20200219 シガレット・ホメオパシー

 紙巻煙草というものが禁葷食の一部に属していたとして、それのどこが可笑しいのか。それらは押し並べて健康にいいと言っても過言ではないのだ。人道というメインストリームを横行闊歩する俗世人の正論は、僕のような世捨人では聞くに耐え難い。僕の台詞は全てが間違っているのだから、どうか憤懣は壁にでも打つけていただきたい。
 現代に於いて、我が身を守るべくの手段を模索すれば、喫煙行為より安全な術はないだろう。勿論、第三者への配慮の上で行うことが絶対の条件である。JTの言詞を蔑ろにしてはなるまい。長いものには巻かれるべきだ。
 昨今のアニミズム大国日ノ本を蹂躙せんとする新型うんたらウィルスや、例年通りに瀰漫の可能性を秘めたインフルエンザとの大戦を無手勝流に収束させるべく、僕は就業を終えるとハイライト・メンソールに火を点けた。
 赫々と燃ゆる煙草葉での熱消毒を済ませ、アセテート・フィルターでの濾過を受け不純物を排した外気で呼吸をする。何と澄んだ空気だろう。岩清水の如き純度である。
 僕の身体は健康を維持している。気管支炎を出処にした咳嗽と多少の嘔気は未だ止む気配を見せないが。
 これは誤謬などではない。これはホメオパシーである。

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無様散太郎
映画観ます。