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肩甲骨・肩関節の稼働制限解除

動画撮影に協力して下さったのは塩見さん。
既にパーソナルトレーニングで通っていただいておりましたが、、一年も経とうとした時に、プライベートでの転倒により左上腕骨骨折。
一年ほどお休みされました。
復帰後上腕の回旋状況を確認させていただきましたが、水平まで腕が上がらなくなっておりましたので、左肩関節を中心への施術に移行致しました。

塩見さんは左腕の旋回、挙上、水平伸展屈曲に機能不全が発生しております。
上腕骨が真っ二つに折れた訳ですから、骨形成の変形により、完全回復は難しいかも知れません。
完全回復は難しいかも知れませんが、日常生活に可能な限り支障が出ないよう、整体を取り入れておられます。

肩関節の動作時に痛みが走る箇所は、三角筋前部です。
では、三角筋前部に対するトリガーポイントを考えてみます。
触診したところ、棘上筋・棘下筋・上腕二頭筋に原因があると考えられました。
視覚的にトリガーポイントを確認した後は、触覚で不自然部位を探します。

不自然部位を発見出来ましたら、丁寧に浅層部位からリリースしていきます。
塩見さんとはお付き合いが長いので、それなりに浅層部位は短縮する事が出来ます。
ただ、まだお付き合いも浅く信頼関係が薄い状態で急激に深層部位まで触れてしまうと、激しい揉み返しが発生してしまう可能性があります。
クライアントは身体の回復を望み受けたにも関わらず、むしろ悪化したと感じてしまったと、勘違いしてしまうかも知れません。
施術の最初は揉み返しの可能性がある事は、要らぬトラブルを避ける為、丁寧に説明した方が良いように思います。

三点のトリガーポイントをリリースし動作確認しましたが、肩甲骨周囲の機能不全により、肩関節の旋回に動作不全が残っています。
肩甲骨というのは挙上・下制・内転・外転と、動作に対する動員数が多い箇所です。
なので、肩甲骨に機能不全が発生すると、上半身の稼働全てに悪影響を及ぼします。
機能改善には肩甲骨と菱形筋の癒着を剥がす必要があります。
肩甲骨は外見でそれなりに想像出来ますが、菱形筋は知識として理解していないと触れません。

最後は脇下から走る橈骨神経までをリリースし、第1,2指の緊張を取り、肩関節回旋の阻害要因を取り除きます。
以上で肩関節の稼働制限が解除出来れば良いですが、その日その日の生活習慣や職業環境で、不確定な痛みや稼働制限が発生する可能性があります。
その時は綿密なコミュニケーションで原因を探り、臨機応変に対応致します。
その時の対応力は日々の研鑽がものを言うと考えておりますので、固定観念に囚われず、新たな施術法や施術箇所を考え続けます。
要するに、もっともっと上手になりたいのです。
可能な限りクライアントへ痛みを与えず、早く、軽い施術を目指します。

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