映画感想『ロッキーVSドラゴ：ROCKY IV』

原題「ROCKY IV: ROCKY VS. DRAGO」

◆あらすじ◆
最強のライバル、アポロ・クリードとの２度にわたる死闘を経て、チャンピオンとして国民的ヒーローとなったロッキー・バルボア。そんな彼に、プロ転向を表明したソ連の"殺人マシーン"イワン・ドラゴが挑戦状を叩き付けてきた。それを聞いたアポロはロッキーを説得すると、代わりに自らドラゴの対戦相手に名乗りを上げるのだったが…。

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※シルヴェスター・スタローンの代表作「ロッキー」シリーズの４作目「ロッキー４／炎の友情」を、監督・脚本も務めたスタローン自ら登場人物たちの内面に焦点を当ててよりドラマ性を重視した物語へと再構築し、別テイクや別アングルを中心に42分の未使用素材を採用して本当に描きたかった新たな作品に生まれ変わらせたアルティメット・ディレクターズ・カット版。

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概要は変えずにスタローンが大々的にシーンを入れ替え構成した【リメイク】は単にボクシング映画と言うだけでなく「民主主義」対「社会主義」の図式が見えて今のこの世界情勢に皮肉さを感じてしまう内容。

オリジナルよりももっとキャラクターそれぞれの心境を掘り下げ、同ラストへの感情の昂ぶりを更に押し上げた盛り上げ方はさすが。

こんなシーンも懐かしい。

ラストのドラゴが国家の為で無く「自分の為に勝つ」と叫ぶシーンこそ誰かの言いなりでは無く自分のアイデンティティをしっかり持てと言う強いメッセージ。
そのシーンに辿り着くまでとその後の展開でロッキーへの不安と期待を最高潮に持って行く作り・・・結末を知っていても興奮度メーター振り切りだね。

ロッキーとドラゴ、二人の比較シーンの編集はこのシリーズの歴史でもありスタローンが描きたい"人としての生き様"そのもので【Machine】対【Human being】とも取れる。

それを踏まえてのドラゴ一色だったロシアの会場が"変わる"シーンは今の"世界"であり、そうなる事への祈りとも取れる。


この後スタローンとドルフ・ラングレンの関係が『ポンコツ野郎ども』の共演まで続くと思うと感慨深いなぁ。

2022/09/03