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中山道「木曽路」
馬籠宿と妻籠宿を結ぶ8.4kmの中山道。幕末には皇女・和宮がこの道を籠に揺られて江戸に上り、馬籠で生まれ育った島崎藤村も、同じ道を通って東京へと向かった。そして現在このルートは、世界中の旅人が目指すハイキングルートとなっている。
地図によると、馬籠宿を出てから馬籠峠までの2.2kmは、ひたすら上りのように見える。しかし歩いてみると、道は蛇行しながらの上り下り。峠を上っていると言う実感はあまりない。
道は次第に山の中へと入る。いよいよ、「すべて山の中」の世界である。
峠越え、と聞くといかにも苦しげな響きがあるが、実際そうである。江戸時代そのままの中山道は傾斜が厳しい上に、ヘアピンカーブも出現する。さらに、思った以上に道幅が狭い。
この道は大名の参勤交代に用いられた。時代劇でよく見る、「下にィ~、下に」の大名行列である。しかし道幅は馬が二頭、轡(くつわ)を並べて進めるかどうか。
妻籠到着、冷たい水がおいしかった。
■美しい日本の風景