体調物語
昔々あるところに体調がおりました。体調はよく悪くなる。体調は、どういうわけかすぐ破損してしまう。それを儚んだ体調は、すぐ悪くなってしまう自分と訣別すべく、自分探しの旅にでた。巨頭オ。
旅に出た体調は、その日の暮れ頃にインターネット村へ到着した。インターネット村はいい。すぐれたツイッターやウィキペディアなどが豊富にある。この世のありとあらゆる知慧、学問が揃っている知の宝の山であった。
旅の疲れを忘れて、体調は道ゆくインターネット村人を捕まえ、口早に訊ね始めた。
「体調が悪くなるのを止める方法が知りたいのですが」
「オ」
なんと、村人は巨頭オであった。両手をぴったりと足につけ、デカい頭左右に振りながら体調を追いかけ始めたので、たまらず体調は一目散に駆け出し、インターネット村を飛び出してしまった。
インターネット村を一望できる小高いところまで逃げてきた体調は、その上に立ちインターネット村を俯瞰してみたが、悲しいことに村は巨頭オばかりであった。知の宝の山は巨頭村になっていた。失望に深く心を痛ませながらも、体調は別の方針を立てるべく、一度自宅へと引き返した。
やはり自宅は暖かい。往復の旅路で悪くなった体調を休ませながら、体調は思索に没頭した。そして寝た。布団は暖かいからな。そして体調が寝てしまったのでこの物語は終わりです。(令和元年十月十五日)