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ロイ・アンダーソン監督『さよなら、人類』ミニマルでシュールな北欧コメディ


<作品情報>

スウェーデンの奇才ロイ・アンダーソン監督が「散歩する惑星」「愛おしき隣人」に続く「リビング・トリロジー」3部作の最終章として4年の歳月をかけて完成させ、2014年・第71回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した不条理コメディ。面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンのサムとヨナタンは、行く先々で様々な人生を目撃する。ワインを開けようとした男が心臓発作を起こして絶命するが、妻はそれに気がつかない。また、臨終寸前の老女は宝石が詰まったバッグを天国に持って行こうとして手放さない。一方、18世紀のスウェーデン国王率いる騎馬隊が、現代のバーに現われる。ブラックでシュールなエピソードの数々が、細部まで緻密に計算され尽くした絵画のような39シーンで語られる。日本では、14年・第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で上映されている(映画祭上映時のタイトルは「実存を省みる枝の上の鳩」)。

2014年製作/100分/スウェーデン・ノルウェー・フランス・ドイツ合作
原題:En duva satt pa en gren och funderade pa tillvaron
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2015年8月8日

<作品評価>

70点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

上村
初ロイ・アンダーソン。シュールなコントみたいで面白かったです。究極的にミニマルでオシャレ。特別好きな作家にはならなかったけどなかなか楽しめました。
全てスタジオでのセット撮影、マットペインティング(ハリウッド全盛の時代に使われた絵で建物や風景を描き撮影する方法)を用い、4年がかりで完成させた作品だけあり、こだわりが半端ないです。
原題は長くて「実存を省みる枝の上の鳩」という意味らしい。どういうことなんでしょう…
おもしろグッズを売り歩く二人が可愛らしくて、最後にはほっこりしました。

吉原
この作品がどんな作品か言葉に表現するのが難しいです。あまりにもシュールで不思議な世界が繰り広げられ、何を伝えたいのかも理解できない。
しかし、100分間飽きることなく画面を見続けてしまう。終いには「何を見せられていたのか」と思いますが、それでいいだと思います。表現するなら「熱が出た時の夢」のような作品とでも言えばわかり易いかもしれません。とにかくシュールです。
この監督の作品を鑑賞したのは初めてですが、どこかウェス・アンダーソン監督の映画やパルム・ドールを受賞したリューベン・オストルンド監督の「ザ・スクエア 思いやりの聖域」のような雰囲気を感じました。彼らの映画の世界観が好きな方にはぜひお勧めしたい作品です。

<おわりに>

 ウェス・アンダーソンのような作り込んだ映像が好きな人は必ず好きになる、愛すべき作品だと言えるでしょう。

<私たちについて>

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