車旅記:冬の北海道旅2024-2025④ 摩周湖、阿寒湖、屈斜路湖とコタン温泉、〆にオンネトーのアイスバブルと雌阿寒温泉
北海道上陸3日目、弟子屈町の道の駅摩周温泉で車中泊して起きた朝は氷点下13℃の朝散歩をした。朝活でスッキリ目も覚めたところでこの日の旅を始めた。
摩周湖(第1展望台)
厳寒期でも公共交通機関で来ることができる摩周湖唯一の展望台。摩周湖カムイテラスというテラスも整備されたきれいな展望台ですが年末&早朝ということで営業はしていなかった。
摩周湖は約8000年前に富士山のフルパワー換算で16倍の規模の噴火でできたカルデラ湖だ。バイカル湖についで世界2番目の透明度を誇る綺麗な湖です。Wikiを見ていて初めて知ったのですが摩周湖は流入河川がない本当に単独で存在する湖だった。でも湖面の水位はほとんど変動しないらしく、周囲から伏流水が流れ込んでいるからだとかなんとか。そのおかげで河川がない=国土交通省の管轄外、かといって湖に樹木はないから農林水産省の管轄でもないということで誰も管理しないできない、という縦割り行政の弊害を受け、現在も無登記で一応国が管理しているらしい。
現地の言葉では「キンタン・カムイ・トー(山の神の湖)」と言うらしい。
湖の中央にはThinkPadの赤ポッチのような(最新モデルではなくなったらしいけどさ!)、小さな島がある。カムイシュ島(中島)と呼ばれる島でこれもカルデラの残骸。Wikiによると本体は湖面下にどどんと存在している巨大な溶岩ドームでその一部が湖面に出たもの。いずれ侵食でなくなってしまうのかな。
たまたま隣に止めたX3のホイールがおんなじMSWのホイールだった、というどうでもいい情報を添えて摩周湖の話はおしまい笑
屈斜路湖その1 美幌峠
摩周湖のお隣、屈斜路湖。噴火規模は富士山のフルパワー換算で150倍、日本最大のカルデラ湖です。摩周湖のお隣のカルデラ湖ですが、活動時期は有史以前の12万年前で摩周湖の活動時期とは異なる。アイヌ語で「沼の水が流れる口(厳密には喉口)」を意味する「クッチャラ」が訛って当て字になって屈斜路になったらしい。
ちなみに屈斜路湖湖畔から美幌峠までの道は北海道が誇る「秀逸な道」の1つで絶好のドライブコースだ。なお、厳寒期はアイスバーンでウルトラハードな峠道です笑
訪れたときはとりあえず風が強かった。どれぐらい強いかというと遊歩道の柵がヒュルヒュル音するぐらい。魂と体ごと風で吹き飛ばされそうなマイナス10℃の強風。駐車場から展望台までは5分ほど歩くのですが、きつかった😂
ちなみに美幌峠には道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠もあるのですが、もちろん営業はしていません。グリーンシーズンはロケーションも含めとても素敵な場所であることは間違いないです。グリーンシーズンは、ね。(👈️ここ大事)
流石に体がめちゃくちゃ冷えたのでそくさと撤収しました。
屈斜路湖その2 コタン温泉
美幌峠を散策したらめっちゃ体が冷えたので温泉に入って体を温めようと思ってやってきた。日帰り温泉施設ですと営業時間の問題があるので、24時間フリーで入ることができる屈斜路湖湖畔のコタン温泉露天風呂に入った。
コタン温泉の露天風呂、ご覧の通り整備はされていますが、ほぼ綺麗な野湯。外からは丸見えで一応男湯と女湯は別れていますが写真奥でつながっているのでほぼ混浴だ。そういう意味で女性の方はほとんど見かけません。個人的にはオッサン(か、外人さん)しかいないので安心して入れるお風呂です笑
更衣室も掘っ立て小屋的な、入口のドアもない簡素なものなので服を脱いでお湯に浸かるまではめちゃくちゃ寒い。その苦難を乗り越えてお湯に浸かると極楽😇
お湯の温度は43℃ぐらいらしい。気持ちよくて美幌峠でヒエヒエになった体をあたためてくれた。
・・・ただ、コタン温泉露天風呂はちょっと有名になりすぎたのかもしれない。浴槽の脇には酒瓶と、湯船の隅っこには吸い殻と食べ残し?肉の脂身みたいな何かがプカプカ浮いてた😨😭😡
それを見つけた途端すごく気持ち悪くなってそくさとコタン温泉露天風呂を後にした。これならもう訪れることはないかなぁ、と思う。
阿寒湖
摩周湖、屈斜路湖から永山峠を挟んで向かい側(西側)、阿寒湖にやってきました。阿寒湖もカルデラ湖ですが、約17.5万年前の噴火でできたときは東のペンケトー・パンケトーの湖と合わせて1つの湖だったらしい。その後約1万年前の雄阿寒岳の火山活動で湖は分断されて今の形になったとのこと。(Wikiペディアより)
本当は早朝にここに来てフロストフラワー見たかったけど、そもそも今朝は生成されていたのかな、謎。そう思うと日中のんびり来るぐらいでちょうど良かったのかもしれない。一般的にはマリモが有名な湖ですね。
とりあえずボッケを目指してみる。
遊歩道が綺麗に整備されているし踏み跡もたくさんついているので歩きやすい。
「ボッケ」とは何かというと簡単に言うと噴気帯。アイヌ語で「煮え立つ」を意味する「ポフケ」が訛ってボッケとなったらしい。阿寒湖がカルデラ湖で火山であることを意識させるスポットだ。
噴気帯といっても、よくある地獄谷みたいな猛々しい火山の息吹を感じさせる場所というわけではなく、静かにコトコトと煮立っているような感じ。土壌が温泉の弱火で長時間煮込まれて泥となってコポコポ沸き立っている、それがポッケの本体。地面は暖かく床暖房の上を歩いているみたい、周囲は硫黄の匂いが立ち込める。
阿寒湖の遊歩道を歩いてみる。気温が氷点下8℃ぐらいなことを除くと静かで気持ちいい小道だった。耳をすませば遠くに温泉街の喧騒がありそれ以外はほとんど音もしない。時折、アカゲラさんが木を突っつくドラミングの音が聞こえてくる。日常を遠くにおいて無に浸れる瞬間だった。
阿寒湖は基本的に全面凍結しているので湖面を歩くこともできる。ただ見渡してみると踏み跡は殆どなかった。
去年の冬は大晦日に訪れ、ここで年越しそばを食べその後誰もいないお店も営業していないアイヌコタンを散策して終わった。今年は阿寒湖を散策して、今日の本命に移動した。
オンネトーとアイスバブル
阿寒湖の南西にある湖。この界隈はパンケトー、ペンケトーと〇〇湖という名前のつかない湖がいくつかある。オンネトーもその1つでアイヌ語で「年老いた沼」「大きな沼」を意味するらしい。つまり◯◯トーというのは沼とか湖って意味なんだろう、しらんけど。オンネトーももちろん火山に由来する湖ですが、成因は背後にある雌阿寒岳の噴火活動で近所の螺湾川がせき止められてできた堰止湖だ。
※ちなみにペンケトーとパンケトーはそれぞれアイヌ語で「上の湖」「下の湖」を意味する。地理的な意味で名がついたらしい。
厳寒期のオンネトーまでのアクセスは徒歩。冬季は道道949が通行止めになるからだ。幸い、その約2km手前の雌阿寒温泉とオンネトーや阿寒富士・雌阿寒岳登山者用駐車場までは自家用車で来ることができる。駐車場に車を止め、早速雪山散策装備にチェンジして歩く。
行きはオンネトー自然散策路を歩いた。林道だ。
幸い、厳寒期でも結構人の往来があって踏み跡はしっかりできていたので迷いようはなかった。熊の心配もないし平和な雪上ハイキングだ。出発時点で午後1時を過ぎていましたが、これなら日が落ちても余裕で帰ってこれる。(もちろんヘッドライトは準備してきた)
深い森
オンネトーの森は深く、静かだった。
周囲は自分ひとり。時折鳥が鳴く声と、木に積もった雪が落ちる音が静かに聞こえてくる。ちょっとエクストリームな森林浴だ。本当に気持ち良い。なお、三脚込みで撮影機材背負って歩いてるとめっちゃ暑い。最終的に上着を脱いで腕まくりして歩いたのはここだけの話だ(外気温は氷点下10℃なので湯気で人間蒸気機関車になった)
・・・写真を撮りながら小一時間歩いた先でオンネトーに到着
白と青の世界。
オンネトーの湖面は全面凍結していて雪が積もっている。踏み跡もたくさんあった。ちなみに厳寒期のオンネトー、全面凍結しているというのは実は語弊があってオンネトー南東の一部は凍ってない箇所があるのでそのエリアは接近🆖だ。湖に落ちたら晴れているとはいえ気温氷点下10℃、多分低体温症と凍傷で死ぬ。
早速アイスバブルを探して散策開始。
ただ、闇雲にほってもオンネトーのアイスバブルは見ることができない。結構ピンポイントに発生しているのがオンネトーのアイスバブルだ。
雪を掘りながら途方に暮れていたら阿寒富士登山の帰りという2人の登山者がやってきて、最終的に一緒にアイスバブルを探すことになった。幸い、彼らはアイスバブルを見るためにブラシとお湯を持参していた!!(個人的にお湯はともかくブラシを持ってくるのを忘れていた)
紆余曲折あってお目当てのアイスバブルにはたどり着けた。
そしてみんなの力を合わせて取った写真がこれ。
フルサイズミラーレスの標準ズーム域だとどうしても被写体深度の関係で立体的なアイスバブルのピントが合いづらい、それを見越して超広角レンズを持ってきていた。そのおかげで撮りたい景色がバッチリ撮れた。本当にここで出会った二人には感謝感謝だ。またいつか、この界隈で出会えるだろうか。
不思議な自然現象ですよね、アイスバブル。湖底で生じた泡が湖面に上がり切る前に凍ってしまう、それぐらい急激に寒くなったことを意味するのだろう。平べったいのは凍るまでに少し長めの時間がかかって泡が滞留しながら凍ったのはわかるけど、泡のように球体に近いアイスバブルは一体どれぐらいの速度で凍ったのだろうか、面白いね。
駐車場で2人とは別れ、彼らは帰路に、自分は冷えた体を温めるべく駐車場横にある温泉へと足を運んだ。
お湯は源泉温度約46℃の含硫黄-カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(低張性中性高温泉)、という超長い名前のついた泉質のかけ流し!。うっすら乳白色のお湯で、口に含んだ感じ結構しょっぱかったけどカルシウム感は薄かったかな~。ただ、石鹸が全然泡立たなかった笑
オンネトー界隈は見たい景色もバッチリ見れて温泉も超良かったので大満足の散策でした。
・・・その後、ギューンと愛車を走らせること90km!釧路市に移動しました
幣舞橋の近所にあるコインパーキングで車中泊。この場所、釧路河畔駐車場という駐車場なのですが繁華街近く&直ぐ側に日帰り温泉施設あり、釧路市のど真ん中で一晩止めて1650円というお値段が気に入って良く車中泊で利用する駐車場です。
この後釧路市の夜を散策することになるのですがそれは次のお話としましょう。