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映画感想『シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―』

原題「SILK ROAD」

◆あらすじ◆
違法ドラッグから殺人依頼まで、どんな売買も匿名で行える闇サイト"シルクロード"を立ち上げた若き天才ロス・ウルブリヒト。決して足がつかないシステムとして裏世界で評判を呼び莫大な利益を上げる。そんなロスを追うのが、問題ばかりを起こして麻薬捜査課からサイバー犯罪課へ左遷されたベテラン刑事リック・ボーデン。パソコンすらできず、現場主義の捜査手法にこだわるリックは、畑違いのサイバー犯罪課ですっかりお荷物状態になっていたのだったが…。

実在した闇サイトの顛末を映画化。

匿名なら何をしても構わないのか?
ネット社会が常に抱える問題だ。

自由と無法を履き違えたネット暴走絵巻。

今作ではアナログとデジタル、リアルと仮想、善と悪と言う正反対の物事が描かれるが一番興味深かったのは経験則(現実)と理論バカ(理想)の駆け引きだな。

PCオンチの叩き上げ刑事がサイバー部署でデジタル優位のヒエラルキーに奮闘する姿が涙ぐましい。
まぁ、彼よりはだいぶマシだと思うが昭和なBBAにはデジタルなんてここまで進んじまったらトント着いちゃイケねぇわさ。

でも、サイバー課はアナログを馬鹿にし過ぎて・・・と言うかデジタル捜査を過信して捜査の根本をおざなりにする。そこを逆手にとって捜査するアナログ刑事がデジタルの本性を学んだらだいぶ強みになるんじゃないですか?って展開。

嫌いじゃないねぇ~!!

で、アナログ刑事 リック・ボーデンは単身自らの捜査方法で「ザマ―ミロ」と言わんばかりにサイバー課の精鋭達の先を行く。

犯人に告げる「覚えとけよ、俺がお前を見つけたんだ」の一言に彼のプライドを見せ付けるあたり、このちょっと派手さに欠ける荒削りな作品の美学を感じるよね。

やっぱり嫌いじゃないわぁ~。


そう言えば、ある人物の同僚が台湾人で日本語の「地道にやる」を間違えて『地味地味にやる』って覚えてて(カワイイ!!)笑ったんだけど、それ思い出した。
結構意味違わないよねって思ったんだわ。

地味だけど確実に核心に到達出来る手段は実は拘りを捨てた視野の広さなんだろうな。

ラストは善悪のグレーさと匿名社会での行動基準を考えさせられる。

オマケだけどまさかのポール・ウォルター・ハウザーに会えたよー (๑˃̵ᴗ˂̵)و ヨシ!

それと、ニック・ロビンソンて何処かで見たよなぁって思ってたら『LOVE、サイモン 17歳の告白』で主演の子だったわ。

2022/01/29

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