映画感想『仕掛人・藤枝梅安2』
一作目も見応えのある序章だったが更にパワーとボリュームをアップした続編になってると思う。
相変わらず梅安と彦次郎のコンビ愛は炸裂だがそれを踏まえての今回の大仕掛は彼らの過去と取り巻く人物背景を緻密に計算された時系列や展開で描かれる事で感情移入しまくりだ。
藤枝梅安と言う男の艶めいた魅力が老若男女問わず夢中にさせると言う設定の有無も言わせぬ感がお見事!
豊川悦司以外には無い!
個人的には久々に石橋蓮司の凄味が観られて感激( ✧Д✧) キラーン
加えて、おせきさんと梅安のやり取りが秀逸だったなぁ。あの関係性は大好き❤︎
唯一、梅安が一人の鍼医者で居られるオアシス。
おせきさんが居るから梅安はあの場所に帰りたいんだと思う。
池波正太郎作品として楽しませてくれるオマケ映像があるので暗いうちは帰らないで~と書いておく。
てかエンドロールで「えっ、出てた?」って思うから席立てないよなぁ。
⚠️ネタバレ
今作は彦次郎の敵討ちと並行して過去に梅安が殺めた一人の女を巡って描かれるストーリーがある。
もちろん、本線はこちらだ。
佐藤浩一演じる女の夫・井上半十郎が井筒屋の女中・おもんに近づき梅安について問いただすシーンの緊迫感は相当な物だが彼女の言葉から己と梅安との違いを理解してしまう。
己の中にある妬みと疑問、何故自分の妻は梅安に身を任せたのか?
その真意を知ってしまった事でむしろ妻の死の要因が己の傲然たる過信にある事に気付く。
しかしそれが更なる憎しみと自分に対する嫌悪に変化し、その時の半十郎の表情が何とも言えずやるせないのだ。
全く以て、人の業の深さが切ない。