第3回:『この土地おいくらっこ』開発の裏側:サブスクリプション実装の壁とAppleの過酷な要求
1日でモックアップを作り、過剰な自信を手に入れた私とchatGPT。
だが、ここからが長かった。サブスクリプションとApple Reviewの過酷な壁が立ちはだかる。
1. サブスクリプションで広告をオフにしたかった
「サブスクリプションを使って広告をオフにする機能を入れればいい」と最初は考えていた。広告収益も見込めるし、使い勝手も向上する、一石二鳥だ!と意気込んでいた。
しかし、いざ広告を実装しようとすると、これがまたややこしい。
広告実装そのものが複雑すぎて、エラー続出なうえに
codだのrubyのバージョンがどうのだの、オラはもうさっぱりだぁ。
みんなが君みたいにデキるわけじゃないんだぞ
アプリに広告をつけられないかな、という相談をしたとたんにコレである。
とりあえず、言われたとおりにしたものの、動かない。
さらには、Appleからの「プライバシーポリシーはこうしなさい」だの「ユーザー情報はこう扱いなさい」だの、次々と指示が飛び交い、やる気が次第に削がれていったのだ。
私は 「こんなの、やってられない!」と諦めた。
2. 方向転換してサブスクリプションの機能を充実させる
もう広告なんていらない。だいたい広告だらけのアプリなんて使いたくないじゃない。
「だったら、サブスクリプションの機能をもっと充実すればいいじゃないか!」と、さっさと気持ちを切り替え、広告オフの機能は取りやめにした。
代わりに、サブスクリプション加入ユーザーには、面積計算や地価の変動をチェックできる機能を追加することにしたのだ。
これならユーザーにとっても実用的だし、価値あるアプリになると確信した次第なのだ。
3. StoreKit 2に振り回される
新しいサブスクリプション機能を実装するために、StoreKit 2を使うことにしたが、これがまたひと苦労だったのだ。「これでいけるはず!」とAIが提案してくるたびに試してみるものの、エラーの嵐。
購入フローが途中で止まったり、画面が真っ白になったりと、まるで八方塞がり。またデバックの方法がよくわからない。
「本当に動いてるのか?」と不安に駆られる日々だったのだ。
そのうえ、エラーがでても、
「あー、それシミュレーターだからかもですね」
とかうちのエースはいってくるのだ!
だが、そこで唐突に昔、使っていたiPadがまだあったことを思い出し、実機でシミュレーションできる環境が整った。もはや言い逃れはさせぬ。
4. Appleの厳しい審査と法的要件
なんとかサブスクリプションが動き始めたところで、ようやくApple Storeにアップロード。
今度はAppleから「プライバシーポリシーと利用規約のサイトを用意しなさい」とのお達しが。「ここまでしないといけないのか…」と頭を抱えたが、ここで頼りになるのがAIなのだ。
プライバシーポリシーや利用規約をお願いすると、すぐにそれっぽいものを作ってくれた。
さらに、「ニンテンドーの法務部やディズニーの弁護士になったつもりでしっかりと見直してくれ」と頼んでみたら、AIはやる気満々で対応してくれたのだ。おかげで、意外としっかりした内容に仕上がり、一安心である。
そうした試練を乗り越えて、ようやくリリースを迎えたのである。