神崎川駅周辺整備基本計画について(4)
都市計画における「用途地域」区分の見直しの必要性
現在の豊中市の用途地域の区分が実勢にあっていない。
特に南部エリアにおいては、現在の区分が産業振興などのポジティブ面には全く作用せず、街の振興を阻害するネガティブな側面にしか作用していない。
これから再開発が期待される神崎川駅周辺エリア(豊中市側)を、現実に即した用途地域の区分に見直すことは非常に重要である。
現状の区分をみると、工業地域及び準工業地域に指定されているのは、西部と南部だけ。
特に南部エリアは、実態は人が住む街であるにもかかわらず、いまだにほとんどこの2つのエリアに指定されたまま放置されている。
準工業地域及び工業地域の定義自体が時代に即していないことは問題だが、もしもこの定義が正しいものだとすると、こんな危険なエリアには人は住ませるべきではないし、ましてや病院や学校は新設するべきではない。
現在のように環境リスクに対して厳密に対応する義務があるすべての工場及び事業所(会社規模の大小によらず)は、危険性や環境を悪化させるおそれを放置することは許容されない。小さな事業所であっても環境リスクは最小限にする使命がある。
「環境を悪化させるおそれが多い工場」は存在するべきではないし、行政で厳密に管理されるべきものである。
だから…
この地域の発展のために、行政に期待する最低限のこと
用途地域の区分の大幅見直し
区分定義の明確化による環境保全(環境改善)とイメージアップ
下の表を見る限り、工業地域には新しい学校を建てることはできない。
病院も建てることはできない。
ところが、豊中の南部に新設される「庄内よつば学園」の場所は、工業地域のど真ん中!
定義通りであれば、環境リスクが高いエリアのど真ん中ってことになる。
(現実には、そこだけ特異的に「準工業地域」にジャンルされている)
今後、子どもたちが安全に学校に通えるように、また市外から移住してきても安心して生活できるように、きちんとした整理と運用と管理が必要であることは間違いない。
新しい学校「庄内よつば学園」の開校や、神崎川駅周辺の再開発にリンクして、新しい理想を組み込んだ地域の未来地図としての用途地域区分に見直してほしい。
豊中市は、工業の街でもなく、商業の都市でもなく、生活の街なのだから、工業地域及び準工業地域のエリアを大幅に縮退させて、下図のような区分にするのがいいのじゃないかと夢想している。
いずれにしても、豊中市をよりよい街とする都市設計図としての、用途地域区分図をこれからの10〜20年かけてアップデートしてほしい。
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