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ニューストピックス(2023.7)

1日  公共事業契約率80.8%/総務省、22年度の自治体事業
 総務省は2022年度の地方自治体による公共事業予算の施行状況をまとめた。21年度からの繰り越し分(6兆3538億円)と22年度予算分(16兆7533億円)を合算した予算額は、23兆1071億円。契約率は80.8%で、前年度から微減(0.1ポイント減)した。支出済み額(12兆4424億円)の割合は前年度比0.7ポイント減の53.8%だった。繰り越し分の契約率は0.6ポイント増の92.1%。支出済み額(4兆4597億円)の割合は1.5ポイント増の70.2%となった。
5日  建設業法令順守指針を改定/国交省、適切な価格転嫁へ規定追加
 国土交通省は元下間と受発注者間のそれぞれに適用する「建設業法令順守ガイドライン」を改定し、適切な価格転嫁に向けて取引関係者が留意すべき点を追記した。公正取引委員会が示した独占禁止法に基づく「優越的地位の乱用」に関する考え方や下請中小企業振興法に基づく「振興基準」の改定内容を反映。取引関係者間で明示的に協議することなく取引価格を据え置く行為は優越的地位の乱用の要件に該当する恐れがあることなどを周知する。
6日  次期国土形成計画案を答申/国土審、地方を軸にビジョン提示
 国土審議会(国土交通相の諮問機関)は次期国土形成計画案を斉藤鉄夫国交相に答申した。人口減少の進行や災害リスクの高まりなどの危機に直面する中、地方に軸足を置いてビジョンを提示。目指す国土の姿として「新時代に地域力をつなぐ国土」を掲げた。国交省を中心に今夏の閣議決定に向け必要な手続きを進める。
7日 法定福利費明示の徹底を/国交省調査、下請の見積提出微減に
 国土交通省は建設工事で必要な法定福利費の確保状況に関する最新の調査結果を公表した。「建設キャリアアップシステム(CCUS)処遇改善推進協議会」に参加する専門工事業団体会員を対象とした1~2月の調査で、法定福利費を内訳明示した見積書を「5割以上の工事で提出している」と回答した下請は73.5%だった。2年前の同調査から5.1ポイント減少。先月開かれた同協議会では各職種の標準見積書を活用する選択肢も含め、元下双方で法定福利費の内訳明示を徹底することで合意した。
7日  架設作業中の鋼橋上部工で点検/国交省、直轄工事対象に安全徹底
 6日未明に静岡市清水区の国道1号「静清バイパス」下り線で鋼橋上部工架設作業中の桁が落下した事故を受け、国土交通省は同様の作業を進めている他の直轄道路工事を一時中止し安全点検に乗りだす。対象現場は地方整備局らが実施している架設作業中の鋼橋上部工。これら以外の工事でも改めて作業の安全確認や注意喚起の周知徹底に努める。
12日  転籍自由化・人数設定が焦点/政府、外国人材受入で新制度検討中
 外国人材の受け入れに関する政府の有識者会議の議論が佳境を迎えている。技能実習制度に代わる新制度の創設を前提に、同制度で定めている転
籍制限の緩和や、受け入れ見込み数の設定可否などを検討。有識者からは「分野内の転職は原則として自由であるべき」などの意見が出ている。建
設分野では特定技能外国人の在留者数が1.7万人を超えた。現場を支える外国人材の存在感が急速に高まっており、会議の結論次第で業界全体に大きな影響を与える。
13日  デジタル配筋確認本格適用へ/国交省、実施要領を策定
 国土交通省は画像・映像解析で鉄筋出来形計測をデジタル化する技術を直轄土木工事で本格適用する。これまでの試行結果を踏まえ「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領(案)」を策定し、地方整備局などに通知した。計測機器の精度検証が済んだシステムの使用を前提にすべての現場打ちコンクリート構造物への適用が可能になる。
18日  8整備局で近く試行導入/ 国交省、ICTプラットフォーム
 国土交通省は建設工事の監督・検査に用いる電子データを一括して取り扱うシステムを全国の直轄現場で試行導入する。複数の情報共有システム(ASP)やクラウドサービスの連携基盤として「ICTプラットフォーム(仮称)」を構築。まずは工程情報のデータ管理に用いる前提で、8~10月に東北、関東、中部、近畿の4地方整備局、10~12月には北陸、中国、四国、九州の4整備局で試行する。
18日  工事書類作成の負担軽減を/全建協連、内容統一などを提言
 全国建設業協同組合連合会(全建協連)は技術者が担う工事書類作成の業務負担軽減策を提言した。群馬県建設業協会会長も務める青柳氏の呼び掛けで群馬、長野、滋賀、鹿児島4県の建設業協会が技術者の就業実態を調べたところ、共通して発注者に提出する書類の作成業務が時間外労働を招いている最大の要因と確認した。引き続き地域建設業の実態把握に努めつつ、国や地方自治体などの発注機関には提言に基づく速やかな改善を求めていく。提言は▽発注機関によって書類・工種別で差異が生じない書類作成業務(内容)の統一化▽国による書類作成業務補助の制度化▽歩掛かりや工事積算体系の見直し― の三つ。書類作成業務補助の制度化では、建設ディレクターのような外部人材登用も視野に入れる。
20日  インセンティブ措置が拡大/国交省調査、CCUS活用策
 建設キャリアアップシステム(CCUS)に積極的に取り組む元請企業を評価する動きが市区町村発注工事に広がってきた。国土交通省による2022年10月末時点の調査によると、工事成績評定で加点するモデル工事は3団体、総合評価方式での加点は39団体、入札参加資格での加点は23団体が導入。こうしたインセンティブ措置は国交省直轄工事、都道府県発注工事で先行してきたが、より小規模な市区町村発注工事でも講じられることでCCUS活用の裾野がさらに広がりそうだ。
21日  5 か年対策3 年目で9.9 兆円/政府、国土強靱化推進会議が初会合
 政府の国土強靱化推進本部(本部長・岸田文雄首相)の下部組織「国土強靱化推進会議」が発足し、都内で初会合を開いた。国土強靱化政策の根幹となる「基本計画」の改定案や「年次計画2023案」について審議、了承した。年次計画案では「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」
の3年目(23年度)までの進行状況を事業費ベースで提示。全体の事業規模15兆円の3分の2に当たる9.9兆円が予算措置されたとした。次期基本計画は7月末の国土強靱化推進本部での決定と閣議決定を目指す。年次計画は今夏の本部決定を予定している。
24日  「適正工期確保宣言」展開/日建連、民間建築で週40時間に
 日本建設業連合会(日建連)は2024年4月に適用される時間外労働の罰則付き上限規制を順守するための「適正工期確保宣言」を発表した。公共発注者や土木工事に比べ適切な工期設定が遅れている民間建築工事で全面的に展開。会員企業が元請の立場で民間建築の発注者に見積書を提出する際、同宣言に基づき4週8閉所や法定労働時間の週40時間稼働を原則とする「真に適切な工期」を提示していく。

[全建ジャーナル2023.8月号掲載]

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