映画感想『オアシス』
数多くの作品で助監督を務めた岩屋拓郎監督が自身の企画をもとにメガホンをとった初長編作。
故に粗削りなのは間違いない。
ヤクザの描き方も或る意味ステレオタイプで雑だ。
しかし今作の趣旨はそこじゃ無いからそんな事はどーでもイイ。
むしろその粗削りぶりが主人公3人の刹那的な想いをより繊細に感じさせたところが凄い!
それがもし監督の意図なら恐ろしいほどだ。
彼らの背景も緻密に描かれないからこそコチラの想像力が試される。
でも決してヒントが無いわけではなく彼らが裏社会に踏み入れるキッカケは複雑にそれぞれの想いが絡み合った結果だと思える。
だからこそ
この作品はピュアで美しい青春映画と言える。
やっぱり清水尋也と高杉真宙のコントラストがイイ!
この2人の振り幅に惹かれる。
正義
後ろめたさ
強がり
思慕
空虚感
喪失感…
様々な感情が渦巻いた末の透明感に救われる。
好きだわこー言うの。
しっかし、脇を固める役者たちが結構渋いとこ付いてるよね・・・
てか外してないわぁ~的な?!ww
ヤクザ屋さんは組長(オヤジ)が小木茂光、幹部に津田寛治、窪塚俊介、組長のバカ息子に青柳翔。特に青柳翔が太り具合からしてバカ息子の風合い抜群に出しててマジ「コイツ絶対死ぬフラグ」だったわ。どうして組長の息子ってお約束でバカちんかね?
息子には甘い親の風情が常だからな。
でもラストの乱闘でヒロトとオヤジの差しは結構良かったんじゃない?
ヤクザさん達も面子だとか掟だとかで前途ある若者の命を奪っちゃイケねぇやね。
血の気の多い少年半グレ君が蒔いた種だけどさ、命奪い過ぎ!
まぁバカ息子がバカ過ぎたワケだけれども・・・オヤジがちゃんと締めとかないからなんじゃあ~りませんかね?
でもそんなヤクザ一家のスッタモンダの中で敵対する組織の木村っちゅ~男が結構イイ味出してたんじゃないかな。
だって木村を演じた松浦慎一郎は数々の名作邦画で見かけるし元々ボクサーでボクシング関連邦画のトレーナーなんかも引き受けちゃってるくらいだからそりゃあ強いキャラぶち込まれても違和感無いわ。最後はヒーローみたいだったもん!
木村の女・アンナも良かった。
こういう子がトップの女じゃないとダメチームになる。
林裕太が演じた小僧・三井もね、もったいない奴だったね。
血の気が多いと早死には免れないのよ、この世界。
冷静さは常に大事!
恐らく一般評価としてはそんなに高くならないとは思うけど
「とにかく悪に染まるなよ!ねっ。」ってメッセージ伝わった。
取り敢えず彼等の周りの大人が犯罪組織と言えどもちゃんと判断出来る人達だった事は運が良かったね。
彼らがあの先どうなったのか、ちょっと気になるな。
ドラマ:「高校入試」(2012)、「サギデカ」(2019)
映画:『渇き。』(2014)、『逆光の頃』(2017)、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』(2023)
そして今作と・・・
君たち共演多いっすね うぇーい(⁎˃ᴗ˂⁎)❤︎⤴︎⤴︎