アイスコーヒーの話
夏場の在宅勤務は水分の消費が激しい。もともと2つあったピッチャーを1つ増やして3個体制でお茶が常に冷蔵庫にある状態になった上で、さらにペットボトルや紙パックの安いアイスコーヒーを次から次へと買ってはあっという間に飲み干していく。
あまりに飲むので、アイスコーヒーはできるだけ安いほうがいいと思う。味はある程度なら目を瞑ろう、カフェインたっぷりのアイスコーヒーを仕事しながら飲むことが大事なので。一方で緊急事態宣言もあって外食代や酒代を大してかけられず全然楽しくないので、せめてアイスコーヒーにも飲食の楽しみを見出したい。アイスコーヒーなら缶ビール1本程度の金額を出せばそこそこ美味そうなやつが1Lくらい買えるので、どうせ飲むものだからと調子づいて手当たり次第買うようになった。
初めて出会ったアイスコーヒーは写真に撮り、飲んでから味や雰囲気などを都度ツイートした。それらがかなり溜まってアイスコーヒーの季節も終わりつつあるので、ここに総括することにした。もちろん、一定の答えが見つかったから、というのもこれを書くきっかけとしてある。色々なアイスコーヒーを飲みながら、じゃぶじゃぶ飲める値段感かつそこそこうまいアイスコーヒーを探すことが、ざっくりとしたアイスコーヒー探訪の方向性になった。
というわけで、スーパーやコンビニなどで見かけ次第捕獲したものを時系列に沿って並べていく。一応それぞれのアイスコーヒーについて、私なりの評価とも言えない評価を添えた。私がしたツイート内容から推測されるもの+うろ覚えの記憶より、3つの評価軸について3段階で評価する。なお、繊細な味の違いを求めていないため、評価基準は以下のようになる。
■アイスコーヒーの評価■
【香り】
☆ 容器の匂いがする
☆☆ 容器の匂いがしない
☆☆☆ いい香り
【味】
☆ 容器の風味に負ける
☆☆ 容器の風味に勝っている
☆☆☆ うまい
【値段】
☆ 200円台以上
☆☆ 100円台
☆☆☆ 100円以下
スジャータめいらく ホテル レストラン仕様コーヒー 無糖
香り ☆☆
味 ☆☆
値段 ☆☆
スーパー等でとてもよく見かける。初めて飲んだ時は完全にルノアールで飲んだことあるやつだと思った。普通にバランス良い。飲み飽きない味。
KEY COFFEE まろやか仕立て 贅香 無糖
香り ☆☆☆
味 ☆☆☆
値段 ☆
近隣スーパーでは1店舗でしか見たことがない。フォントにウケて思わず買ってみたら結構うまかった。冷蔵庫に入ってると存在感がある。
京都 小川珈琲 炭焼珈琲(無糖)
香り ☆☆
味 ☆☆☆
値段
年齢層高めの老舗スーパーにあった。公式通販では486円(税込)で今回出てくるアイスコーヒーの最高値。全体的に控えめな味わいで、飲みやすくて上品。
西友 みなさまのお墨付き ベレーダ農園 ICE COFFEE 無糖
香り ☆☆
味 ☆☆☆
値段 ☆☆
ノーマークだった西友の常温ペットボトルコーナーにあった。懸念のペットボトル臭はせず、味の主張はしっかりある。いい感じの紙パックにしたらもっと風味が増してうまいのでは。他のやつより100ML少ない。
UCC上島珈琲 THE DRIP 無糖
香り ☆☆
味 ☆☆☆
値段 ☆☆
割といいのだが微妙に売ってない。こちらはリニューアル前のパッケージらしく、一度リピートしたら賞味期限が迫っててセールになっており香りがだいぶ飛んでいた。現在は別パッケージっぽいので見かけたら飲む。
カフェカルディ 低温抽出アイスコーヒー 無糖
香り ☆☆☆
味 ☆☆☆
値段 ☆
完全にうまい。やや酸味強めで今っぽい味。金に糸目をつけなければ夏の間は通販でまとめ買いするのが買い出し的な意味でも正解な気がする。ただ、じゃぶじゃぶ消費するには風味と値段に存在感がありすぎる。
KEY COFFEE リキッドコーヒー 無糖 テトラプリズマ
香り ☆☆
味 ☆☆
値段 ☆☆
こんな商品名なんだ。最初のスジャータめいらくのやつかこれが大抵のスーパーに置いてある印象。味や風味は手堅い。クセがなくかなり飲みやすい。テトラプリズマってなんなんだ。
セブンプレミアム いつもの珈琲 無糖
香り ☆☆☆
味 ☆☆☆
値段 ☆
言うほど「いつもの」感はない。ダラダラ常飲するものではなくガツンと瞬間的なコーヒー感を味わいたい時に良さそう。あと小川珈琲もそうだけど、こういう凝った形状の紙パックは解体しづらいので普通にしてほしい。
ドン・キホーテ アイスコーヒー無糖アラビカ豆 100%
香り ☆☆
味 ☆☆☆
値段 ☆☆☆
信頼できる舌を持つ友人が良いと言っていたので購入。これです。これが求めていた夏に常飲したいアイスコーヒー。ちゃんとアイスコーヒー然とした味わいの濃さ、紙パック感のなさ、じゃぶじゃぶ飲める安心価格、税別88円でこれは相当すごい。今までのやつを飲んできたからこそわかった。ただしどういうわけかドンキにしかなく、情報もまるで出てこない。徒歩圏にドンキがあれば間違いなくこれでいいが、足繁く通える範囲にないのが惜しい。なんとか別ルートでも購入できないかとパッケージを見ていると、製造元は「トモヱ乳業」というメーカーで、よく大手スーパーのPB系紙パックアイスコーヒーを製造しているメーカーだった。というわけで、トモヱ乳業のHPに唯一載っていたアイスコーヒーも試しに購入して比較した。
トモヱ乳業 アイスコーヒー無糖アラビカ豆 100%
香り ☆
味 ☆
値段 ☆☆☆
紙パックの味がする、どこにでもある最安値アイスコーヒー。イオン系列のまいばすけっとで税別92円で購入。ドンキより4円高いのに、質の違いが著しい。この違いは一体なんなんだろう。パッケージには「アラビカ豆100%」「自家製ドリップ抽出」などドンキと全く同じ文言が並んでおり、また風味の強弱こそ大きいものの、元のコーヒーはおそらく同一のものではないかと感じる。ドンキのパッケージだけ少し高級感があるので特別仕様なのだろうか。いっそ全PB系アイスコーヒーをドンキのやつにしてほしいが、もしかしてそれをやると他社のアイスコーヒーを駆逐してしまうので、あえて雑魚のコーヒーを卸しているのか、などとよくわからない想像をしてしまう。
アイスコーヒー探訪~おわり
こうして夏の間、飲みに行けないからいいだろうとエンゲル係数を完全無視して市販のアイスコーヒーを飲み漁っていた。結果的にはドン・キホーテのアイスコーヒーが完全なる正解であり、他スーパーも税抜108円程度でいいので全部これを売って欲しいと素直に思った。
今回のことで市販のアイスコーヒーがどれくらいの価格と味のバランスなのか、大体把握できてきた。むしろこれ以上の目新しさは望めないことも見えてきたので、もっとおいしい特別なアイスコーヒーが飲みたいなら、次に検討すべきは水出しアイスコーヒーや自分で淹れることになるのだろう。そもそも来年もこうした生活を送れるのかわからないが、今年この地点までたどり着くことができて楽しかった。