#004 百鬼夜行vol.2開催にあたって -1 《 written by Mai 》
-はじめに.
大塚です。
ZENKI『百鬼夜行』vol.2を2023/122(日)-23(月)で開催しました。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
今回の百鬼夜行開催にあたり、私の目線からも備忘として感じたことなど書き留めておきたいと思います。2回にわけて書こうと思うので、宜しければご一読ください◎
-なぜ「大江山」で開催したのか?
今回の百鬼夜行の舞台は、京都府福知山市大江山。
そもそもなぜ大江山を選んだのかについて、あまり詳しく記していなかったなと思い、今回書き留めておきたいと思います。
前の記事(#003)でZENKI代表の松本も軽く触れていますが、2つの理由があります。
①大江山には鬼が住んでいる
大江山には、「鬼」の物語が語り継がれています。
その中でも特に有名なのが、鬼界のスーパースター「酒呑童子」。
身の丈は一丈(3メートル!)、そして容姿端麗。
大酒を飲み、都から美女をさらってきては、酒池肉林を繰り広げます。
しかしその描かれ方は、どこか人間味が漂います。
山伏に変装して自分を退治しにきた源頼光についつい心を許し、酔っ払ったあげく、ついには自分の生い立ちについて身の上話をはじめる酒呑童子。
そして最後は、泥酔の末、頼光に退治されてしまいます。
騙し討ちにあったことに腹を立てた酒呑童子は、死に際に「鬼はこんな卑怯なマネはしない!」と怒ったのだそう。
そのキャラクターは人間味があり、どこか愛くるしさを覚えてしまうほど。
そんな酒呑童子が住んだといわれる大江山。想像しただけで、わくわくしてしまいます。
鬼に魅せられた私たちとしては、訪れないわけにはいかない!というのが、1つ目の理由です。
②日本の起源を語れる場所
大江山のふもとには、「元伊勢三社」とよばれる3つの神社があります。
その三社というのが、「元伊勢内宮皇大神社」、「元伊勢外宮豊受大神社」そして「天岩戸神社」。
日本の起源を語るのに欠かせない存在であり、古事記や日本書紀などの諸神話に登場する、太陽の神様・天照大神(アマテラスオオミカミ)。
そのアマテラスが、伊勢の五十鈴川上の聖地(現在の伊勢神宮)にお鎮まりになる前に鎮座していたのが、この大江山の地でした。
だから「元伊勢」と呼ばれるようになったのだそう。
そして、三社のひとつ「天岩戸神社」には、はるか昔から神々の物語が伝わります。
アマテラスには、須佐之男命(スサノオノミコト)という弟がいます。このスサノオ。後に英雄として語られますが、英雄となる以前は、皆を困らせる暴れ者でした。
父のイザナキから、海原を治めるように命じられたスサノオでしたが、亡くなってしまった母のイザナミに会いたいと泣くばかりで、まったく統治をしません。それに怒ったイザナキは、スサノオを追放してしまいます。
追い出されたスサノオは、姉アマテラスが治める「高天原(たかまのはら)」(いわゆる「天」のこと)を訪れます。
高天原で過ごすスサノオですが、ここでもあらゆる悪事をはたらきます。スサノオの度を越した悪事に責任を感じ、心を痛めてしまったアマテラスは、ついに天の岩屋に隠れてしまいます。
その岩屋こそが、「天岩戸神社」。
ちなみに、太陽の神であるアマテラスが岩屋に隠れてしまったことで、世界は闇に包まれてしまったのだそう。
(その後、なんとかアマテラスを岩屋から出すことに成功しますが、スサノオは高天原からも追放されてしまいます。そのお話はまた別の機会に。)
高天原はいわゆる「天」を指しているので、岩屋がなぜこの地にあるのか?など疑問は多々ありますが…単純に、ロマンを感じますよね。
そして私たち日本人のルーツともいえる神話の舞台、訪れないわけにはいきません。
*「岩屋隠れ」の場所は諸説あるようです。
以上の2つの理由から、百鬼夜行vol.2の開催地は京都府福知山市大江山に決定しました。
-大江山を訪れてみて
大江山は、想像以上にすてきな土地でした。
いたるところに鬼、鬼、鬼。
道すがらの看板、お店の名前、そして鬼の像。
こんなに「鬼」が自然と根付いている土地があることに、新鮮な驚きを覚えました。
大江山に住む方々にとって、きっと鬼はいつも身近にいて、こわい存在なんかではなく、むしろ愛すべき存在なんだろうなと想像して、なんだかとてもあたたかい気持ちになりました。
その土地土地には、固有の空気がある。当たり前のことですが、その空気感は、やっぱり行ってみないとわからないということを改めて感じた旅でした。
今後の百鬼夜行も、様々な土地で開催予定です。
ご興味ある方は、ぜひご連絡ください。
次回は、百鬼夜行の運営面について書きたいと思います。
ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
ZENKI 大塚 真妃