見出し画像

『ブラック・クランズマン』

原題「BlacKkKlansman」

◆あらすじ◆
1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース。署内の白人刑事たちから冷遇されながらも捜査に燃えるロンは、新聞広告に掲載されていたKKKのメンバー募集に勢いで電話をかけ、黒人差別発言を繰り返して入団の面接にまで漕ぎ着けてしまう。しかし黒人であるロンはKKKと対面できないため、同僚の白人刑事フリップに協力してもらうことに。電話はロン、対面はフリップが担当して2人で1人の人物を演じながら、KKKの潜入捜査を進めていくが……。


丁度30年前同監督の『DO THE RIGHT THING』を観た時の衝撃が蘇った。

あの時もスパイク・リー監督は現在進行形のエンディングで締め括りそして今作でも同様にアメリカの人種差別は根深くあの大統領選以降再び息を吹き返してしまった現状を示している。

M.L.キング牧師がマルコムXがブラックパンサー党が自分達なりの信念と手段で戦って来たのと同様に映像を武器に奴隷船以降アフリカ系アメリカ人がどう生き抜き、どう死んでいったかを踏まえ彼等の現状を描いて来た。

彼の制作会社【40 acres and a mule filmworks】は解放された自由黒人に対する平等を意味する、実現には失敗した政策から取ったもの。

今作も如何にもスパイク・リー監督らしい演出と使用楽曲。
怖ろしさと滑稽さのバランスが良いのもさすが!

今作で1番怖かったのは彼女の存在。

普段は表立った活動はしないけどいざとなったら犯罪も厭わない。
正直、思想が先立って自分の愚かさに気が付けない事ほど怖いものは無い。

そして監督とは切っても切り離せない朋友プリンス未発表曲のエンドロールはシビレタ。
彼の歌う【黒人霊歌】は通常のソレとは何か違うものだった。


人間に優越をつける様な考え方が何故存在するのか?
未だアメリカ南部に多く存在する白人至上主義の恐ろしさ。

やはりスパイク・リーの作品にはそれを知らしめるチカラがある。

アカデミー賞 脚色賞を受賞した事でよりこの映画を目にする人が増え差別の理不尽さと無意味さが拡散される事を祈る。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?