なんちゃって米国税務コンサルをした話
僕は大学で行われている英会話の活動に毎日参加しているのですが、そこにはアメリカのテキサス出身の先生がいます。その先生は日本で働き日本円で所得を得ているものの、米国には全世界所得課税という税法ルールがあるために、毎年IRS(米国国税庁)に確定申告をしないといけません。
※(ちなみに米国での確定申告書提出期限は毎年4/15なのですが、その件について触れた時先生は「誰も私のことを見つけられないわ!私は自由よ!」と仰っていました。関係上はただの先生と生徒ですが、Statements on Standards for Tax Service(SSTSs)や、Treasury Department Circular No.230(財務省通牒230号)の倫理規定に基づき、依頼人に対し迅速にその旨を伝える義務があると判断したため、一応、「速やかに提出しときましょ!」とだけ言っときました。)
まとめると、昨日の授業で僕がアメリカの公認会計士資格でinputした米国税法の知識を用いて、個人的な税務アドバイス(foreign tax credit(外国税額控除)、child tax credit(子女税額控除)等なども)をしてあげた、という話です。
Form2555?なんやそれ
米国公認会計士試験は4科目から構成されており、そのうちの1つがビジネス法関連法規、特に米国税法です。米国には年末調整というシステムが無いために、所得税課税対象者は自身で毎年確定申告をしなければなりません。個人であれば、Form1040と呼ばれる書類に自身の所得やらギャンブル損失額(利益を上げた分まで控除可)やらを転記していきます。その他の事業形態例えばパートナーシップや有限責任会社、無限責任会社、合同、合弁、合資会社などであれば、それぞれの形態に応じた申告書を提出します。ex)Form1065,1120,1120s
そういったスタンダードなものや性質上不変的な税法論点は試験にてよく問われるのですが、2017年に制定されたトランプ税制みたいな、政権によって頻繁に控除額とかの値が変わるような単元や、移転価格税制のようなマイナー論点は出題頻度が低いわけです。ですのでCPAはForm○○を網羅しているわけではないのです。知らない、あるいはわからなかったらIRSから調べて後は頑張ってね!という感じなわけです。
話を戻すとその先生は、Form2555と呼ばれる、外国所得申請書の記載方法に関して疑問があるようでした。たしかにIRSから2022ver.のForm2555を参照してみると、そこには黒字で「米国外で受け取った所得額をドル換算しろ」との記載が。どうやら先生は、いつの時点の為替レートを用いれば良いのかがわからなかったらしい。僕はIRSのサイトから該当部分を見つけ、2022年の所得計算に必要とされる適切な為替レートを計算方法と共に教えてあげました。(2022年は1ドル131.454円、2021年の適用レートは1ドル109.817円。円安すごいな。)
まとめ
結論としてこれらのことから分かったのは、円安になればなるほど、算出される米ドルの課税所得額は低くなるので、結果的に節税に繋がるよね、ということです。日本で働くアメリカ人にとって、円安がもたらす効果は物価だけではないんですね。逆も然りです。
おわり。
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