【小説】便利屋玩具のディアロイド #08『NOISE』後編
【前回】
結論から言えば、彩斗の予測は的中していた。
地元で密かな噂となっている幽霊ビル。誰もいないはずの建物からは、微かに小さな足音や駆動音が響いている。
(といっても、最初から気にしてなきゃ分からないレベルだが)
自分一人では、ここまで早く場所の特定は出来なかっただろう。
彩斗に感謝しつつ、ボイドは暗いビルの周囲を歩き様子を伺う。
ドアは当然ながら閉まっていた。が、換気扇の排気口に、よく見ると何かが出入りしたような細かな傷が残っている。NOISEはここから出入