LogicoolのM575への愛を語ると同時に新型のM575SPをレビューする
結論
M575SPはかなり難しいデバイスになったと思います。正直すべての人に手放しでに進められるものではないです。ちなみに僕は購入して後悔はしていません。
・Logi Boltレシーバーに魅力を感じる人
・静音クリックに魅力を感じる人
これらに当てはまる人は買ってもいいと思いますが、ちょっと待ってください。今回はちょっと隠れた仕様変更などがあり、買って後悔する可能性もあります。
その理由を解説していきます。
愛を語ったらとても長くなってしまったため、チャプターをつけておきました。興味のあるところだけでも見ていただけると嬉しいです。
僕のトラックボール変遷
この記事を書いてる人がトラックボール初心者だと説得力がないと思うので、簡単に使ってきたトラックボールの変遷をまとめておきます。
興味のない人は飛ばしてもらって大丈夫です。
初めてトラックボールを買ったのが、2020年の12月頃です。
当時はM575SPの前モデルであるM575が発売されたタイミングでした。
合うかどうか自分でもわからなかったので、このときは一つ前のモデルのM570を購入していました。
このことは2020年の買ってよかったものの記事でも触れています。
この記事を書いたのが2020年の12月11日なので、それ以前に購入した事になります。
2020年12月頃からトラックボールを使い始め、割とすぐにM575に乗り換えました。これも2021年買ってよかったもので触れています。あまりにも気に入りすぎて会社用とプライベート用の2台を所有するくらいには気に入っていました。
そこから2年以上経過。
たまに他のマウスに浮気しつつもなんだかんだこのM575を使ってきました。
他に使ってきたトラックボールマウスの一例
人から借りたり、自分で買ったりしつつどのマウスも最低1ヶ月は使っています。
ProtoArcのトラックボールマウス
ELECOMのHUGE
ELECOMのDEFT
ELECOMのDEFT PRO
LogicoolのMX Ergo
サンワダイレクトのトラックボールマウス
これだけのマウスを試しつつもなんだかんだM575が好きでした。
M575が好きな理由
バッテリー持ちが良い
Unifyingレシーバー対応
戻る進むボタンが静音
公式でカスタムソフトが用意されている
有名製品なので、Amazonやメルカリ等で傾斜スタンドが売られている
34mmという汎用性が高いボール径のため、ペリックスなどのボールと交換して楽しめる
表面がプラスチックのため、手入れがしやすい
ボールを指で取り出すことができるためメンテナンスがしやすい
少し解説していきます。
1.バッテリー持ちが良い
Logicoolのデバイスは電力効率が良いのか充電式でも電池式でも他メーカーと比べてバッテリーの持ちが良い傾向にあると思います。
このM575も例外ではなく、レシーバー使用時で最大24ヶ月、Bluetooth接続時で最大20ヶ月持ちます。最低でも1年半以上は持つので、電池式でも許せるという人もいるのではないでしょうか?
僕も、仕事用とプライベートで2台持ちをしていましたが電池を交換したのは1回か2回くらいだったと思います。
2. Unifyingレシーバー対応
他のLogicool製品を持っている方が強く恩恵を受けると思いますが、Unifyingレシーバー1つでLogicool製品のデバイスを2台繋げることも可能です。
つまり、マウスとキーボードのレシーバーをUSB-A端子1つでまとめることができます。これに慣れてしまうと、他のメーカーが使いづらくなります。
また、レシーバーを紛失しても新しいレシーバーを買うことでデバイスを買い替えることなく使い続けられます。
3. 戻る進むボタンが静音
仕事中にマウスのクリック音って気になりませんか?
人によるとは思うのですが、静かなオフィスだと気になる人も多いと思います。とはいえ、仕事は効率的に進めたい。戻る進むボタンが静音になっているので、ブラウザなどの操作を快適に行えます。
社用のPCにLogicoolのソフトをインストールできる環境の人はボタンをカスタムすることでもっと効率化できるとは思いますが、ソフトをインストールできない人でも戻る進むボタンがあるだけでかなり便利だと思います。
4. 公式でアプリケーションが用意されている
上記でも少し触れましたが、Logicoolのアプリケーションを使うことでボタンのカスタマイズが可能になります。
中華メーカーなどだとそもそもこういったアプリケーションが存在していないので、汎用のものを使うなどカスタムにひと手間かかってしまいます。
5. 有名製品なので、Amazonやメルカリ等で傾斜スタンドが売られている
M575はそのままでも使いやすいですが、個人的にはMX Ergoみたいに角度をつけて使うともっと楽に操作ができます。(個人によるところが大きいので、気になる方は家電量販店などでMX Ergoを試してみてください)
M575はトラックボールの中でも有名製品なので、Amazonやメルカリ等で傾斜をつけるスタンドが販売されています。傾斜つけたいが、MX Ergoは高いと思ってる人は探してみると良いかもしれません。僕ももれなく20度の傾斜をつけて使用しています。
6. 34mmという汎用性が高いボール径のため、ペリックスなどのボールと交換して楽しめる
機能性とは少し離れるのですが、トラックボールのボールは単体でも販売されていて、ペリックスが有名だと思います。気になる方はAmazonで「ペリックス トラックボール」と検索してみてください。
トラックボールマウスのボールの大きさは小さいものから大きなものまで存在するのですが、おそらく一番メジャーなのが34mmというサイズです。
このサイズのボールは交換が可能なので、アクセントとして赤いボールや黒いボールがほしいという需要にも答えることができます。僕も純正の水色っぽいボールから黒い光沢のあるボールに交換して使っています。
7. 表面がプラスチックのため、手入れがしやすい
トラックボールマウスの中には表面にラバー素材が使われているものがあります。これはウェットティッシュなどで拭くと加水分解する可能性が高いかつ、ホコリがどうしてもつきやすくなります。簡単に言うと経年劣化が目に見えてわかりやすいです。表面がプラスチックだと、ウェットティッシュで拭いても加水分解は起こらないため清潔に使うことができます。
また、経年劣化でテカリは出ますが、ラバーがぼろぼろになるといったことにはならないのでこれも長く使う上で大事なことだと思います。
8. ボールを指で取り出すことができるためメンテナンスがしやすい
トラックボールはその性質上、ボールを受ける部分にゴミが溜まりやすいです。そのため掃除をすることになるのですが、M575は指で簡単にボールを取り出すことができます。他のトラックボールマウスの一部はペンなどの細いものを使わないと取り出せないものもあるため、簡単にメンテナンスをしたいという場合非常に便利です。手元にいつもペンなどの細いものがあるとは限らないですし。
ちょっと余談
ちなみに、上のトラックボールマウスの変遷でELECOMのIST(イスト)がないのですが、これはボール径が36mmで汎用のボールが使えないので買っていません。一応ELECOMからは36mmの交換ボールは販売されています。
他にも、これを買っていない理由はいくつかあるのですが、本題とそれるので、またの機会に。
M575SPレビュー
前置きが大変長くなりました。
ここからがM575SPのレビューになります。
一旦、公式のページを置いておきます。
変更点
1. Logi Boltレシーバーに対応
2. 静音クリックに対応
3. カラバリがちょっと増えた
1. Logi Boltレシーバーに対応
LogicoolのデバイスはUnifyingからLogi Boltレシーバーに移行しつつあります。そしてUnifyingとLogi Boltには互換性がないため、Logi Bolt対応のデバイスとUnifying対応のデバイスを併用している場合はUSB-Aを2つ使うなどをする必要がありました。個人的にLogicoolのデバイスはBluetoothよりもレシーバーのほうが接続が安定していると思っているので、これはかなり痛かったです。僕はMX Keys miniやMX Mechanical MINIを使っており、これらはLogi Boltに対応しています。M575はUnifyingだったので、まさに2つのレシーバーを差し込んで使っていました。これが1つに統一されたのは嬉しいです。
2. 静音クリックに対応
リモートワークが普及してからLogicool製品は静音クリック対応のデバイスが増えたと思います。今までのM575のクリック音はうるさいわけではないけど、静音だったら嬉しいなと思うこともありました。特にオフィスや、子どもがいる場所で作業する人にとっては静音のほうが嬉しいでしょう。
このアップデートは素直に嬉しいです。あと、静音クリックになったことで反発力が減り、指への負担が減った気がします。
3. カラバリがちょっと増えた
M575はグラファイト、ホワイト、Amazon限定モデルのブラックがありましたが、今回はブラックモデルに白いボールが追加されました。
Amazonだとブラックモデルに白ボールは販売されていないっぽいですが、家電量販店などでは普通に買えます。
万人に進められるものではないといった理由
M575と比較し、実は改変になったことがあります。
それが背面のボタンでのBluetoothとレシーバーの切り替えができなくなっています。
M575はレシーバーとBluetoothの切り替えは背面のボタンを押すことで、白だとレシーバー、青だとBluetoothとなり、すぐに切り替えができるようになっていました。
これがM575SPだと背面のボタンをいくら押しても白にしか光らないため、
実質Bluetoothかレシーバーのどちらか一方でしか使えないことになります。
これが万人に進められるものではないといった大きな理由です。
仕事用とプライベートのPCでM575を使うときに背面のボタンで切り替えていた人は要注意です。
僕は、出社時には別のマウスを使用しており、リモートワーク時には、ドッキングステーションにLogi Boltのレシーバーを指し、ドッキングステーションとPCをつなぐケーブルを差し替えることで社用とプライベート両方の環境でM575を使えるようにしていたので特に問題はなかったのですが、これは人によってはM575SPを買わない理由に上がってしまうのではないかと思います。
地味にバッテリー持ちが悪くなっているかもしれない事実
M575はレシーバー接続で最大2年、Bluetooth接続で最長20ヶ月持つとなっていましたが、M575SPは最大18ヶ月に短縮されています。どうしてこうなったのか。これがLogi Boltレシーバーの弊害だったら笑えない気がするのですが、謎です。
気になった点
約4年ぶりのアップデートとなったわけですが、気になった点もあります。
1. ホイールの変更なし
2. スクロールの方向がアプリ上で変更できない
1. ホイールの変更なし
個人的な意見ですが、M575の一番気になった点がホイールです。
M575SPはラバー製のちょっと太いホイールです。回しづらいとかではないのですが、M750系列みたいなSmartWheelスクロールが搭載されたらWebページの閲覧のときにもっと簡単にスクロールできると思います。今のホイール結構重いんですよね。正直価格帯が近いので実現してほしかったです。欲を言えばMagspeedスクロールホイールがほしいが、廉価モデルなのでこれは高望みかな。
2. スクロールの方向がアプリ上で変更できない
上位モデルのMX Ergoとの比較になってしまうのですが、M575時代からスクロールの向きはアプリ上では設定できません。
Macユーザーが特に顕著だと思うのですが、Magic Trackpadとマウスを併用しているといった場合、スクロール時にMagic Trackpadと同じ挙動になります。(下に行くにはホイールを上に転がす必要がある)これは使いにくいと感じる人が多いと思います。なぜかこれLogicoolの公式アプリだと設定ができないです。対策が限られるのでこれはなんとかしてほしいなと思います。
ちなみに、僕はずっと使っていたら慣れてしまったのでMagic Trackpadと同じ操作でスクロールをしています。たまに他の人にマウス操作をしてもらうとビビられます。
総評
色々書いてきましたが、個人的には買ってよかったです。
ちなみに今更ですが、好きな理由で触れた傾斜スタンドや他社製のトラックボールはM575SPになっても使えています。まあ本体の寸法はあまり変化がないみたいなので当然と言えば当然ですが。
この記事が少しでも買い替える人の参考になれば嬉しいです。
雑談
M575を4年くらい使っているのに、いままで設定していなかったことがありました。
それがジェスチャー機能です。
簡単に言うと、ボタンやホイールを押し込みながらボールを上下左右に動かすと実行できるものです。
存在自体は知っていたのですが、ボタンとボールを同時に押さなければいけないので何回か設定して挫折するを繰り返していました。
ただ、今回20度の傾斜スタンドをつけてちょっとやってみたらめちゃくちゃ使いやすくなったので色々試行錯誤しながら使っています。
ジェスチャーでMission Controlや画面分割、デスクトップの切り替えが簡単にできるようになったのが嬉しいです。
難しいという声もあるので、興味ある人はやってみてください。
あと、ミドルボタンというのを最近知りました。今までCmdを押しながらクリックしていたのですが、もっと早く知っておけばよかったです。結構検索結果はバックグラウンドで開くことが多いので革命でした。
参考までに僕のジェスチャーを貼っておきます。プライベート用です。