半月板切除術後影響 ~変形性膝関節症を防ぐには~
高齢者の半月板切除術における予後影響因子
術前の膝の状態:手術前に膝がどれだけ傷んでいたかは、手術後すぐの回復にはあまり関係ない。
手術後の膝の形:内側の半月板を取った後、膝の形が変わりやすく、膝の痛みが進行することがある。
経過期間と外傷歴:手術前に長い間、膝の痛みがあった人は回復が遅いですが、膝を怪我したことがある人は回復が早い。
引用:高齢者の半月板切除術における予後影響因子の検討
半月板切除術後に変形性膝関節症になるリスク
半月板切除術と変形性膝関節症:
半月板切除術は、損傷した半月板の一部または全部を切り取る手術です。
切除した部分の半月板は機能しなくなり、膝関節の関節軟骨への負荷が増します。
そのため、変形性膝関節症のリスクが高まります。
再発率:
半月板切除術後の10年後の再発率は、約30%程度と言われています。
切除術を選択した場合、変形性膝関節症に移行するリスクが高まります。
高齢者と半月板損傷:
高齢者の半月板損傷では、変性断裂が多く見られます。
変性断裂は半月板の老化現象で、半月板自体が機能しなくなります。
この状態で半月板切除術を行うことで、変形性膝関節症のリスクを減らすことができます。
治療選択:
手術を検討する際は、主治医とよく相談し、手術の選択肢とリスクを考慮してください。
半月板損傷の程度や患者の状態に応じて最適な治療法を選択することが重要です。
半月板切除術後のリハビリについて
手術直後(0〜2週間):
膝をあまり曲げずに、少しずつ歩き始めます。
膝を動かして、筋肉を強くする簡単な運動をします。
膝が腫れていないかをチェックしながら、ゆっくりと進めます。
リハビリ中期(3〜6週間):
膝の痛みが増さないように注意しながら、もう少し負荷をかけた運動を始めます。
ストレッチやウォーキングをして、体を動かします。
膝がまだ腫れている場合は、炎症を減らすことを優先します。
リハビリ後期(6〜12週間):
ジャンプなどの少し激しい運動を加えますが、膝に痛みがないか注意深くチェックします。
筋肉をもっと強くし、体力をつけて、スポーツに戻る準備をします。
これらのステップに従ってリハビリを進めることで、手術後の回復を助けることができます。ただし、これは一般的なガイドラインであり、個々の状況に応じて医師の指示に従うことが大切です
半月板切除術後のリハビリにおける可動域エクササイズ
ヒールスライド:
座った状態で片足を伸ばし、もう片方の足のかかとを床につけて膝をゆっくりと曲げます。
かかとをお尻に近づけるようにスライドさせ、可能な限り膝を曲げます。
その位置を数秒間保持し、ゆっくりと元の位置に戻します。
膝伸展:
椅子に座り、片足を前に伸ばします。
膝をまっすぐにして、太ももの筋肉を使って膝を上に持ち上げます。
数秒間その位置を保持し、ゆっくりと下ろします。
パテラセッティング:
背中をまっすぐにして座り、膝を軽く曲げた状態で足を前に伸ばします。
膝蓋骨(お皿の骨)を上に引き上げるように筋肉を収縮させます。
数秒間保持した後、リラックスします。
文献集
半月板切除術後の影響に関する詳しい文献として、以下に紹介します。
高齢者の半月板切除術における予後影響因子の検討
この研究は、50歳以上の患者を対象に半月板切除術後の短期成績を調査しています。
術前のX線上の関節症の程度や関節軟骨変性の程度に関わらず、比較的良好な結果が得られていますが、内側半月板切除例では術後短期間に関節症変化の進行を認めたケースが報告されています。
当院における学齢期の円板状半月板治療の実態調査
学齢期の患者における円板状半月板治療の実態についての調査結果が報告されています。
この文献では、円板状半月板の形態異常から損傷しやすく、治療法としては形成切除後に残存半月板に断裂がある場合は縫合処置を追加することが主流となっていることが述べられています。
円板状半月板切除術後に生じる変形性関節症性変化に影響を及ぼす因子について
半月板切除術後に生じる変形性関節症性変化に影響を及ぼす因子についての研究が紹介されています。
これらの文献は、半月板切除術後の影響についての詳細な情報を提供しており、手術後の予後や関節症の進行に関する因子についての知見を得ることができます