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映画感想『ウエスト・サイド・ストーリー』

原題「WEST SIDE STORY」

◆あらすじ◆
1950年代後半のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドに暮らしていた多くの移民たちは、同胞たちで結束し、互いに助け合うことで厳しい世の中を生き抜いていた。そんな中、プエルトリコ系の若者たちで構成された"シャークス"と"ジェッツ"というヨーロッパ系移民グループの対立が激しさを増していた。ある日、シャークスのリーダー、ベルナルドを兄に持つマリアは、ダンスパーティでトニーという青年と出会い、2人は互いに惹かれ合う。しかしトニーはジェッツの元リーダーであり、2人の恋は決して許されるものではなかったのだが…。


今作で1番興味深かったのはスペイン語の英語字幕が無いって事。
この効果は本国では結構大きいんじゃないかなぁ?
本編でしきりに出て来る『英語で話せ!』って言う台詞をより効果的に見せる技に出たな、スピルバーグ!(笑)

それと行政の都市開発が絡む設定。
スラム街を取り壊して低所得者の立ち退きを目的としてるんだがつい最近もNYCでこんな話あったよなって思った。

まぁ、民族間のいがみ合い、そういう厄介事を除去しようとする体制側の抑圧など、時代が過ぎても偏見による負の要素は変わらないと言うメッセージ性が今作のテーマだからその設定を持ってきたのは正解かもね。

内容はと言えば、基本オリジナルの焼き直しなのでストーリーより美術やカメラワーク、色彩など見せ方に拘った感は読み取れた。スクリーン上で見せる仕事を遣って退けた。
特に冒頭のスラム街撤去に関わる様子を映し出すカメラワークはちょっとグッと来たな。
正直このシーンには掴まれた。

でもその後は既視感でしかないからそこは当時ジョージ・チャキリスが登場した時のカッコよさとか今でも鮮明に覚えてるからちょっと譲れないなぁ・・・(笑)
でもオリジナルは歌の場面吹替えなんだよね、そういう意味でのちゃんとしてる感はあったよ。

個人的には『アメリカ』のシーンに凝縮される男女の見地の確実な違いをしっかり見せてくれたのは好ましかった。
女性がもっと様々なシーンに進出したら戦争も無くなるんじゃないかな?とさえ思うけどね。
基本男性至上主義のプライド思想が争い事を激化させる。
そう言う意味も含めてこのシーンが1番好きだった。

加えてマイノリティジェンダーの描き方、レイプシーン描写の具体化そしてオリジナルでアニタ役だったリタ・モレノにこの物語の重要な役割を託した粋さに今リメイクする意味を感じた。

エニィバディにノンバイナリーのアイリス・メナスが起用されてるのは特に意味が大きいよなぁ。

時代を経て男尊女卑的な描写の是非は明確にしないとって言うリメイクの責任はあるよね。
虐待やレイプは重罪なんでそこはきちんと描写しておかないとイケナイ。
リタ・モレノ演じるバレンティーナがヒスパニックでありながら白人男性と結婚している設定がトニーとマリアにとってより大きな夢や希望になる部分は嫌いじゃない。

ただ、そう言う人が身近に居るにも関わらず助言されてるだろう予測が出来るだけにこの激しい抗争にやや疑問を抱かなくもない。
さすがに元ネタ(ロミジュリ)を変えるわけには行かんけど…。

それと同列で今の時代に生きてしまうと女性達の男どもに訴える姿勢が弱いと感じてしまうなぁ・・・。
抗争や決闘に反対はしてるが決定的に抵抗する強さが無いんだねぇ。
結局、力でねじ伏せられて終了・・・と言う図式がやっぱり納得いかないんだな・・・時代かねぇww
(個人的には時代とは全く関係無くもっと男社会と闘う姿勢を持てよと思うが)

そんなこんなで私感としては2021年同様にヒスパニックを描いた『イン・ザ・ハイツ』の域では無かった。
視点の捉え方の違いかな?


正直、私の眼にはスピルバーグの自己満足じゃない~?って映っちゃったよね、やっぱり。
それとアンセル・エルゴートに乗れなかったってのはある。

『イン・ザ・ハイツ』とは段違いだよ!マジで。(あくまでも当社比)


あー、でもNYCの煉瓦造りのアパートメント、外付けの梯子や階段…などなど、ウエストサイドの雰囲気はやっぱ懐かしさでいっぱいになる。
もう、随分と変わってしまったんだろうな…

2022/02/15

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