【絶対面白い!】実写映画化して欲しいド変態サスペンスの手塚作品
今回は映画化してほしい手塚作品をご紹介します。
ご紹介する作品はこちら「出ていけッ!」です。
はい。短編です。有名な長編作でもなければ
「MW」とか「ばるぼら」とかの傑作でもありません。
ただの短編です。
あまり知られていない作品ですが
めちゃくちゃいい原作だし映画化したら絶対面白いと断言。
現代劇でもありSFでもありエロくてサスペンス要素もある
シリアスだけどギャグもある。
短編だとさらっとしているんですけど骨格の起承転結もしっかりあって
長編でも映画でもどんどん話を膨らませることができそうな作品なんです
普通の作家ならこの設定を温めてこねくり回して磨き上げていくんでしょうけど手塚先生ってこの世界観を短編でやっちゃうんですもんね。
いや~もったいない
ほんと誰でもいいので映画化して
監督された方の世界観、どう話を膨らますかを見てみたいものです
というわけで「出ていけッ!」スタートします。
(youtubeで年齢制限かけられました(笑)そんなエロくないのに…)
1972年の作品です。
あらすじを追っていきましょう。
ある日しがない男(フースケ)のアパートに素っ裸の男女が現れます。
もうこの時点でぶっ飛んでます。
そして素っ裸の男女はフースケのことを無視して生活し始めます
彼等にはフースケの姿も声も見えていないような振る舞い。
困ったフースケは
警察に通報するも手が離せないと言われ
近所の人に声をかけても
相手にされず
もうこれは自分で解決するしかないと
2人に手を出そうとすると、体が擦りぬけてしまうんです。
そこで素っ裸の2人が
幽霊みたいな存在だということが解ります。
ある日2人が読んでいる新聞を見てみると
なんと日付が10年後の新聞でした。
つまり2人は10年後の未来から来た幽霊だったんです。
幽霊といっても何ら生活に支障はなく邪魔されることもありません。
唯一支障があるとすれば2人はところかまわず愛し合い
フースケの前で淫らな姿を見せることくらいです。
そしてフースケは素っ裸の女を見ているうちに
その美しさに惚れ恋心を抱いてしまいます。
あろうことか幽霊の女のことが好きになってしまうんですね。
目の前で自分の好きな女が毎日素っ裸で生活しているんで
心臓がドキドキして我慢できなくなってきます。
好きで好きでどうしようもなくなって
気持ちが抑えられず自慰行為したり
もうとにかく頭がおかしくなってきます。
そんなある日
男の方が違う女性を引き連れて
何やら良からぬ計画を打ち合わせしています。
どうやらフースケが好きになった女を殺す計画を
その男は立てていたのです。
彼女に惚れてしまったフースケは
どうしてもその殺人計画を阻止しようとします。
しかし体がすり抜けてしまうので物理的にはどうしようもできません。
彼女を救うためにどうすればよいか?
10年後ということは10年前の現在の彼女に会い
結婚すれば未来が変わるのでは?と思いつきます。
そうするうちに彼女が帰ってきました。
たった今、別の女と殺人計画を立てていた男が何食わぬ顔で
彼女と接する姿に怒りを覚えるのですが
帰ってきた女の言葉からなんとフースケの名前が出てきます。
あれ?なんで知っているんだ?
男は言います。
「主人の事故死はバレないよ」
「きみが殺したとはだれも思わない」
…と
実は女には夫がいて
その夫を殺して2人がくっついていたことが分かります。
男の会話は続きます。
「肝心の奥さんに裏切られて、死んでも死にきれないだろうな」
「もうその話はやめて」と口をふさぐ女。
…そうなんです。
その夫とは… 未来のフースケだったというわけです。
自分が惚れた女は未来の奥さんでその女に10年後に殺されるというオチ
ここで短編は終了となるんですが
どうですかこの秀逸感
ラストのブラック加減も秀逸ですが
未来の奥さんの生活が見えるという
ド変態設定ぶり。
これね、普段見られない男女の姿が見えるって設定も変態ですけど
それが自分の惚れた女が別の男と生活している姿っていうのがド変態です。
盗撮的要素もあるし
新手のストーカー的発想ですよこんなん。
ボクは初めてこの短編を読んだとき本当衝撃でしたね。
普通じゃないタイムパラドックスものっていうか
手塚治虫の底知れぬ恐怖を感じました。
ぜひこの設定とこのオチで誰かアレンジして映画化してくれないですかね。
こんなシーンあったらもっと面白くなりそうとか
こんな伏線あったらもっと驚くなぁとか
どんどん話が膨らみそうな設定じゃないですか。
2時間映画いけますよ。誰か脚本書いてくれないかなぁ。
まさにド変態エロティックサスペンスSFマンガですよ。
今回ご紹介した短編は
ちくま文庫 手塚治虫SF傑作集「時間旅行者編」
手塚治虫漫画全集321巻 大地の顔役バギ
に掲載されております。
ぜひご覧になってください。
ありがとうございました。
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