ウルトラマンZを観たら、その勢いでEXPOとTHELIVE観て欲しい話
『シン・ウルトラマン』の大ヒットで近年屈指の名作『ウルトラマンZ』を観た人が増えたって本当ですか!!??
ウルトラマンZはド名作中のド名作。
ウルトラ面白いおススメの一作なので、未視聴の方はぜひ観て戴きたいのですが、今回はそんなウルトラマンZを最近観た!!という方に絶対におススメしたいお話をする。
ウルトラマンZを観たなら、
『ウルトラヒーローズEXPO2021 ニューイヤーフェスティバル』
『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンゼット』
この二つのライブステージを……ぜひとも観て戴きたいのでございます!!
ライブステージって?
いわゆるところのヒーローショーです。
ウルトラマンはショーイベントにかなり力を入れており、毎年の夏には『ウルトラマンフェスティバル(去年からは『サマーフェスティバル』)』、冬には『ウルトラヒーローズEXPO』という公式の一大イベントにて、力の入ったステージを披露。更に近年はTHELIVEと称し、ウルトラ6兄弟やTDG、ニュージェネレーションヒーローズのオリジナルステージを公演しています。
円谷公式が開催するステージというだけあって、これらのステージの多くでは「テレビシリーズのキャストが声の出演を務める」「テレビの主役が生出演する」など、豪華な内容で観客を楽しませてくれます。
ウルトラマンZのライブステージも例外ではなく。
『ニューイヤーフェスティバル』では主役のハルキ役平野宏周さんとヘビクラ隊長役の青柳尊哉さん。
『THELIVEウルトラマンZ』ではハルキ役平野宏周さんと朝倉リク役の濱田龍臣さんが生出演!
声の出演もテレビシリーズ同様で、本編と地続きの物語を楽しむ事が出来るというわけでございますよ!!!!
なので「映像作品じゃないなら別に……」などと思わず、どのようなモノなのか試しにでも良いので観てみていただきたいというわけです。
というわけなので、この記事ではこの二作品の紹介を行います。ネタバレも含みますので完全に何も知らないで観たいという方には勧められないけど、そういう人はもう観てるよな!!??
ウルトラヒーローズEXPO2021 ニューイヤーフェスティバル「みんなの心でご唱和しようぜ!」
こちらは2020年~21年の年末年始に開催されたイベント、ウルトラヒーローズEXPO2021で行われたライブステージです。
物語の舞台は最終回の後の地球。
「盆と正月には帰ってきます」と旅立ったハルキが、ゼットさんと共に本当に帰ってきて、大事件に巻き込まれるお話です。
生出演のハルキのトークはもちろん、同じく生出演するジャグラスジャグラーのカッコよさ。そしてTVシリーズ同様のキャストが演じるジード、ゼロ、グリージョ、タイガ、エックス!!
EXPOのショーの最大の魅力、そして特徴は挿入歌と合わせた殺陣!
冒頭では後期EDテーマ『Promise for the future』に合わせた、ガンマフューチャーとティガ・ダイナ・ガイアの華麗かつダイナミックなアクションが話題を呼びました。もうこんなんガンマフューチャーディナーショーじゃん!って言われるくらいの華麗なオンステージ。TDG世代はガンマイリュージョンされた彼らのカッコイイアクションに感涙というわけです。実際かなり涙腺に来ましたからね、私は!
具体的に言うと、途中で挟まれるスローモーション演出からのサビ前『ジャジャジャジャンッ』での連続アクションなど、本当に音ハメが気持ち良すぎて最高にノレる。何度でも観られる最高のアクション。
大一番ではOPテーマ『ご唱和ください 我の名を!』の流れる中、多くのウルトラヒーローの大活躍が観られる。元々かなり熱い曲なので、本当にこれが流れてる中で戦うウルトラヒーロー最高すぎるんですよ。
でもストーリー的には「また星が泣いてる」辺りの動作がグッと来過ぎるわけですよ……
人数多めのバトルになると、アクターさんのやる小さな芝居がまた魅力的なんです。感情を示すちょっとした動作や、リアクション。小さなアクションで魅せるヒーロー同士の絡みが楽しくて、実際に観に行っている時は目がいくつあっても足りない。配信ではこれというポイントをセレクトしてくださっているわけですが、本当にこれがショーの楽しみ……
内容的にはパラレルというか、映像作品には還元されない物語です。
ですがそのため、映像作品以上に色々な融通が利き、「まだ映像作品で関わりの無いウルトラヒーローや敵が出会い、言葉を交わす」事があったりするわけです。このスペシャル感や特別感が嬉しい。
本作で言えば、ベリアロクさんとゼロ師匠との初会話。
アーリーベリアルVSジードと、アーリートレギアVSタイガの盤面。
そして忘れちゃいけない、ジャグラスジャグラーの戦いと言葉……!!
夏と冬のライブステージの主軸は「多くのウルトラヒーローが大活躍する」ことにあるわけですが、本作の肝となるストーリーも良かったです。最終回の後。戦いへの覚悟を決めているハルキが直面する、苦悩せざるを得ない敵との邂逅……
元・人間の怪獣である棲星怪獣ジャミラとの戦い。
迷いを抱くハルキは、己の選ぶべき道をどう定めるのか!?
その一点の描写だけでも、ハルキのその後として刮目する価値はあると思います。
配信版では、千秋楽グランドフィナーレ公演にて行われたキャストによるアフタートークも収録。なんとハルキ・ヘビクラ隊長の二人に加え、ユカ・ヨーコ先輩・カブラギの三人も生登壇しウルトラマンZへの思い出や苦労話などを語ってくださいました。
こちらも本当に必見で、Zのキャスト陣のトークが観たい方はぜひ観て戴きたいです。
そしてこの公演、どこで観られるのか?
DVDは小売価格2000円、ところによってはもう少し安く買えますし、DVDレンタルで置いている店もありますが……
ウルトラサブスクことTSUBURAYA IMAGINATIONなら、スタンダードプランに入ってさえいれば無料で観られるわけです。観てくれ!!!
ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンゼット
こちらは2021年の5月21日に上演された公演。
諸般の事情で神奈川公演しか出来なかったわけですが、これも本当に名作。
こちらのTHELIVEの特徴は、テレビ本編と連動した物語であるということ。
夏や冬のライブステージは、あくまでもif。テレビシリーズを前提とはしていますが、ライブステージの内容が映像作品に還元される事はありません。しかしこちらのTHELIVEは違っていて、ここで描かれる物語は映像作品にも関わる正史なのです。
第一部の物語の時系列は、テレビ本編が始まる少し前。
宇宙警備隊員になったばかりのウルトラマンゼットが、初任務にて遭遇した大事件を描きます。
具体的に言うと、テレビ本編にも登場したウルトラマンベリアルの遺した因子・デビルスプリンターにまつわる大事件。
ハルキと出会う前の、三分の一人前未熟な新米ウルトラマンであるゼットがウルトラマンジードと初めて出会った時に起こった騒動を描いています。
ゼットさんのまだ仕上がっていない心構えと実力。
けれどその内に秘めるウルトラ戦士の素質。
未熟な彼が「ウルトラマンとはなんたるか」を戦いの中で学んでいく描写が注目ポイント。
デビルスプリンターを題材としているだけあって、第一部は特にウルトラマンジードのアフターストーリーとしての側面も強いです。朝倉リク役の濱田龍臣さんも生出演しますし、ゼットというかジードが主役なのではないか、とさえ言われるくらいにジードが大変な目に遭う。なので厳密にはウルトラマンジードを完走した人に絶対に観て欲しいステージでもあるわけですが……まぁいいか!
デビルスプリンターを追うジードたちの前に現れた、死んだはずの父・ウルトラマンベリアル。そんな彼に対するジードの心の揺らぎと今の彼が出す結論。それがやっぱこう、ウルトラマンジードの美味しい所なので舌鼓を打ちまくる。
それとジード、出自がクローンだから冬のEXPOも含めて兄弟を増やされがちなんですよね……同じ姿を持ちながらヒーローとしての出会いも無く、分かり合う事も出来ずただ倒すしかない兄弟たちを……
そんなジードが危機的状況に置かれた時、ゼロが告げる言葉。
そしてその場で最も未熟かつ弱いウルトラマンであるゼットの覚悟。
それが『ウルトラマンジード』と『ウルトラマンZ』を繋ぐ物語としてこのステージを成り立たせるわけです。
成長したウルトラマンジードの姿を描く物語であると同時に、ゼットが持つ「三分の一の輝き」を示す物語でもあるんですよ。
大一番ではウルトラギャラクシーファイト主題歌の『ZERO to INFINITY』が流れるわけですけど、歌詞と演出の噛み合わせが強すぎるんですよね。
「ヒカリを見失って 情けなく膝をついて」からの戦いと、「さぁ 俺が連れて行くから この手を取っていこうぜ」の辺りの戦いのね……ウルトラマンゼロというヒーローの存在と、彼が繋いだヒーローのバトンの意味を強く感じさせる一連の描写が最高なんですよ。まず『ZERO to INFINITY』がウルトラマンゼロの産み出した未来を象徴する曲として完璧すぎるわけですけど。
最終決戦で濱田龍臣さんが叫ぶ「ジィィーーード!!」は主役をやり遂げた歴戦のヒーローとしての格を感じさせるし、ロイヤルメガマスターの輝きも眩しすぎる。ので本当にウルトラマンジードファンは全員観て欲しい……
……ウルトラマンゼット視聴者向けの宣伝でしたね。
でもこう本当、ウルトラマンゼロの戦いがあり、ジードの苦悩があり、そうして再びゼロに教えを受けたウルトラマンゼットが次の光として成長していく……っていう一連の作品の流れがあって、その尊さを全身で感じられる物語なんですよ。ウルトラマンゼットを120%楽しむにはやっぱりこれも観て戴きたいと……思いますですよはい。
第二部は、最終回の後のお話。
宇宙へと旅立ったゼットとハルキ、そしてベリアロクさん。
そんな彼らがどのようにして宇宙の悪党どもと戦っているか、などが描かれている。時系列上ゼットさんだけが活躍した一部に対し、二部ではゼットとハルキとベリアロクさんといういつもの三人のわちゃわちゃが観られるので福祉です。
そして戦いの中、ゼットたちが知ったのは地球に謎の強大な危機が迫っているという事実……!!
圧倒的な敵戦力を前に、ゼットたちウルトラマンはどう立ち向かっていくのか!?
最大の見どころはジャグラスジャグラーとハルキの再会。
ヘビクラのロールを解いて宇宙人・ジャグラスジャグラーに戻った彼が、再びハルキと出逢い地球の危機を知った時、どういう態度を取るのか。それはやっぱりさ……観たいじゃん!? セブンガーファイトでもあったわけだけどいやー、EXPOのこれが本当に好き。ヨーコ先輩とユカも声の出演をして下さっているので、本当にもうストレイジだぜ!!ってなる。
声が本人じゃないのが惜しいけど、ウルティメイトフォースゼロとトライスクワッドの共闘というファン的に美味しすぎるシーンもあって栄養価が凄いぞ! ゼット本編でも描かれたウルトラマンエースの活躍も美味しい。こんなに食べて良いんですかとなる。
こちらのEXPOは(前年のタイガもそうだったのですが)第一部がストーリー性の強い本編との連動企画で、第二部は強大な敵に戦うウルトラヒーロー!というエンタメ性を重視した展開になっています。ので、二部では色々なウルトラヒーローが様々な楽曲をバックにカッコよく敵を倒すというシーンが乱打されるし、観客がウルトラヒーローに力を与えるというシークエンスもやる。好きなヒーローが出てたら凄く凄く嬉しいヤツです。前述のUFZやトラスク、A、ゼロやジードにゼット等々、好きなウルトラ戦士が活躍していたら嬉しいわけなんですが。なんですが!!!
終盤に助けに来るあるキャラクターとBGMで私はやっぱり泣くわけです。
2021年、そういう年なので。
あとこう、終盤ハルキとゼットさんが立ち並んでの演出があるんですけど、その時の彼らの戦いに対してアクションを起こすキャラクターがいて、それは本当に本当に一瞬だけど良いシーンなんですよね……。
第二部はウルトラマンZのアフターストーリーとして、本当に気持ちのいい一作になってるかと思います。冬EXPOのような「本編後だからこそ与えられる試練」とはまた違って、成長しきったヒーローの強さ逞しさ、そして地球人との繋がりを改めて感じさせてくれる。発展途上の未熟なウルトラマンじゃなくて、『ぼくらの最高のヒーロー』として輝く彼らを観る事が出来るわけです……ウッ光……酷く輝いて見えた光が僕らの目の前にいて、僕らの応援を受け取ってくれる空間……
最後にはリク君役の龍臣プロとハルキ役の平野さんのご挨拶もあるんですが、こうね、イベントを重ねて場慣れしていくニュージェネ主演から得られる栄養素もある。龍臣プロのベテラン感と空気に慣れたのかフリーダムさがガッツリ出てきてる平野さんの良さ……番組を通して成長したヒーローと、ヒーロー役者としての風格が出てきた主演の両面で得られるヒーロー概念の濃縮還元がこのステージ、の配信というわけです。必須栄養素だと思うのでぜひ摂取して下さい、お願いします。
こちらのステージもDVDが発売されています。
価格帯も同じくらい。レンタルで置いてあるお店もあるし……
やっぱりツブイマならスタンダードで見放題です、今のところは!
ライブステージっていいものですよ
今回はウルトラマンZに関連するご紹介として、上記の二作品をおススメしました。ただもちろん、ライブステージはこれまでたくさんのウルトラマンが行ってきたもので、数もたくさんあります。
特に力が入ってきたのは、『ウルトラマンX』以降のステージ。
『X』翌年の『ジード』の冬EXPOも大人気で、会場がごった返し翌年からイベントの形式が大きく変わったほど。
『ウルトラマンタイガ』からは「THE LIVE」シリーズと題し、テレビと連動したストーリーを展開する公演を各地で上演。『Z』では諸般の事情でそれが叶いませんでしたが、他にもウルトラ6兄弟を主役とした『6兄弟THELIVE』やティガ・ダイナ・ガイアをメインに据えた『TDG THELIVE』を発足、更には(ウルフェスの業態変化と合わせ)夏・冬のイベントも『THE LIVE』の括りに入れて巡業を行うなど、ライブイベントの強化に努めています。
ライブステージと映像作品ではやはり出来る事に違いがありますし、緻密なストーリーや大迫力の特撮を求めている方には物足りないかもしれません。ただやはり、目の前に観客がいて、『本物』のウルトラマンたちがリアルに戦っている……という前提があってこそ得られる感動もあるんですよ。具体的に言うと、ヒーローが助ける者の存在の実体と、ヒーローに対する我々のリアクション。もちろんそれは台本に沿って行われていることだけれど、そこには双方向のコミュニケーションがあるのだと感じさせてくれる。生の夢がそこにあるわけです。
じゃあ、配信だとダメなのでは?
……と問われたら否定はしかねるというか、やはり原液の旨味とは違ってしまっているのは確かです。けど配信されている映像の中には、双方向の想いが籠められている。そこに確かにあった夢です。それを感じて戴けたら良いなと思いますし、そういう感情を抜きにして単純にウルトラヒーローの活躍を楽しんで戴けたのなら、それもまた素晴らしいなと考えます。
ウルトラマンの主戦場は映像作品で、特撮で、物語です。
でもそこにライブステージという体験と実体が加わると、ヒーローとしてのウルトラマンの概念がより強く鮮明に輝きだす。そこにはそれでしか浴びる事の出来ない光があって、そういう光があるのだという事を、新たにウルトラマンに興味を持った方にも知って貰えたらなと思うわけです。
光はそこにあるのです。