結婚10年目、セックスレスになった夫婦の体験談
私は40代既婚者の男。
嫁とはもともと中学からの付き合い。10代からずっと付き合い続けてたわけでは無く、いろんな女と付き合い、最後本気の女に振られ、傷心のまま腐れ縁の嫁と結婚。30歳だった。
一応恋愛婚ではある。お互い長い付き合いなので、価値観も似てるし、結婚して一緒になることは自然の成り行きでもあった。
私は20代をずっと音楽に生きた。ローカルラジオ番組にも出たり、有名なアイドルと付き合ったり、浮かれたこともあった。しかし夢であった音楽の仕事は鳴かず飛ばず。結婚を機に自分の才能に見切りを付けた。その為に結婚したのか、と今は思う。そして私は、アルバイト経験のある飲食店の道へ進む。
嫁は、私のような自由奔放で自分らしく生きる在り方を認めてくれていた。結婚と同時に居酒屋を経営し借金を抱えながらボロ屋みたいなところに2人で住んだ新婚時代。雨が降った日には、上から雨漏り、水嵩が中にまで侵入する本当に酷い家だった。そんなボロ屋で嫁は嫌がっていたけど、私はその時代が懐かしく愛おしい。いろんな事がうまくいかなかった時期なのに、今なら楽しかったと言える。
〜
高校2年生の頃、今の旦那に告白された。最初告白された時は、他に好きな人が居たので断ったけど、その一年後に結局付き合った。まぁ長くは続かず、別れたり、くっついたりを結婚するまで繰り返していた。私達が30歳手前の頃に、旦那は音楽活動繋がりの歌手と付き合っていた。その歌手の事務所に交際反対された為に別れる事になったと聞いてる。
その頃の旦那、ボロボロに傷付いてるのバレバレで、私に癒しを求めてた。そして私も、この人には私じゃないとダメなんだろうなだと思った。結婚しても、飲食店で働くアルバイトの女や、客との浮気も沢山されてきた。でも、私はこの人の全てを知ってる。浮気癖がある事も、一人っ子で幼少期はおばあさんに育てられた彼は、人には見せないけどとても寂しがりやで、昔から愛情に飢えてる事も。だから浮気は一言苦言を刺すに留め、あまりうるさく言わなかった。必ず戻ってくるのわかっていたから。
旦那は私の事が好きでしょうがないのだから。
店を構えて3年。経営が回らなくなり、従業員にも給与が払えなくなった。居抜きで建てたわけではない店。まだ借金も沢山ある。
この夫婦が決断した答えは逃げであった。
私達夫婦は、心機一転新しい土地で、また貧乏暮らしを始めた。戸建の木造。貧乏暮らしだが、今度そこ、この家では幸せになりたい思っていた。子供をもって自分たちの家庭を作ること。しかしなかなか恵まれず、妊娠はしたが、流産という悲しい思いを2度も体験した。
そして私は、人生で二個目の店を構える。
前回潰した店の4分の1程度の小さい規模だ。それでもカウンター席10席、テーブル2席はあった。もう少し小さい所を探していたけれどそういった自分が思う丁度良い物件は見つからなかった。だが、そうだ。ほんとは最初からこういう感じでやりたかったのだ。
やがて、この店は土地の人にも受け入れられ、店同士の付き合いも広がった。そうすると客も付き合いのある店を回転する流れになる為、客足の波がなくなる。
又、若い女のアルバイトを入れると売り上げが驚く程跳ね上がる事が分かった。
その頃、第一子に恵まれそのまた数年後に第二子も誕生。4人家族となった。
38歳、全て順調だった。
しかし、2人目が生まれてから嫁は私を拒むようになった。下の子も3歳になり、4年近く嫁とセックスをする事はなかった。
〜
結婚してもうすぐ10年、2人目を授かる事になった。旦那は相変わらず年に数回、単発の浮気を繰り返すものだから、旦那に対して性的な不快感が染み付き、最早諦めを感じていた。子供が授かったあとはもうセックスしなくていいかなと思うようになった。そして、飲食店の旦那を持つ事はどういう事か分かっていた筈なのに、ワンオペ育児にも疲弊していた。旦那は酒を飲んで深夜2〜3時に帰ってくる。
2人目が生まれればそのうち私は職場復帰し、2人の子供の朝の送り、帰宅すれば育児に家族4人分の家事に追われる。
そこへ旦那が酔っ払って疲れて寝ついてる私の胸や尻を触って起こす。
いくら旦那とは言え、まるで他人による痴漢行為と同じくらいの嫌悪感が湧くのだ。
そして無事に2人目が生まれ、想定していた日常がやってきた。子供の成長に待ったは無し、又親の老後についても考えなければならず家をそろそろ買おうという話もするようになった。
〜
嫁が私を拒む様になってから、私は再建させよう努力した。45歳までに家を買い、嫁の両親に同居してもらう事も嫁のためでもあるし、私達夫婦の仲もこんなんでは自分の幼少期を繰り返すようで子供達が可哀想だからだ。
そう、レスになり始めてから夫婦間が少しずつ悪化していった。叫び散らす様な喧嘩を、まだ幼い子供の前でする事もあった。
私が店を休みの時、付き合いのある店に家族で飯に行くのだが、その様子を見ていた店主から『お宅んとこ、嫁と全く会話しないね』と後から話題にされた事があったので嫁には、外での振る舞い方について気をつけるよう言った。
しばらく夫婦間もこんな調子で、私の再建は四年目に差し掛かっていた。いまだに嫁とセックスどころか裸すら見せるのを嫌がる。