『雪間草』演出家の鈴木龍男です。
2025年
新年明けましておめでとうございます!今年は前進座創立94周年の年です。昨日(1/3)から京都入りし、初春京都劇場公演の舞台稽古の真っ最中です。昨年11月に三越劇場で幕を開けた舞台。年末に再稽古し、さらに練り上げての京都公演です。出演者も新たな年で熱が入ります!
私にとって京都初春公演は、最も思い出深い。私が座に入ったばかりの頃は、まだ古かった四条の南座公演で、なんと若手は楽屋泊まりでした。まだ、ホテルの少ない時代で皆旅館泊まり。経費節減のため、若手はそれも無く楽屋に床を延べて、暮らしました。
でも、しんどさは無く、むしろクラブの合宿のようで、和気あいあいと過ごしました。広い炊事場もあったので、先輩たちが作ってくれたカレーの味が忘れられません!
中日を過ぎると、南座の大道具さんが翌月の道具を私たちの舞台のはねた後作り始めるので、楽屋にもその音が響き、
なかなか寝られないのには閉口しました。でも、今となっては、みんな楽しい思い出です。
南座への荷物の搬入は、暮れの28日頃で、演出部だけでアルバイトさんをお願いしてやりました。当時は、温暖化の今とは違い、ずっと寒く、京都でも年末から雪がたくさん降りました。トラックから降ろす大道具に、次々と雪がかぶり、払いながら搬入しました。正面入口からの搬入でしたので、すぐ近くの八坂さんへおけら詣りに行く人たちが行き交う中、冷たい手をさすりながら道具を運んだのも、なにか懐かしい情景です。
それから、京都での楽しみは、独特の食べ物。ニシン蕎麦、おばんざい、千枚漬け、よく行った中華料理店の煮込んだ豚足!たまりません!帰る時はいつも一味唐辛子を買っていきました。
私にとっては、初めての劇場での明日の初日が、また新たな思い出になればと思っています。
質問リレーコーナー
美咲さんからの質問
私の大好きな季節は、実は冬です。生まれたのは、8月の末で、残暑厳しい頃なのですが、この夏が一番の苦手です。冷たい木枯しの中を歩くときのちょっと引き締まった感じが私に合っています。
初めての雪の華がはらはらと舞い始めるとつい空を見上げて、もうすぐ新しい年が来るんだなとほくそ笑むのです。雪と言えば、座の財産演目「佐倉義民伝」の舞台で必死に雪籠を揺らして雪を降らせました。今でも翫右衛門さんの登場が眼の裏に浮かびます。
國太郎さんへ
もうすぐ成人式です。二十歳の時の忘れられない思い出はどんなことですか?
記・鈴木龍男
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京都劇場『雪間草-利休の娘 お吟-』は1/5〜1/12まで上演中です!
雪間草公演について詳しくはこちら↓をご覧ください
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