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📕24_365冊目

おれは無関心なあなたを傷つけたい
〜見て見ぬふりする全ての日本人へ〜

村本 大輔(ウーマンラッシュアワー)

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〜僕は文字を使って絵を描いた〜
“絵は見る人や状況によって、捉え方は全く異なる。
これは、あくまでも僕の意見であり、僕の視点から見えた世界を描いてみた”

なぜ、この本を読み始めたのか、わからない。
どこかで、僕はこの人に興味を持っていた。

そして、頭の中にある興味を<amazon>は炙り出してくれる  笑

3ページ目あたりには、心を掴まれてた。
17ページでは、心が揺さぶられ、泣きかけた。

次から次へと出てくる、全く知らなかった“日本”の話。
僕たちは、自分たちの国のことをどれぐらい知っているんだろう。
何を説明できるんだろう。

僕らが過ごしている日常は、沢山の風景に溢れている。
僕らは、その風景に無関心だ。
だからリアルに想像しないし、痛みを理解できない。
無関心な国民がたくさんいることが、政治家にとっては願っても無い"理想郷"だから。

"知らない"は強さだとも思う。
この本を読んでしまったら、もう現実から目を背けることは出来なくなる。
彼の言葉には、現場で体験したリアルしか含まれていない。
メディアの信用が揺らいでいる今、自ら足を運び、自分の目で見て、痛みを共有してきた彼の言葉は、刃物のように“無関心な日本人”出会った僕の心に突き刺さった。

彼は漫才という表現方法で、社会が目を背けている問題を取り上げる。
芸人という立場で、無関心な人たちの心を揺さぶる。

この人は、マスメディアによって異端者と脚色され、誰にも媚びずに、沢山の痛みと共に生きてきている。
事なかれ主義の多くの日本人は、彼を敬遠し、顔の見えない安全性が保たれた場所から攻撃する。
だから彼はよく燃える。
しかし、その炎は声を上げたくても、上げられなかったマイノリティに刺さり、彼らにとって救世主になる。

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もう、世界はこの人を無視できないだろう。
変革期に差し掛かった世界は真実に気付き始めているし、声を発信することも拾うことも容易にできるようになった。

“自己啓発本がクズ向けのガソリンだとすれば、本書はマトモになりたい人のガソリンだ❗️”

帯に書かれている<社会学者|宮台真司>さんの言葉が、あまりにも鮮烈で、的を射ている。

おすすめはしない。
読みたいと思った人は、自ら痛みに触れて、現実を見る機会として、本書を読んで欲しい。

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【メモ】
・日本人には人種差別問題が無いわけでなく、関心が向いていない
・いろんな景色を見てきた人たちは、格段に強く優しくなれる
・外面だけ綺麗にして、見せたい部分だけを見せ、本当に困っている人の声を聞かないことは正義なのか?
・「ニュース=情報」は“誰かの痛み”だ。
 エンタメのために消費するのではなく、声を上げている人を直に見て、手を差し伸べろ。
・負けることに慣れ続けると、痛みに対して鈍感になり、感情を動かすことをやめてしまう。
 大人は未来の可能性を見失い、子供たちだけが未来を変えたいt願っている。
・選挙に行く意味を教えて欲しい。
ニュース番組で投下した、目を背けている大多数に差し向けたアンチテーゼ
・思ったことを言葉にしたことで、1ヶ月分の仕事を失った。
 だから1ヶ月間、アメリカに行き、現地で朝ネタを作り、昼にネタの練習(英語版)をして、夜はスタンドアップコメディアンとして舞台に立って、受けたり滑ったりを繰り返しながら、現実を体感した。
・多くの場合、人は相手の意見や思考を”捏造”して決めつける。
 本当に想像するには、相手と同じ場所に行き、相手と同じ生き方をするぐらい、懐に飛び込むしかない。
・社会において、ほとんどの人は本当の自分を隠すための“迷彩服”を着ている
 周りと同じだと“擬態”していて、“迷彩服”を脱いだ順に、撃たれてしまう。

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