【ウルトラマンレグロス】少年漫画的ウルトラマンの第一話……にはならなかったんだよ!!
ツブイマで『ウルトラマンレグロス』前後編を観ました!
2021年の一月末に『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』にて謎の虜囚として存在が示され、2022年公開の同シリーズ『運命の衝突』にて遂に活躍を披露されたニューヒーローの物語が、2023年の5月下旬から遂に公開となったのです!!
いや長いよ!!??
存在が示されてから足掛け2年以上。
その間もイベントに顔を出したりはしていたのですが、逆にだからこそ、「レグロス君って結局なんなの!?」というモヤモヤした状態が続いていたレグロス君。しかも『運命の衝突』での活躍シーンが彼の過去ありきだから「どういう関係!?」「誰その人!?」「その人もその人も誰!?」「なんの話してるの!?」と怒涛のなに!?を注ぎ込んで来た不思議なウルトラマンの、物語の始まり。
さて、結論から言ってしまえば、私は『ウルトラマンレグロス』を楽しみました。楽しみましたが、「ここまで引っ張るタイプのキャラかな……?」という疑問も抱いています。うーん、何かの兼ね合いで公開スケジュールが遅れに遅れたのかもしれないけど、これは『ギャラファイ』公開前に流すべきだったのでは……?百歩譲って『ギャラファイ』後にしても、更に一年も引き延ばすようなモノではなかったのでは……?
というのも『レグロス』は、『ギャラファイ』の延長線上にある(TVシリーズと比べて)ややチープな、限られた予算の中でエンタメ性を盛るタイプの作風だったからです。少なくとも、映像面でも物語面でも目新しい驚きのある作品ではない。「坂本監督のいつものアクション」「足木脚本らしいベタな話運び」を楽しめる、番外スピンオフ作品としてのウルトラマンなんですよね。
そうした作品を楽しむのに必要なのは、勢いと熱量だと思っています。
『ギャラファイ』前後だったらその勢いもあっただろうけど、レグロス君自身はイベントなどにも顔を出しながら、少しずつ新鮮さを欠いてしまったなぁ……という印象。せっかくツブイマという配信拠点を作ったのだから、そこはフットワーク軽く動いて欲しかったと思ってしまうのだけど、大人の事情などもあるのでしょう。
最高のOP、王道的ストーリー
『レグロス』の良かった点として真っ先に挙げたいのが、OP映像。
レグロス役の仲村宗悟さんが歌う主題歌の『fist of hope』は、仲村さんの奇麗な歌声とメロディ・歌詞がカッコいい!
レグロスがひたすら演武を舞う映像も、シンプルながら『レグロス』という作品を示すようで魅力的。正直な話、ここだけでウルトラマンレグロスというキャラクターが好きになってる自分がいました。チョロすぎるぜ。
ストーリー面は王道で、あまり深く話す部分は無いのかな……
記憶喪失の主人公レグロスが、漂着した星に伝わる拳法「コスモ幻獣拳」を学びながら成長していくが、そこに敵が現れて……という大筋から想像の範疇を出ない。キャラクターのセリフ回しも合わせて、かなり古い少年漫画的な雰囲気が漂っている。カンフー映画の素養もあれば「この修行はアレだ!」と気づけたりするのかもしれないけれど、私の専門外なのでその辺りはよく分からなかった……
ただ『レグロス』に関しては、そんな想像内の物語である事がそのまま作品の強みなのだと思います。ベッタベタのベタ。けどそういう作品を深いこと考えずに楽しみたい時って、あるじゃん!?
あっでも完全に予想外の展開が一つあった。
前編の前方不注意レグロス。そうはならないでしょ。なってるけど。
『ギャラファイ』での顛末があるから、「この人たちみんな死ぬんだよな……」「でもこいつはどう動くんだろうな……」という変な楽しみ方になってたのは否めないですね。『ギャラファイ』観ないでレグロス初見だと印象変わるのかもしれないけど、そんな人いるのか!?
ベタな王道展開が良さの『レグロス』だけど、そんな中で私が特に好きな王道はトゥバーン(CV森川智之)とフォロス(CV津田健次郎)の関係ですね!弟子を取り合う仲の悪いイケボ竜虎兄弟!?良いんですかそんなコテコテのキャラ設定!?
感情に呑まれたが才覚に恵まれていた兄と、そんな兄を知りつつ己を律して師範やってる真面目な弟、そりゃあ観ていて楽しいよ。声も良いし。そんな仲の悪い二人が、いざとなったら息の合った連携を見せて……たった一人の見込みある弟子に己のコスモビーストを託して……死ぬけど……
あとこれは地味なポイントなのですが、レグロス含む闘士が「ちゃんとデカいんだぞ」と示すシーンがあるのは嬉しかったです。大筋は等身大と変わらないような仮面劇なんだけど、闘士たちはあの星では友好的な頼れる巨人として共に暮らしていたのだなぁ。滅ぶが……
敵であるマグマ星人ヴォルカンが、最期にレグロスの正体を示唆する言葉を吐いて死んでいったのも気になりますよね。えっ確かに記憶喪失だったけど、レグロスに更なる秘密が!?
連載漫画だったら、次回生き残ったレグロスとスピカの元に、レグロスの秘密を知る何者かが現れたりして、レグロスは自身の出生を知るために旅に出るとか……なんか、そういう流れなんだろうなぁ。少年漫画的だぜ……
もちろんそうはならなかったが……
TVシリーズとは全く雰囲気の違う新シリーズ『ウルトラマンレグロス』を観てたと思ったら、超速で『ウルトラギャラクシーファイト』に引きずり込まれるんだもんな!!
ファイト系とかのあれこれ
正直に言えば、坂本監督と脚本の足木淳一郎さんにはあのまま『レグロス』の物語を続けて欲しかったなぁ、という気持ちがあります。このタッグの強みって今の『ギャラファイ』のように入り組んでしまった話じゃなくて、『レグロス』みたいなド王道じゃん!?
もちろん『レグロス』の物語はこれで終わりじゃなくて、来月公開される『ウルトラマンレグロス ファーストミッション』に続いていくわけだけど(ネタバレ出回ってるらしいから気を付けないとね)、それは結局次の『ギャラファイ』の準備みたいな事になってしまう気がするんですよね。
でも坂本監督/足木脚本のペアって、既存キャラクターを掘り下げて活かす方針よりも、『レグロス』みたいな独自路線を自由にやっていく方針の方が輝いているように見えるんですよ。
ただ、『レグロス』を撮影したと思しき時期を考えると、既にお二人は次の『ギャラファイ』の準備をしているところなのかなぁ。
配信手段が増えた今だからこそ、『ギャラファイシリーズ』としてでなく『レグロス』を単品で活かす方針になって欲しいな、と思うのですが……あまり望めないかなぁ。
どうあれ、「すっかり見慣れたけどよく知らないウルトラマン」だったウルトラマンレグロス個人に対しては、かなりの好感を得ています。
レグロスのこれからの戦いに期待を寄せましょう……!!
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