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映画感想『ヘルドッグス』

◆あらすじ◆
復讐に生きる警察官の兼高昭吾は、その獰猛さゆえに警視庁に目を付けられ、関東最大のヤクザ組織への潜入捜査を命じられてしまう。その目的は警察の弱みを握る組織の若きトップ、十朱から"秘密ファイル"を奪取すること。さっそく警察の調査で相性が最も高いと出た組織一危険なサイコパス男の室岡に接近すると、着実に組織内での地位を高め、ターゲットの十朱へと迫っていく兼高だったが…。



重厚な時代劇や検察ものの印象が定着しつつあった原田監督だが「ここに来てコレかぁ!」なバイオレンス満載のアンダーカバーもの。

見せ場をしっかりセルフ演出出来る俳優を起用し有無を言わせない男達の艶やかさを魅せてくれた。

この作品での思わぬ収穫は今までも俳優としていくつかの作品に出演しているがなかなかバチっと見栄を切れなかったMIYAVIが洗練されたカリスマ性を感じさせるシャープな演技を見せている事。
疑いようの無い"美麗ヤクザ"の象徴の様だった。
ヤクザもののBL小説の実写化があったら先ず名前が上がりそう…ԅ(♡﹃♡ԅ)



そして!!
岡田准一の研鑽されたアクションコレオは勿論だが彼を慕う室岡役・坂口健太郎のリアルなサイコパスぶりに目を奪われる。
カルト集団の被害者と言う立場を持ちながら岡田准一演じる会長護衛班・兼高の右腕としての働きは目を見張るものがある。兼高が教え込む戦闘技術を嬉々として習得して行く姿が可愛くもあり兼高が室岡を愛さずに居られない気持ちがヒシヒシと伝わる。相性98%故の相思相愛ぶりがラストに切なさを運ぶ。
この二人の描き方はとても好みだぞ。


全身刺青姿に柄物ビキニパンツと言う最高のコーディネートでルームランナーに乗る北村一輝や頭(かしら)クラスでも良さそうなのに拷問場の管理人で後半の更に後半で登場する村上淳。


それを完全に上回ったのが……

吉原光夫のコミカルだがストイックなヤクザ像だ!
長身と舞台で培った佇まいを活かしたモデル並みのスタイルが醸し出すさすがの存在感、カラオケ🎤での選曲は彼を起用した意味が素晴らしく表現されててウットリしちゃう感満載だった。
なんか勝手に「ヤクザものにこの人が居たかぁ!」ってなったわ(笑)
インテリヤクザの手本みたいだったなぁ。
MIYAVIとのコントラストも良かった。

MIYAVIと吉原光夫で柴田よしきの『聖なる黒夜』とか映画化して欲しいわぁ…くらいには盛り上がった❤︎良きかなぁ。

そして、酒向芳のスタイル抜群さがまた露見した❤︎ この役めちゃ良かったなぁ。


オマケで金田哲(はんにゃ)の"インテリチキン"ぶりもなかなかだったね。


あっ、ワタシ女優の事殆ど興味無くてよっぽどの事がないとあまり書かないんだけど今作ではリーゼント姐さんの個性は男性陣に負けてなかったよ。


あと、クラブのママがバービーボーイズの杏子さんでビックリ‼️


それと、松岡茉優演じた北村一輝の愛人役、第一印象からどーにもしっくり来なくて、そしたらなるほどな理由があった。フフフッ。


時勢に沿った反社会的な組織=カルト集団の実態や裏社会の闇の深さが描かれ、殺るか殺られるかのピリピリさを充分に味わえた。

潜入捜査の果て、闇の【快楽】に魅了され呑み込まれる者とあくまでも闇の非道を憎み続ける者の交差が面白い。


ホモソーシャルな世界観は完全に好み。


撮影後、血糊だのなんだので汚れてみんなで大風呂入って欲しい~~(笑)
めっちゃそれ覗きたいんですけど!!
犯罪か?犯罪ですね・・・・失礼しやした。


ただ一点だけ時々台詞の聞き辛さがあったのがちょっとね。
まぁ、大筋には影響しないが早口、捲し立てにはどーしても付き物だからなぁ。


2022/09/18


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