わかりやすい文章を書くための5つのステップ
テクニカルライティングの中心となるのは、わかりやすい文章を書くことになります。それでは、具体的にどのようにして文章を書けばいいのでしょうか。ここでは、わかりやすい文章を書くための手順として、5つのステップを説明します。
わかりやすい文章を書くためのステップ
テクニカルライティングにおいて、わかりやすい文章を書くには、次の5つのステップで書きます。
誰になにを伝えるかを決める
アウトラインを作成する
文章を書く
読者の視点で読む
書き直す
それぞれのステップについて説明します。
1. 誰になにを伝えるかを決める
文章を書くときは、いきなり文字を書きはじめるのではなく、まず「文章を通して、誰になにを伝えたいのか」を明確にすることが重要です。誰になにを伝えるかによって、文章の組み立て方やことばづかいが変わるからです。
例えば、社内に向けたドキュメントを書くときに、新しくチームに入った人を対象にするか、経歴の長い人を対象にするかで、専門用語を使うかどうかが決まってきます。
2. アウトラインを作成する
前のステップで決めた読者を想定して、伝えたいことを伝えるための文章の骨格を決めていきます。はじめに、伝えたい主要なポイントを箇条書きとしてリストアップします。その上で、読者がわかりやすいように順番を入れかえます。
次に、主要なポイントの下に、具体的な説明を追加していきます。最後に、全体を見直してわかりやすい構造になっているかどうかを確認します。こうすることで、わかりやすい文章を書くための準備ができます。
3. 文章を書く
作成したアウトラインをもとに、実際に文章を書いていきます。アウトラインがあることで、話の流れがわかりやすくなり、また主要なポイントを書き忘れることがなくなります。
文章を書くときは、読者がわかることばづかいで文章を書いていきます。また、結論からはじめる、一文を短くするといった、文章の基本的な原則を守ることも重要です。
4. 読者の視点で読む
文章を書き終えたら、読者の視点に立って読み直します。自分が読者だったら、この文章からどのような情報を得られるか、どの部分がわかりづらいか、といったことを考えてみます。
必要となる前提知識を共有できているか、専門用語は理解できるか、文書の全体としてわかりやすいかなどの視点で、何度か読んでみてください。そして、改善できそうなところを書き出してみましょう。
5. 書き直す
読者の視点で読んだときのフィードバックをもとに、文章を見直したり、必要な修正をしたりします。よりよい文章をめざして、読者の視点で読んでから書き直す、というプロセスを何度も繰り返すことで、文章の質をより高めることができます。
まとめ
わかりやすい文章を書くためには、文章を書く前に、まず「誰になにを伝えるか」を明確にすることが重要です。その上でアウトラインを作成し、それをもとに文章を書きます。
文章を書いたら、読者の視点に立って読み直します。そして改善できそうなところを書き直すことで、読者にとってわかりやすい文章に仕上がっていきます。