【ネタバレ注意」竜とそばかすの姫 感想
注意【ネタばれ感想】注意
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【竜とそばかすの姫 感想】
《超 長文(^^♪》
1《ストーリー考察》
この物語は一人の女子高生がパラダイムシフトをして人生を前向きに生きる姿を描いている物語と感じたよ~。
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子供の頃母親が川の事故に遭い片親になってしまった女子高生 すず 内向きで「自分なんて小さな存在誰にも影響を与える事が出来ない」と思っている思春期の女の子。そんな女の子が興味本位で大人気アプリ「U」を始める、登録数50億の世界的人気な仮想現実を楽しめるアプリ「U」。
ここにたどり着くまでに登場人物紹介と世界観の紹介が終わっている。
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今回初めてスタジオ地図、細田 守 監督の作品を見た。あぁサマーウォーズの監督かぁと過去作品を思い出してあの気持ちの良いストーリラインをも思い出した。
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主人公すずの煮え切らない現実、人気者の友人、死んでしまった大好きだった母親、そのトラウマで歌えなくなってしまった女子高生。
そんな すず が仮想現実でなら歌えることに気が付き一夜にしてスターになってしまう。
導入部分としては凄い速いテンポでここまで来た感じだけど特に飛ばしたり説明のみでたどり着いちゃ感じはしなかった。むしろ余計な所が無くて見やすい印象だ。でも何でトラウマが歌なのかはよくわからなかった・・・
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昔ながらのゆっくりと風景や情景をみせる邦画独特の長い情緒はこの作品からは感じなかった。
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必要な情報やアクシデントが心地よく進んでいく、ジブリや最近のディズニーでよくみられる演出だと思う。
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ストーリーテリングとしては登ったら落とさないと飽きてしまう。
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ここで歌うことが楽しくなってちょっと自己肯定感が上がった すず に現実世界でアクシデント!
学校で人気のある幼馴染の男子に手を掴まれたことが女子の間で大炎上!
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親友の女子と火消しに!!これでまた「私なんかが」を思い出して仮想現実の自分と現実の自分との距離にもやもやする位置に定着する。
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これが良くできている、炎上するもすぐに「なんだそうなんだごめんねー」で鎮火する。
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シーンとしては1分位だけど内向的な すず の気分を落とすのに十分な事件だった。
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そこでメインのアクシデント登場!!
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仮想現実の中でのすずのライブに「嫌われ者の竜」が自警団的存在のヒーロー達に追われて登場!
なんて気持ちの良い(^^♪
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多数のヒーローに追われている竜をすずには悪者に見えず
罵倒を浴びながら逃げ回り戦う竜が気になる存在になる。
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ヒーローが悪役に見える演出が分かりやすくて素敵(^^♪
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この辺からは定番の王道ストーリー!
ヒロインが気になる存在を探し求め、大事な存在になるまでを描いている。
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王道展開大事だよね、これは是非くっいて欲しいと思ってしまう。
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この辺で「竜」の正体(現実では誰なのか?)が気になりだす。
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人気者の女子高生の友人?
安定のお約束、ちょい悪の幼馴染の男子?
まさかのすずのお父さん?
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心の傷が背中に出る演出もエモかった
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仮想現実で すず と竜の関係が友人以上のものなってからは
ストーリーはクライマックスまで右肩上がり!!
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これも気持ちよい!!
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様々な脇道が整理されて,「竜」の正体にフォーカスが絞られる!!
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この段階で すず の周りにいた登場人物で無いことがはっきりする、「え~!身近な人間じゃないの~~(;'∀')」とワクワク(^^♪
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正体は全然違う800kmも彼方の子供!!
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マジか!!!
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確かにチラチラ画面に出てきてはいたけどほぼモブ扱いだった男の子!しかも その子のお兄ちゃんが「竜」だった!!!
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ここからが面白い所!
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少年たちは父親に精神的なネグレクト(物理的暴力ではなくて罵声での精神的暴力)を受けていた。
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すずは助けたいと訴えるも「お前は誰だ!これまでと同じで口だけで何も出来ないのだろう!」と突き放されてしまう。
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信頼関係を結ぶために何をすればいいか?
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自分があの歌姫だと信じてもらうには?
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仮想現実でアバターでは無く自分自身で歌うしかない!
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にたどり着くまでの本人の葛藤!親友からの心の引き戻し!
あぁ振り切るのわかっているけど、全力で今を生きているキャラクターを見ているのは心を動かされる!!!
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この辺りでヒーローたちの役割が終わる
安定の崩壊(^^♪
「なぜだーーーーーー!!!」とは言わなかったけど
自己の正義感を他人に押し付けて無理に他人を変えようとしていた彼らの役割は終わる。
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正義の押しつけは悪である
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と印象づけて・・・
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現実世界では少年たちの場所を特定できた すず が四国から東京に移動!父親と対峙する!
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ここであのヒーローたちが植え付けた種が生きてくる
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父親は何故自分の言うことを聞かないのか!?聞いて当たり前だ!と罵倒し殴ろうとする。
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もう完全に悪である
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立ちはだかる すず !
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気迫負けする父親
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そう彼は人を殴るなんてそんな度胸は無い小さな人間なのでした。
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ここからはエンディング
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新しい視野を獲得して自分の足で立つことが出来るようになった すず の周りの人間関係が動き出す。
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言えなかった言葉を一言 言うだけで世界が求めていた世界に変わり始める。
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最終的な人間関係の整理パート
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竜だった少年とすずの恋のような関係は現実では結ばれず、親友よりも深い絆として終わり、すずの恋模様は当初のライン通り幼馴染と繋がる。この辺りが最近の流れなのだろうか?それともこの監督の趣向なのだろうか?別の作品も見たくなってきた。
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王道と裏切りと予想外を心地よく行ったり来たりするストーリーだった、完全に楽しんでしまった(^^♪
《キャラクターとその役割》
主人公のすずの描写は愛せるキャラクターとして凄い気を使っただろう
内気でトラウマ持ち、これだけでは全世代向けにはできない、ヤンジャンでよく見るやつになってしまう( ´∀` )
そこでちゃんと友人を創り友人に愛される人物像が描かれている学校の問題でワタワタして慌てふためき、友人に相談もでき、でも前には出られず、もやもやしたまま相談を受けてしまい、感情的に号泣して、でも湿度は上げず、普通の思春期の女子高生として描かれていた。きっと誰もが共感できる存在として描きたかったのだろう。
メインの主人公は すず 、この少女をどう揺さぶるかが周りのキャラクターの役割なのだが、まず親友の ひろちゃん が大事、すず と真逆の性格で、思ったことを口に出来るししてしまう性格、母の喪失で内気になったすずを新しい世界へ呼ぶ役割なのだがすずがパラダイムシフトを起こす瞬間は足を引っ張る役、これが面白かった。友人がステージアップする瞬間はやはり不安になるのだろう、視点が自分から切り替わらなくなり今まで「すずの為に」と言って接してきたが見え隠れしていた自分の楽しみが勝ってしまい子供らしさが露見する感じは凄く愛せるキャラクターだった。
次に他のキャラクターたち
幼馴染のちょい悪男子や学校の人気者の女子の友人、頑張り屋の同級生の男子、この辺は良い当て馬キャラだった。
ちょい悪男子と頑張り屋男子との3人のシーンはもしやここで恋愛模様が!?と期待してしまう感じがしたし、人気者女子が悪役か?と思わせといて軽く普通の女の子として頑張り屋さんとの恋愛模様に移行したりして肩透かしをさせられたりして、すずの気持ちを程よく揺らす存在として機能していた。
これらがストーリーに程よい《謎》を提供させる役割も担っていてさらに閑話休題としての役割もはたしており緊張感を程よくほぐしてくれる存在達でもあった。
仮想現実内でのヒーロー達
彼らの役割は重要である
視点が自分に固定されていて他者を認められない
自分の正義感が絶対で賛同者も多数いるいる
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しかし
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作品の中では悪とされる竜にも賛同者がいて
擁護する声もあるが
彼らはそれを見る事は出来ない、目の前の悪を滅ぼすことに執着してしまい
ただただ転がり落ちる。すずを追い詰めるのが役割
すずの気持ちをより深く確信へ導き、自己は気持ちよく空中分解する宿命(^^♪
本当に気持ちの良い存在でした(^^♪
最後に《竜》
彼の役割はすずをステージアップさせる為の【事件】としての存在
途中に美女と野獣のような演出があったり、必要以上に絆を深めるような描写があってリするが、物語の主軸が主人公の成長なので恋愛要素に最終的には結び付かない。
準主役だが役割は【踏み台】である(^▽^;)
すずが自分で決断して成功体験をするための人生でベスト10に入るくらいの【事件】
なので、【恋】にはいかない・・・すずの純粋な【慈しみ】の受け皿としてすずと向かい合いお互いの生きるためのシナジーを見つけ別れる。
恋愛モノばかり見ているとここでくっついて欲しくなるが
2人は【慈愛】で繋がっているから恋にはならなかったと考察する。
【総括】
作品は凄い面白かったが何故歌なのか?がちょっときうすだった。
母親がコーラスサークルサークルに居たからだろうが、これは説明不足のように感じる。
演出面では美女と野獣や他のディズニー作品を模しているような描写が多く見られたが
恋愛に繋がる要素として使わないあたりが監督の趣向が見えるような気がする。
これくらい文章を書く気にされられたのだから面白い作品だったのは間違いない。
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コーラスサークルのおばさんたちの声優に森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良子、中尾幸世などそうそうたるメンバーをそろえておいて大して歌わないのも面白かった(^^♪
あぁ、すずの父親役で役所広司も出ていた、5回くらい喋ったか。飯の話しかしてなかったが・・・でも大事な役どころだったよ。
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