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ダクト火災(ビル火災)について

空調された空気の搬送や外気のフレッシュな空気を取り込んだり、室内の汚れた空気を室外へ排気するなどに使用されるダクトについて
ここ数年で、ビル火災(ダクト火災)対策としてダクト清掃を行う機会が
多くなってきましたので記事にしようと思います。



ダクトとは??

ダクトとは、気体を運ぶ(搬送する)管であり、主に建築物内で空調、
換気、排煙の目的で利用される。エアダクト、導風管、通風管と
言われることもある。
色々な形状(角型、丸形、楕円など)、材質(鋼板、SUS、塩ビなど)で
作成される物だが、空気を搬送するといった目的は変わらない。

ビルの中で使用されているダクト。
大まかには、空調用ダクトと厨房用ダクトに分類されます。

空調用ダクト

空調用ダクトには、
・SA(給気)、RA(還気)と言われる空調された空気を搬送するダクト
・EA(排気)と言われる室内の汚れた(二酸化炭素や微量のガスなど)
 空気を室外へ搬送するダクト
・OA(外気)と言われる外の空気を室内へ搬送するダクト
・SEA、SM(排煙)と言われる火災発生時の発生した煙を外部に放出する
 ために利用されるダクト。などがあります。

厨房用ダクト

厨房用ダクトは、排気ダクトの一種であるが、その名の通り厨房で
使用されるダクトです。
厨房で発生する料理の臭いや、油分を多く含んだ空気を搬送するため、
汚れがつきやすく油が固着するため、こまめに清掃が必要となります。

ダクト清掃とは?

ダクト清掃とは、<ダクトの内部を清掃する>こと。
そのままですが、ダクト内部は通常では見えません。
ダクトの内部の汚れは、見えないという理由で、清掃する機会も少なく、
放置されることが多く、粉塵やカビ、油分の付着が多く見られます。
部屋内での仕事中、そんな空気を吸っていると考えると。。。
健康被害の発生や仕事効率が下がりそうですね。


空調ダクト

空調用ダクト清掃とは

サイズの大きいダクトに関しては、人が直接入って粉塵や汚れ、カビなどを
除去します。
掃除機器(お掃除ロボのような)と集塵機(大きな掃除機)を使った
清掃方法もあります。
空調用ダクトは、粉塵や粉塵に付着したカビが汚れのメインであるため、
清掃により大半を除去することが期待でき、奇麗な空気環境になります。


厨房ダクト

厨房用ダクト清掃

基本的には、油分が汚れのメインです。こびりついた油分も多く、
薬剤やスクレーパーなどを使用して、ゴシゴシと清掃することが
多くなります。
空調用ダクト清掃よりも、単価が高くなるのが一般的で、
また、今まで清掃していないダクトだと、1回で全てを取り切る事は
困難な場合が多いです。

ここで、怖いのは厨房用ダクトが、ビル火災の要因の1つになるという事。
古くても、固くこびりついていたとしても、油は油。
着火してしまえば、燃え広がるのみです。
もちろん、ダクトの前にグリスフィルターといった油の捕集を行う設備も
ありますが、すべての油分を捕集することは出来ません。

清掃周期や清掃実施のタイミングは?

空調用ダクトの場合
JADCA<日本空調システムクリーニング協会>というダクト清掃を
推進、管轄している協会があります。
そこでは、3.0g/m2(1m×1mのなかに3g)の粉塵があった場合と
記載がありますが、ビルの管理者の方は測定できるのかな??と、
思っています。
ダクト内部って見えませんので。。。

清掃実施の時期、タイミングとして
簡単な目安として
・部屋内の吹出口の周りが黒ずんできた(黒ずんでいる)
・空調運転時または運転開始時に、吹出口より埃(粉塵)が降ってきた

上記の様な現象のどちらかがあれば、ダクト清掃を推奨します。

清掃の周期としては、環境や使用状態にもよりますが、
5年~10年に1回が妥当と思われます。

厨房用ダクトの場合

JADCAに記載がありますが、油塵厚みが100μmになったとき。
これも空調用ダクト同様に、測定しないのでは?と思います。

清掃実施の時期、タイミングとして
簡単な目安として
・厨房フード内部や天井のダクトより油が染み出ている(染み出してきた)
・いつ厨房ダクトを清掃したかわからない。(数年以内で)
・退去や入店などの飲食店舗の入れ替わりの際

上記の様な場合に、ダクト清掃を推奨します。

清掃の周期としては、環境や使用状態にもよりますが、
1年~3年に1回の依頼が多いです。

まとめ

厨房用ダクトは、空調用ダクトに比べ、汚れ方が酷く、清掃が困難な
場合が多いですが、ビル火災の要因になり得るため、日々の清掃や
定期的なダクト清掃を強くお勧め致します。


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