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映画感想『レイジング・ファイア』

原題「中:怒火 / 英:RAGING FIRE」

◆あらすじ◆
香港警察のチョン警部は、長年追い続けてきた凶悪犯ウォンの麻薬取引の情報をつかみ、現場に乗り込む予定だった。ところが直前になってチョンのチームは外されてしまう。その後、取引現場を謎の武装集団が急襲、ウォンばかりか多くの警官も惨殺し、大量の麻薬を奪い去っていく。やがて捜査線上に浮かび上がってきたのは、かつてチョンを慕っていた元エリート警官のンゴウとその部下たちだった。ンゴウは4年前のある事件によって運命を狂わされ、チョンに激しい恨みを抱き、恐るべき復讐を計画していたのだったが…。


『新少林寺』ベニー・チャン監督の遺作。

ドニー・イェンてちょっと段田安則に似てるよなぁ・・・っていつも思いながら観ちゃうんだけど今回も例外無くそうだった。いや、今作は特に似ていたように思うのはアタシだけか?

そんな事はどーでも良い!!

警察VS元警察所属だった武闘派の犯罪集団という構図だが、犯罪人の方がスタイリッシュって言う「公務員なめとんのか?!」な演出はお約束だね。
でもアタシは警察時のニコラス・ツェー演じるンゴウ君がカッコ良かったけどね。

個人的に同時期公開の『ただ悪より救いたまえ』よりテーマが身近な分、こっちの方が好きだったかな?
ストーリーに新鮮さは無いが善悪のグレーゾーンを描いてる内容は結構深みに繋がってたし元同僚とその彼らを犯罪人にしてしまった先輩警官の苦悩的な描きに切なさが滲み出てるのは良かった。
それに加えて、谷垣健治氏が監督したアクションは構成、テンポ、キレ共に文句無し!
ドニー・イェンとニコラス・ツェーのタイマンはかなり魅せてくれる。

クライマックスは「はい!今から15分間の手榴弾投げ放題タイムセールだよ!!」ってな感じで『ただ悪』もそうだったけどドカドカ惜しみ無い爆発連発。
君たち手投げ何個持ってるの?だよ。

全然違うと言われりゃあそうだけど、あの公道での派手なドンパチ&手榴弾投げ放題シーンはあの名作『明日に向かって撃て』を連想してしまった。(これはアタシだけだろうな・・・)
頭の悪い・・・と言うか自分の保身のみで地位にぶら下がってるお偉いの下に居るくらいアホらしい事ないよな。そいつに言われた通り手段を選ばず捜査した結果生み出された別の犯罪・・・命令した奴はその責任を何食わぬ顔でスルーって構図はもう辟易なんだよ!!
あとさ、その自らが創り出してしまった過ちによる犯行を庇わなかったとか言って逆恨みするのも如何なモノでしょうか?
警察内部で露見したから自分の不始末が同僚によって正当化されるなんて甘い事を考えるなら"じゃあ正当なルールって何なんだ?"って事になるでしょうが。
優秀でかわいい後輩を自分の証言が犯罪人にしてしまうと言う選択を迫られる方がよっぽどツライって事、その経緯に至る様な事をしでかした自分を顧みろ!って事でしょうよ。

ホント甘ったれてんじゃね~よ!!!!

と思ったね。

そう、こんな怒り心頭な感想を持ってしまったのはこの物語のブロマンス感がかなり中途半端で不充分だったって事ですわ。
え~っとね、ドニー・イェン演じるチョン警部、ちょっと真面目過ぎ!ブロマンス的にだよ、勿論!!

香港ノワールはブロマンス臭がふんだんに漂わなきゃダメでしょッ!!
もっと艶っぽさ出してこーよ!艶っぽさ必須だからね!!

だからそのお蔭で個人的にはひたすらチョン警部を慕うケニー・ウォンにばっかり目が行ったけどね ww

誤解が無いように、アクション映画としてはめちゃ面白かった事は記載しておく。
だって、こんなゾンビ🧟‍♂️映画みたいなシーンあるからね(笑)


でもなぁ・・・もう一歩切なさが足んねーのよ、アタシ的にはね。

2022/01/09

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