PRO版 イスラエルの医療マリファナとGoogleのWEB監視のレベル
マリファナ研究の父 ラファエル・メコーラム博士
マリファナ研究の父ラファエル・メコーラム博士は、科学的見地から医療大麻の利点を説く。大麻を服用したのは、長い人生の中でたったの一回。長年の研究から、大麻の化学的欠点もわかっている。彼は、大麻にまつわる社会的側面にはほとんど関心を持たず、それは社会学者の仕事だ、と切り捨てる。
伸びゆくイスラエルの医療マリファナ(大麻) 産業
GoogleのCEOエリック・シュミットは、イスラエル人の起業家たちが成功しているのは、権威に挑み、全てを疑問視し、規則には動かされないからだと考えている。「科学やテクノロジーの分野でイスラエル人の影響は計り知れない」と大勢の人々の前で語った。2015年、イスラエルのワイツマン研究所でのことである。(ラファエル・メコーラム博士が在籍するCBDとTHCの分離に成功した研究所)
シュミットの発言は、イスラエルのハイテク事業とスタートアップ企業だけに当てはまるわけではない。始まったばかりの医療マリファナ(大麻)産業も同様である。有機化学者から起業家に至るまで、イスラエルの医療大麻分野にいる人々の成功の理由、少なくともその一部は、ほぼ全員、イスラエル文化によるものだろう。規則を曲げること、そして「ノー」と言われてもただ単にそれを受け入れず実行する方法を自身で見つけるというものだ。
1964年、ワイツマン研究所のラファエル・メコーラム教授は警察署近くを訪れた。学術研究のためのハシシ1袋を手に入れるためだ。メコーラムはバッグに詰めた5キロのマリファナと共に警察署を離れ、公共バスで研究所に戻った。他の乗客は、彼のケースから匂ってくる良い香りを不審に思った。
「私たちは法律を破っていたことが判明しました。保健大臣による承認が必要だったのです。」 85歳になるメコーラムはこう語る。彼は保健省を訪れて謝罪し、そこで彼の生徒数人とコーヒーを飲み、そして自分の研究を続けた。その出来事は不問になり、メコーラムは手にした元のハシシのバッグから、カンナビスの精神活性成分テトラヒドロカンナビノール(THC) を発見した。
「規則を曲げる」 というイスラエル文化は今日も続いており、医療マリファナの科学、技術、栽培をイスラエル人が牽引している。この分野でのイスラエル人の成功は、部分的かもしれないが、科学者の研究や薬物テストがどんどん緩和されていることによるものだろう。「研究室では、ハシシの研究室への持ち込みや持ち出しが問題になりません。管理的な問題もないのです。研究者としての私に、何をすべきか命令する人はいま せん」 とメコーラムは説明する。「教授というのは、自分が科学や医学のために重要だと思うことを、ただやるだけなのです。」
しかし、イスラエルの科学者たちが満喫する「自由」 は、他の国に必ずしも広がっていない。メコーラムは、アメリカとイスラエルにはかつてマリファナ研究に関する同じ法律があったと明らかにした。しかし技術的なことを言えば、イスラエルでのカンナビス研究の方がより簡単だった。規則を曲げられるからだ。往々にしてイスラエルの規則はより流動的だ。文化的規範により、信頼を得たり他人を受け入れたりするために家族や友人など内部ネットワークを利用することが許可されているからである。メコーラムにとってこれこそが、彼が非常に簡単にマリファナを手に入れられた理由である。「ワイツマン研究所の所長が警察の誰かを知っ ていたのです。所長は彼らを呼び、私のことを信頼できる人物だと述べました。」メコーラム教授は幾つかの書類に署名をし、それからは彼の道を歩んだ。
アメリカでは、煩雑でややこしいお役所仕事が、(米国の規制物質法で) スケジュール1に分類される薬物のマリファナを、「研究」 ですら抑止する結果となっている。手順に従ったとしても、アメリカでカンナビスの 研究を行うことは実際は不可能だとマコーラムは述べる。関係機関と政府からの許可が必要だからだ。マコーラムにとって、これは学者のための環境ではない。「警官が扉に立ち生徒を見つめることを許す教授はいま せん。だから現段階では、カンナビノイドの薬物を市販する大手アメリカ企業が1つもないのです」とマコーラムは説明する。(ただし、24の州は医療マリファナを合法としており、嗜好用品としての使用はアラスカ 州、コロラド州、オレゴン州、ワシントン州、コロンビア特別区で合法である。)
イスラエルの「規則曲げ」 と研究の結果、医療マリファナを研究し試験を行う利点をイスラエルの議員たちが理解し始めた。最近、ウリ・アリエル農業大臣は、医療マリファナを輸出する計画を発表した。 ヤーコ フ・リッツマン保健大臣が、著しい医療マリファナの規制緩和を承認した2ヶ月後のことである。癌、てんかん、クローン病、エイズ、トゥレット症候群、多発性硬化症に苦しむ23000人のイスラエルの患者が、リッツマンの計画により、さらに容易に医療カンナビスを利用できることになる。法案ではまた、イスラエルでの医療マリファナの栽培、処方、投薬に関する制限を無くすとのこと。ほとんどの人に歓迎されている動きだ。 汚名を着せられることも少なくなるし、未だ一般的ではないより多くの薬物臨床試験につながることだう。
この分野の潜在的成長に投資家は注視している。2016年3月、イスラエルでのCannaTechカンファレンスで、民間大麻研究ハブのCEOソール・ケイが、2014年以来、イスラエルの医療大麻特許のライセンスに5千万ドル を超える額が投資されていると発表した。「私は来年には1億ドルに達すると見込んでいます」と彼は明言した。
先週、別の国際医療大麻カンファレンス「Cann10」 では、医療マリファナ分野の研究、技術、栽培、そしてビジネスチャンスについて、業界の専門家と学ぶ機会が用意されていた。
イスラエル人が「ただ単に『ノー』を受け入れない」 という姿勢を保つ限り、そして議員がそれに従う限り、イスラエルはここ数年、医療マリファナのメッカとして繁栄し続けるだろう。 記事(英語)はこちら
エリアナ・ルーディー / JNS.org
この記事のライターさんです(;´Д`)
Eliana Rudeeさんは、Franklin Center for Government & Public Integrityの寄稿者です。スクリップス大学を卒業し、国際関係学とユダヤ研究を専攻。彼女の@ellierudeeをフォローしてください。
では、GoogleのCEOエリック・シュミットと大麻解禁ライターのイスラエル人の文化の美徳をまとめてみます。
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