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【文章術】「より」と「から」を使い分ける

ものごとを比較したり、時間や場所の起点を示すことばとして、「より」と「から」があります。文章を書いているときに、このどちらがいいのか悩むことはないでしょうか?このふたつの使い分けについては、ある基準があります。ここでは、この使い分けかたについて説明します。


「より」と「から」を使い分ける

比較や起点を示す「より」と「から」は、次のように使い分けることで、わかりやすい文章になります。

  • より:比較

  • から:時間や場所の起点、あるいは根拠など

このことについて、例えば文化庁では、公用文を作成するときの指針として、次のように示しています。

時および場所の起点を示すには、「から」を用いて、「より」は用いない。「より」は、比較を示す場合にだけ用いる。

文化庁「公用文改善の趣旨徹底について(PDF)」

具体例

以上のことをふまえた上で、「より」と「から」それぞれの例文を見てみましょう。

「より」を用いる例

まず、「より」を用いる例を見てみます。「より」は、ものごとを比較するときに用います。例えば次の文では、今のシステムと、前のバージョンのふたつを比較しているため、「より」を用いています。

このシステムは、前のバージョンより使いやすい

「から」を用いる例

次に「から」を用いる例です。「から」は、時間や場所の起点を示したり、根拠を示すときに用います。

午後3時からミーティングがはじまる
東京から名古屋まで新幹線で移動する

例えばひとつ目の文では、「午後3時から」というように、時間の起点を示しています。また、ふたつ目の文では「東京から」のように場所の起点を示しています。どちらも、「午後3時より」「東京より」のような使い方はしないようにします。

まとめ

比較や起点を示す「より」と「から」の使い分けについて、ものごとを比較するときは「より」、時間や場所の起点、あるいは根拠を示すときは「から」を用います。このように使い分けることで、わかりやすい文章にすることができます。

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Hiroki Zenigami|テクニカルライター
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