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映画感想『サバカン SABAKAN』
◆あらすじ◆
1986年、夏の長崎。ちょっと大人しい小学5年生・久田はある日、家が貧乏なせいでクラスの嫌われ者だった竹本から思いがけない誘いを受ける。それは、山を越えた先にあるブーメラン島にイルカを見に行こう、というものだった。翌日2人は、久田の自転車に乗ってブーメラン島を目指すのだったが…。
昭和を生きた世代にとっては当時の記憶も匂いさえも蘇りそうな背景設定。
1986年、もう終わりかけの昭和。
平成が目前の夏、長崎の漁村
その漁村の佇まいが少し歳上の世代でも【昭和】として馴染めるのが良い。
昭和真っ只中に子供だった世代でもすんなりそのノスタルジーにのめり込める。
少年たちの学校生活、冒険を通して様々な成長シーンが描かれるがただの幼い友情譚に終わらず『サバカン』と言うタイトルの意味、そこから派生した友情と言う繋がりの意義や価値に至るまでを極々自然に描いている所にこの作品の小品ながら魅せられてしまう巧さを感じた。
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片や両親から紡がれる【快活な口喧嘩】と言うコミュニケーションが日々の活気として活きる家族、片や幼い頃に漁師だった父を亡くし母一人で5人の子を育てる家庭、二つの家族の対比や貧しい中にも描かれる温かさや優しさ、そして人生の過酷さが胸に迫る。
そしてやはり人生は"自分の有りよう"が左右するという事。
「逃げるな、前を見て走り続けろ!!」
タケちゃんがヒサちゃんに叫ぶこの言葉こそ彼等を繋ぐ重要なエレメントなんだと、大人になっても生き続けるその言葉と思い出は永遠の昨日であり未来でもある。
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なんだかこの冒険と友情を共有してくれて有難うと言う気持ちになった。
それにしても久田家は【チ●ポ】や【キン●マ】が乱発してたなぁ、健康的でヨロシイ!(笑)
私もそんなキーワードで結構笑わせて頂きましたよん!(^ω^)
しかし前述したそのキーワードを含む【快活な口喧嘩】を尾野真知子と竹原ピストルがマジ夫婦かの様に全く違和感無く演じてるのにはマイッタ。
その自然さと言うか臨場感wwと言うかそういうのがこの物語に信憑性を持たせるんだろうな。
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スーパーで働くタケちゃんの母親を演じた貫地谷しほりも職場のおじさん達のアイドル的存在でその可愛らしさがなんだか全然鼻に付かないのが凄い!!って思った。
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媚び売ってたりしたらギャフンて言わせたくなるじゃん!(笑)
それぞれの家族の姿が微笑ましくてリアル感あるんだよなぁ・・・。
でもさ・・・あぁーあ、なんか人生って時に物凄く残酷だよね。
誰が仕切ってんのか知らんけどそんな事しなくてもイイじゃん!!って思う事あるよね。
あと、ヒサちゃん役は番家一路君と言う子役俳優でその弟役は実弟でCMなどにも引っ張りダコの番家天嵩君なのだが・・・エンドロールでの『番家』率が高かったぞ。
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何?一家総出演?ww
5人兄弟で俳優業じゃないのは一人だけと言う事でどうやら何処かのシーンにお出ましだったらしいわ。
自分が何気なく発した一言が誰かの人生の再生に繋がってたりするかもって絶対に人生のうちに一度も思わないけど、もしそう言う事あったりしたらちょっとイイかもね。
でも他人の人生に責任は持てないけどね。
自分の人生だってテキトーなのに・・・へへッ。
ただ、ホント後ろ見ても仕方ないからね。
取り敢えず過ぎてしまった事よりこれから訪れる事の方が大事なのは確かだよ。
そう言えば過去のもの持ってねぇ~わぁ~。
旅行の写真とかはあるけど、子供の頃に描いた絵だとかランドセルだとか着てた制服とか・・・な~んにも無い。そう言うのに執着しない親に育てられて結構さっぱりした人生送らせて頂いてますわ。
死ぬ時も直ぐ焼いてほしいなぁ・・・配偶者居ないから誰かに頼んどコ。妹居るけどどっちが先かワカンナイしな。
そんな事まで考えさせる、凄くナチュラルな作品でした。
2022/08/30