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離婚を決めた日

前の夫はアメリカ人で、私たちはアメリカに住んでいました。

軍事関係の会社に勤務する夫、長男と次男、そして私の四人家族。

大きな家に住んで、傍から見ると幸せそうな家族だったと思います。

結婚して10年くらい経った頃から、離婚を漠然と考えるようになりました。二人の子供に恵まれましたが、夫婦の会話はずっと前に途絶えていました。家計は全て前の夫が管理していて、私は彼の収入も、お金の流れも何も知らされませんでした。日々の買い物は事前申請してお金をもらうか、一緒に買いに行くだけ。子供と同じ扱いです。

うまく言葉にできないのですが、夫と一緒にいると、自分が無能で役立たずのように思えていました。彼の前ではいつも萎縮し、自分を卑下して、毎日が息苦しかった。さらにアメリカに住んでいたので、英語が母国語でない私は、どうしても夫に頼らざるを得ないことも多く、無能感は日々積もっていきました。

離婚したいと思いつつ、専業主婦で外国人の私が、アメリカで離婚して自立するなんて、到底無理だと諦めていました。

そんな時、夫に日本行きの辞令が出たのです。横須賀市の米軍基地へ三年の辞令。


このチャンスを絶対逃してはいけない


日本にいる三年間で経済的に独り立ちする目処をつけ、離婚しよう


脳内に稲光が走り、私は離婚を決意しました。



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