レチノール、CICAなどはサロン向け商材ではあまり見かけず、少しCICAがあったぐらいでした。消費者も無意識にサロンコスメとドラスト・ECコスメ類で求めるものを分けているのでしょうか…?🤔
(例えばドラッグストア向けの製品に高濃度エクソソームは求められていない可能性…など)
化粧品開発展
サステナブル容器の限界は二層式?
容器ゾーンでは革新的な技術はあまり見られませんでしたが、多く展示されていたのは化粧品を無駄なく使いきることができる真空ポンプ式のボトルでした。もちろん訴求としてバイオマスプラスチックなど、環境に配慮した素材でできたものは多かったです。
海外トレンドから少し距離がある日本独自のトレンド?
・水光肌や白玉肌など韓国で流行した肌質の再現を謡ったコンセプトが多かったです。
・メンズスキンケアはまだ敏感肌やシワケアなどよりもエタノールやメントールでさっぱり感を訴求したり、皮脂抑制・サラサラを謡ったものが人気だそうです。
・UVケアはケミカルフリー命の時代から、やはり質感も大切という風潮になっているらしく、吸収剤を使って滑らかな使い心地を求める声も多くなっているとのこと。
・海外では天然由来やアップサイクルなどの原料トレンドが大きな柱になっていますが、今回の展示会ではシリコーン代替やバイオセルロースなど人や環境に配慮した代替系原料は思ったより少ない印象でした。またヒト由来成分の展示も多く、日本だけが異常にヒト由来成分、特にヒト細胞培養順化液を推していることに少しギャップを感じました。
以上、Cosme week 2024・化粧品開発展を見て回って感じたトレンドや今後注目のキーワードでした。
皆さんのコスメ作りに役立てば嬉しいです!
気になるものや、「このコンセプトでコスメを作りたいけれど、どんな成分を使えばいいのか分からない…」などのご相談があればドンドンご連絡下さい。
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