【ウルトラマンアーク1~3話感想】想像することは楽しいこと

ウルトラマンアーク、めっちゃくちゃ楽しんでます!!
まだ序盤も序盤ですが、ここ数年のウルトラマンの中でも特に自分好みの作品な気がしていて、今後のお話にもかなり期待を寄せているところ。

というわけで、今回は初回~アーク誕生の瞬間が描かれた第3話までの感想をカンタンに書き残しておこうと思います!


ウルトラマンアーク #1 / 未来へ駆ける円弧(アーク)

記念すべき第1話。
初っ端から『ウルトラマンが現れ始めて3か月後』の時系列が描かれる、ちょっと特殊な構成。これがけっこう良かった……!

初回でウルトラマンになるまでを描くと、状況は分かりやすいですが、作品ごとの特色や魅力表現し辛くなってしまうと思うんですよね。
前作『ブレーザー』では特殊部隊と怪獣の戦いをじっくり描き、その果てにウルトラマンが登場してインパクトをかっさらう……という方法で描きましたが、今作では逆にウルトラマンが「いる」というのが認知されてきた時期から描く。どちらも、ウルトラマンが長く続いているからこその試行錯誤だなと感じました。

特に印象的なのは、3分をワンカット風に描写した戦闘シーン。そして「想像力を解き放ち」行われるバリアの武器化!
思わず「なんだこれは!」と反応してしまうような、めちゃくちゃながらも「すごい」と思わせてくれる戦闘。前作『ブレーザー』のスパイラルバレード活用法もすごかったですが、今作では更に自由度と愉快さを増した戦闘が楽しめるぞ、と確信を持てる戦闘シーンでした。

一方で愉快さだけに振るのではなく、〆にウーズを斬るシーンはしっかりカッコよく決まっている。楽しいヒーロー番組としての両輪を示す、最高の初回戦闘だったと感じました!

ストーリー面では、怪獣の退治ではなく調査を使命とするSKIPという組織の良さが伝わってきました。遺物の定期調査から始まり、シャゴンの情報とそれとは異なる現状の認識。怪獣調査の専門家らしい絞り込みと、防衛隊ではないからこそ「降りてきていない」情報の描写。
前作とはまた違う雰囲気で「怪獣のお仕事」を見せてくれて、こちらも初回から満足度が高かったです。

石堂さんの存在もポイントで、石堂さんという外部から来た人間がいることで、SKIPという組織の在り方について分かりやすく描写が為されている。
コーヒー周りの描写はかなりあざといんだけど、別組織から来たメガネエリートな石堂さんを「いい人・仲間」として子どもに認知してもらうには、これくらいおかしなポイントがあった方が分かりやすいよな、と思います。というかわたしも好きです。

「ちょっと変わっているけど、すごく真面目でいい人」な石堂さんがSKIPと合流して1話の〆。SKIPの面々と石堂さんの関係性がこの物語にとっても重要なのだ、と予感させるいい終わり方だったと感じます。


ウルトラマンアーク #2 / 伝説は森の中に

前話で石堂さんが加入してからの、SKIPのお仕事の基本を描写していく回。
「まずは信じること」をキーワードに、ユウマの在り方とそれに影響を受ける石堂さんを描いていく……!

基本のストーリーラインはウルトラマンによくある「人間の活動によって怪獣が目覚めてしまうかもしれない!」系のお話でしたが、その味付けにはアーク独自の良さが出ていたように感じます。

子どもの訴えを真正面から受け止めるユウマと、それほど重要視していない石堂さん。石堂さんがSKIPに配置されて間もないからこそ、ユウマの(SKIPの)仕事のやり方を静かに学んでいく描写が映える。

SKIPは立場としては弱めで、証拠がなければ調査もままならない。
一方で(おそらく各地に)分所を設けていることから、地元の情報を探る能力は高いと思われる。地元の古道具屋で話を聞くユウマのシーンなどは、地域密着型の組織としての面白さが出たシーンですね。

石堂さんは石堂さんで、防衛隊の設備や情報にアクセスできる。
彼らが揃うことで、怪獣に対する働きかけがより活発になっていく。
第1話での情報を基に、アークの基本的な面白さを更に提示する良い流れだったと思います。

特撮シーンもまた愉快で、両手両足を突き出したリオドの復活シーンがまず滑稽な楽しさに満ちている。実景とミニチュアの使い分けも巧みで、今そこにいるリオドと人間たちの距離感が分かりやすい。

戦いにおいて注目したいのは、ウルトラマンアークが「そのままではそんなに強くない」ということ。こういうと語弊がありますが、想像力を解き放つまでのアークってちょっと弱そうに見えるんですよね。
ただ、この「やられ」が帰りマンあたりを想起させるというか、「強い怪獣相手にすごく頑張って戦ってる」感じが出てて好きです。
アークは完全無欠の強いヒーローではなくて、頑張って、頭を働かせて戦うヒーローなのだ、というのが2話の戦闘では伝わってきた。
そういう在り様を見せつけてくれるからこそ、見ていて応援したくなるし、逆転した時は嬉しい。

2話の「想像力」の結果の光輪落とし穴は大迫力!
1話に続いて「そんなのあり!?」とこちらを驚かせてくれましたね。
にしたって穴、深くない!?

「信じること」をテーマに描き切ったラストに、石堂さんの隠し事を描写していくのも上手かった。石堂さんはSKIPやユウマのことを気に入ってくれているけど、防衛隊には防衛隊の思惑がある。それが今度どう影響してくるのか……縦軸の強い引きを作ることで、全体のストーリーラインにも期待を持てる第2話でした。

ウルトラマンアーク #3 / 想像力を解き放て!

第3話では時系列が戻り、ユウマがウルトラマンになった日を描く。
ここまで伏せられていたユウマの過去が判明し、ウルトラマンアークと関係のありそうな光の巨人の姿が描かれる。

1、2話で明るく前向きなユウマの姿を描いてから、彼が抱えている過去の出来事が判明。もしこの情報が1話で描かれていたら、作品全体が暗い雰囲気に感じられてしまっていたかも……と思います。抱えるモノの重さ暗さは大切だけれども、作品自体は明るくしたいという意図が窺える。

それにしても気になるのは、今回登場した怪獣ディゲロス。
二つ名を宇宙獣というくらいなので、地球外の存在であることは確実ですが、モノホーン(モノゲロス)との関係や瞳に似た天空の歪みとの関係が気にかかる……背中に動物らしい怪獣の姿もあり、モノホーンの中に寄生獣ウーズがいたことを考えると、ディゲロスも何かの寄生体が成長した姿なのかなぁ……?

ユウマが鏡の世界で力を授かるシーンなど、今後に繋がりそうな謎がいくつも提示された回でした。ただやっぱり、これを1話でやっていても「よく分からない!」と思ってしまったかもしれないし、ユウマ・石堂さんの2人が丁寧に描かれた2話分があってこその3話だなと感じました。

かつて怪獣災害で親を失ったから、同じ想いをする人をなくそうと努力するユウマ。ウルトラマンになったことで、祖母を喪わずに済んだユウマ。彼の主人公としての強度が一気に高まった印象で、今後の回に更に期待が持てました。

それはそれとして、最後ユウマと合流した時の石堂さんのぎこちない挨拶、めちゃくちゃ良かったなぁ……!


3話目までを振り返って

今までの回を一通り振り返ると、やはりアークは番組として明るさ・楽しさをかなり意識してるなという印象を受けました。そしてのその楽しさは、ユウマがどんな時も考え、前に進むひたむきさから発生している。

ウルトラマンアークの戦いには毎週驚きと興奮がある。
それが本作のとても好きな部分で、この先も期待している要素です。
石堂さんが所属する防衛隊や、光の巨人・怪獣が出現した歪み。アークがユウマの空想の姿である理由。様々な伏線はともすれば番組を重たくするかもしれませんが、ユウマはそれでさえ最後には跳ね除け、想像力によってよりよい未来をつかみ取っていくのではないか。今のところは、そんな風に感じています。

明日は時系列が戻って第4話!
先日行ったウルサマも楽しかったし、この先のウルトラマンアークに期待大です!

(ウルサマ前期の感想記事も近いうちに書きますね!)

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