イソン
長かった春休み 確か一月の終わりから四月の
ここのかまで 休みが明けて娘が二年になった
大学へと出かけて行った 多分 娘の出た高校
から10人程度進学しているのでは と思うが
娘は後輩に興味がない と言ってにべもなく
先輩にも興味がないし同級にも興味がなくて
人との関わらなさは若くして私以上に 引っ込み
思案か 人嫌いか 多分 人との摩擦を極端に
嫌う性格なのだろうが 人との摩擦がない人生
などありえないので 少し本気に娘の家の外で
の事を心配している とまあ 心配したところで
娘のしたいようにしかならないのは分かっては
いるけれど心配は心配と
何故か反応してしまう言葉というのがあって そ
のうちの一つに 依存症 というのがある アナ
ウンサーは イソン というがイゾンと言っては
誤りなのか いつから読みが変更されたか それ
に何か国や何かの団体の意向があるのか ゾ
の文字で発音した方が確かに重い響きがする
そんな気がする 依存症になる人には親が子
に対して何らかの型嵌めというか 元々の子の
人格を無視して何らかの強制をしてきた そうい
う成育歴のある人が多いのだろうか 一概に
親子の関係 成育歴に原因を求めるのはあまり
に事を単純化してしまうのだろうが 私の目に
見える範囲ではそこに原因を見ている記事 文章
が多い
かくいう私も依存体質で 一時期は本格的に
パチンコ依存に陥りかけた 依存状態に陥ると
それに没頭しているときに 空腹を感じなくなっ
た それはあくまで個人的な感覚だったのかも
しれないが 一例として空腹 または依存対象
以外の雑事がすべて飛ぶ というのは共通感覚
なのではないかと読み聞きする範囲ではそう
思える 寝食を忘れて という言葉もある通り
寝食を忘れて書き物に没頭する などと言う日
常を送ってみたくあるものの 頭を使う物事と
依存は私には相性が良くないようで そういえば
仕事依存 などと私からすると信じがたい状態
の人たちも決して少なくないようで そのおかげ
で日本は辛うじて踏ん張れているのかもしれな
い 深謝
このふたつき強の間に死んだ枯れ枝から赤らん
だこぶのような芽が膨らんできて 一息に咲い
てから今は新葉の絞りだされた花びらの散った
あとのさくらんぼになりそこなう紅色の花芯が
ついた中途半端な密度の枝葉に しかし 樹の
サイクルからするとともすれば今が一番ドラマ
チックな状態なのかもしれない 緑に繁る前の
ふつふつとした繁忙 そこに新葉か花芯か 鳥
が寄ってきてはしきりに枝をついばんでいて 雀
より一回り大きくて 夫婦して鳥の名を知らない
がスマホがひよどりと見立てたようで 私の寝て
いる朝方など何羽もして朝食に興じているという
あからさまな花鳥風月を現代詩は忌避したりす
るが 花 鳥 風 月 と単体に考えて 風 とは
一体何のことか 風流なのか などと考えてPC
に聞いてみたら 花鳥 風月 と二分するとあって
花鳥は生物を愛でる 風月は自然を愛でる な
どと勝手に解釈してみたが 生物も自然の一部
として考えれば自然を愛でるという一つの概念を
具体物を四つ集めて表していると考えて自分
なりに初めて納得いったような気になった 花鳥
風月からは少し遠い作風で人気のある短歌を
詠む歌人の授業に 娘は抽選で落ちたそうだ