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テクニカルライティングの練習問題

テクニカルライティングを学んだとして、次はどうすればいいでしょうか。これについては、とにかく文章をたくさん書くことで、文章術を身につけることができます。

ここではテクニカルライティングの実践的な練習問題を、解答例とともに示します。PDFファイルもありますので、印刷して解答したいときはそちらもご利用ください。


問題

1. 以下のように、とあるブログシステムの「下書き保存ボタン」について説明した文章があります。この文章を、読者にとってわかりやすくなるように書き直してください。

記事を書いている途中で用事ができたときに、編集中の内容を失わずに、あとから再開するためのボタンがあります。このボタンは画面の右上にあり、下書き保存ボタンという名前ですが、このボタンを押すことで、記事の内容を保存できます。

下書き保存ボタンが押されると、編集中の文章が保存されます。これにより、いつでも編集を再開できます。編集中の文章を保存したいときは、下書きボタンを押してください。

2. 以下のように、とあるブログシステムの「プロフィール設定画面」について説明した文章があります。この文章を、読者にとってわかりやすくなるように書き直してください。

プロフィール設定画面では、あなたの名前やアイコンといった情報を設定することができます。この設定画面には、プロフィールページにある設定アイコンより移動できます。

名前やアイコン、自己紹介文、SNSへのリンクなどを設定できます。読者にあなたのことをより知ってもらうためにもプロフィール設定画面で情報を設定しましょう。

3. とあるブログシステムにおいて、以下のような仕様をもつボタンがあります。このボタンについて説明する文章を作成してください。

  • ボタンの名前:シェアボタン

  • ボタンの場所:記事の本文の下

  • ボタンの挙動:SNSに記事を共有する

  • 共有できるSNS:X、Facebook、LINE

解答例

1. 問題文には、いくつかの問題があります。まず、「下書き保存ボタンを押すとどうなるのか」という結論が、先に書かれていません。また、二文目の「このボタンは画面の右上にあり〜」は、一文が長くなっています。

さらに、一段落目は読者の視点で書かれていますが、二段落目のはじめは「下書き保存ボタンが押されると〜」のように、システム側の視点になっています。最後の文は「下書きボタン」となっており、前述される「下書き保存ボタン」という名前と表記がゆれています。

以上の問題を改善した例を、以下に示します。この文章だけが正解ではありませんが、このように改善することができます。

下書き保存ボタンを押すと、編集中の文章を保存することができます。これにより、いつでも編集を再開できます。このボタンは、画面の右上にあります。このボタンを押すことで、記事の内容を保存できます。

例えば、記事を書いている途中で用事ができたときに下書き保存ボタンを押すことで、あとから再開することができます。編集中の文章を保存したいときは、下書き保存ボタンを押してください。

2. 問題文について、二文目に「設定アイコンより移動できます」とありますが、「より」はものごとを比較するときに使います。この場合は起点を示す「から」の方が適切です。

また、二段落目の「名前やアイコン〜を設定できます」という文について、主語が省略されてしまっています。この文については、設定できる情報が列挙されていますが、箇条書きを用いた方がわかりやすいです。

最後の文は、読点がないため読みづらくなっています。以上の問題を改善した例を、以下に示します。

プロフィール設定画面では、あなたの名前やアイコンといった情報を設定することができます。設定画面には、プロフィールページにある設定アイコンから移動できます。

この設定画面では、以下のような情報を設定できます。

・名前
・アイコン
・自己紹介文
・SNSへのリンク

読者にあなたのことをより知ってもらうためにも、プロフィール設定画面で情報を設定しましょう。

3. 文章を作成するときは、結論から先に書きます。特にPREP法を用いることで、全体の構成を決めることができます。今回の結論(要点)は「シェアボタンを押すとどうなるのか」なので、その文をはじめに書きます。

要点の次は根拠ですが、これはボタンの位置や共有先に関する説明を書きます。また、一段落目の文章だとしっくりこないかもしれないため、例として料理の記事の共有について書いています。

最後に要点を繰り返して完成です。以上のことをふまえた文章を、以下に示します。

シェアボタンを押すと、読んでいる記事を共有することができます。このボタンは、記事の本文の下にあります。シェアボタンを押すことで、XやFacebook、LINEに記事を共有できます。

例えばこのシェアボタンにより、おいしそうな料理の記事を、家族にLINEで共有できます。記事を共有するときは、シェアボタンを使用してください。

PDFファイル

問題と解答例は、次のボタンよりPDFファイルとしてダウンロードできます。紙に印刷したいときなどにご利用ください。

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Hiroki Zenigami|テクニカルライター
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