3.『ザ・テレクラ回顧録』3発目
時は来た!
ここから僕のテレクラ人生が
始まる(どんな人生やねん)
僕「ここか~。
ここからオレの人生が始まるんだな」
同僚「だな!」
(ほんまに?(;'∀'))
3階建てくらいの小さな
ビルの1階がお店になっていた。
色々な宣伝文句が書かれた
ポスターみたいなもので
ガラス窓は目張りされ、店の中が
何も見えない状態になっていた。
引き戸をガラガラっと開けて
中にに入る同僚。
僕もワクワクしながらそれに続いた。
店員「はい、いらっしゃい。」
同僚「90分で」
会員カードみたいのをだしながら
慣れた感じで同僚が店員と
やり取りしている。
店員が僕を見る
僕「初めてです。」
店員「じゃ会員カードを作るので
こちらに記入して免許証見せてください」
これで僕も晴れて
○○倶楽部の会員様になることができる。。
なぜだろう。。。
一段。。。
大人の階段を登ったような気がした
(我ながら幸せな奴や・・・('◇'))
店内は受付の先に
扉がズラーっと並んでいた。
見た目はまさに
今のネカフェのような感じだ。
といっても床はコンクリ
扉もコンパネで自作したんじゃないかと
思うほど
味のある造りになっていた。
「先行ってるね」
同僚は
受付をしている僕を
ほったらかして
とっとと個室に入っていってしまった(;'∀')
僕のことなんて待っているわけがない。
ここからはお互いライバルだし
この時
電話は鳴りまくっていた。
プルルルル
プルルル
客の数より
かかってくる電話の方が多い証拠だ。
急がねば(汗)
プルッ
「どーもー!こんばんは!
初めまして。」
同僚のやつが早くも
電話を取りやがった。
その声は丸聞こえだし、
他の部屋からもテンションの上がった
話し声や笑い声が聞こえている。
負けてられるか
「じゃ3番のお部屋でお願いします。」
3番は僕にとって
そこそこのラッキーナンバーや!
心の奥にメラメラと
青色の炎を燃やしながら
店員に指定された3番のドアを
そっと開けた。
そこには備え付けの机
パイプ椅子
ゴミ箱
そして机の上には電話機と
ティッシュに灰皿、
それから
メモ帳とボールペンが一本。
無駄なものは一切ない。
シンプルイズBEST!
いかにも仕事ができる男の
仕事場って感じだ(どこがやねん)
壁は
入り口の窓ガラスにも貼ってあった
お店の宣伝ポスターや
禁止事項
エロい写真
ウソかまことか
サセ子の家の電話番号などで
飾られていた。
ここがオレの第二の職場か・・
パイプ椅子に腰かけ
感慨にふけりながら胸ポケットから
取り出した
キャビンマイルドに火をつけ・・
プルル・・
損なって、タバコと
取ろうとして慌てて取り損なった
受話器を同時におっこどした。
「はいはいはいはいお待たせー」
隣のやつがオレの
出るはずだった電話を取りやがった。
しかもメッチャ軽いノリやん。
隣:「いいねいいね~
会っちゃお会っちゃお。
カラオケ行こ、カラ・・
威勢よくしゃべってた
隣のやつのやかましい声が
急に途絶えた・・
代わりにカチッというジッポの音と
煙を吐き出す
哀愁たっぷりの
ため息が聞こえてきた。
もちろん声に出すのは必死に耐えたが
俺は笑いが止まらなかった( ´∀` )
なんならガッツポーズもとっていた。
それから
何分か電話が鳴らない沈黙の時が
過ぎた。
俺は受話器を眺め、
タバコの煙を吐きながら
隣のやつのことを笑った自分を反省していた。
俺ももう立派な社会人だ。(は?立派?)
頑張ったやつのことを笑ってはいけない。
明日は我が身だ。
「ドンマイ、ドンマイ。 さぁ
気を取り直してここから挽回しよう。
お互い、頑張って
いい明日を迎えようぜ!」
俺は隣のやつに無言のエールを送り
気合を入れなおして
煙草に火をつけた・・・
つづく・・・