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相続アドバイザー3級勉強記録(39回目 口座引き落とし・家賃の振り込み等編)
こんにちは、士業開業準備中のZoroと申します。相続アドバイザー3級検定の日々の勉強記録、本日は「口座引き落とし・家賃の振り込み等」です。
公共料金等の引き落とし
ガス、電気、水道などの公共料金や家賃の支払いを自動的に口座から引き落としにしている方は多いと思いますが、被相続人が口座引き落としをしていた場合、口座引き落としの契約は終了します(準委任契約の終了)。
しかし、現実には金融機関は相続の事実を把握するまでのしばらくの間は自動口座引き落としをしているのが実情で、民法上の事務管理として有効とした判例もあります。
また、相続人から引き続き自動口座引き落としの継続を要請された場合は、相続人全員の同意を条件に金融機関は応じることは可能です。
振込依頼を受けた後の依頼人の死亡
振込依頼人が振り込み後亡くなった後、相続人から振り込みの解除を求められても、金融機関はこれに応じることはできません。
年金等の振り込み
年金受給権者の死亡によって年金受給は停止されますが、相続人の対応不足で年金が振り込まれてしまうことがあります。この場合、金融機関は年金受給権者の死亡を知ったら速やかに取引停止手続きをとるとともに、振り込まれた年金を年金支給機関に返金するよう要請されています。
家賃等の振り込み
被相続人が賃貸不動産の貸主であり、借主は貸主の口座に家賃を振り込んでいたケースです。
貸主死亡により、貸主の口座は取引停止となるため、借主は家賃を振り込むことができなくなります。この場合、相続人全員の合意があれば新たな預金口座を家賃の振込先にすることができますが、相続争いが生じ花h氏がまとまらないことがあります。
このようなケースでは、金融機関は何もすることができませんので、法務局に家賃を供託する方法があるとの助言をするのが望ましいとされています。
また、遺産分割協議が整うまでの家賃の帰属先ですが、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として取得するとされ、後でなされた遺産分割協議の影響は受けないとされています(判例)
ただし、いったん被相続人名義の口座に振り込まれてしまった場合は、通常の預貯金と同様に、相続人らの準共有となり、遺産分割の対象となると考えられています(判例)。このため、遺産分割協議成立前の、共同相続人の一人からの持ち分に応じた払戻しについては拒絶できます。
本日はここまでに致します。ここまでお読みいただきありがとうございました。次回は貸金庫契約者の死亡について書きたいと思います。