起業家シェアハウス歴代最速で事業設計? Heimat賞受賞者に聞く、 速さの裏に隠された経営思想
ー自己紹介をお願いします。
善正結也です。97年生まれの23歳です。
趣味はサウナとラーメンを食べることで、週2回は二郎もしくは家系を食べています。最近は太ってきたのでダイエット中です。(笑)
ー最近興味のあることはありますか?
最近はビジネスですね。スタートアップの情報とか、流行りのビジネスの情報収集とかするのが本当に趣味みたいな感じです。
それが楽しいので、最近はそれ以外何にもしてないです。(笑)
ーインプットを大事にしているんですね。
そうですね。
情報収集とか趣味のうちでできちゃうこともありますし、本とかもよく読みます。
実は以前はアウトプット主体でやってきている人間でした。その時はインプットをおろそかにして、ひたすらアウトプットしてスキルを磨くみたいな。
でもそれだと限界があって、アイデア出しとかクリエイティブなことをするのって自分の中にあるものからしか出ないのかなと思って。
なので最近は本読んだり情報収集したり、インプットすることは毎日やっています。
ー起業家シェアハウスでの1日の流れを教えてください。
朝起きて、まずエスプレッソを抽出するところからコーヒーを作ります。
シャワーを浴びて、コーヒーを飲みながら仕事を始めます。
生活リズムとしては、10時には就寝して5時起きしてます。
早寝早起きは成功者に多いんですよ。(笑)
なんでかわからないけど。
もともと僕も朝型で、その成功者の習慣に倣ってやっています。(笑)
ー先月のカンファレンスではどんな事業をプレゼンしたのでしょうか。
社会人とか大学生が、人との出会いまたは新たなコミュニティとの出会いが気軽にできるようなプラットフォーム/サービスをプレゼンしました。
ー事業構想はどれくらいからあったのでしょうか。
まず、僕の中でこの事業はメンタルヘルスの領域だと思っていて、そのメンタルヘルスの領域にしようと思ったのは12月の中旬くらいでした。
「Why You」というか、僕が本当にやりたいことがその領域っていうのがもともとあって、いつやろうかなみたいに思っていました。
それで「今やろう」と決めたのが12月の中頃くらい。
12月の中頃から今の事業とは少し違う、メンタルヘルス系(マインドフルネスとか瞑想とか)の事業の構想を練っていました。
その後今の事業にピボットしたのが1月の最初くらいというイメージです。
ー起業家シェアハウスに住み始めた10月ごろはまた違った事業についてプレゼンしていましたね。そこから事業を転換するきっかけについて伺えますか。
そうですね。一番最初10月に入居を始めたときにやっていたのは、とりあえず "稼げそう" っていう基準で考えた事業でした。
課題も見つけていたし、「これをやれば稼げるだろう」みたいなのがあって、起業家シェアハウスに入って一番最初はその事業をローンチしました。実際に使ってみたみたいなお客さんもいました。
でもそれをやっていく中でしっくりこなかった。面白くないというか...。
事業をどんどん大きくしていくために、どうスケール性を出していくかみたいなこともたくさん考えないといけない中、モチベーションが全然続きませんでした。
その結果、「自分は単純にお金を稼ぐ事業をやるっていうのは厳しいのかもな」と思うようになって。
そこから違う事業を7~8個くらい考えてMVP検証をやってみました。
その中でも半分はお金稼げるとか自分の持っているリソースを活かせるとか、自分が有利になる事業を考えていました。でも結局、「これ厳しそう!」って壁にぶち当たったときに、他のアイデアに変えようとする自分がいたというか。
つまり最初にやっていた事業は「Why You」が弱かった。
そして僕はもっと自分の "自己実現" 的な部分を大事にしたいと思いました。
今やっている事業は本当に人生をかけてやりたいことって言えます。
だからたとえスケール性が見えなかったり、「きつ、無理だ」と思ったり、厳しいことがあっても、それに負けないで打開策を考えることが全く苦ではありません。自分がやりたいことだから。
ー入居して最初の頃「やりたいことのためにまずお金儲けが必要だからその布石としてこのサービスをやる」みたいなことを言っていましたね。
そうそう。もともとメンタルヘルス系をやりたいのはずっとあって、それをやるためにまずお金儲けをしようと考えてました。
でも「お金を稼ぐ」という目的のためだけには、モチベーションが続かない部分があったり、結局最初から寄り道せずに自分の本当にやりたいことをやった方が早いんじゃないかって思うようになりました。
その当時は自分のやりたいことだけで収益を出し続けるのは難しいから、安定してお金が稼げることをやった上で自分のやりたいことは慈善事業的な立ち位置でやろうと考えていました。
でもやりたいことでも、ちゃんと考えればお金を回す仕組みは考えられるじゃんって思って。
だから今後は、慈善事業としてではなく、お金と同時に自己実現をしていけるような事業として成長していきたいですね。
ー善正さんは、起業家シェアハウスの中でも事業の切り替えとか進捗が早い印象があります。早さの秘訣はありますか?
うーん...2つあるかな。
1つが、アイデア段階で考え尽くすみたいな部分かな。
徹底的に関わる関係者のニーズを調べるとか、ヒアリングとかもナンパみたいに駅前でやったりだとか、後回しにされやすいマネタイズも徹底的に考えて、
アイデア段階でほぼニーズもあるし事業構想も完璧に練り尽くして、これ以上無理だっていう状態まで考える。
そこまでできれば、あとはただプレゼンであればパワーポイントにアウトプットするだし、プロダクトであればそのUI/UXとか実際のモノに反映するだけっていう。
だから、アウトプットに取り掛かる前にはすでにほぼ完成されているみたいな。
考えることにはめちゃくちゃ時間を使いますし、そこに普通よりも多く時間をかけている気がします。
後もう1つが、徹底的なスピード感重視。
スピード感は、僕の根底にあるものですね。
絶対にスタートアップはスピード感がないといけないと思っているから、
考えるのも、ちゃんと自分で制限を設けてその制限の中で死ぬほど考える。
ー起業家シェアハウスに入居前と後だと、その大切にしている「考え尽くすこと」や「スピード感」が変わりましたか?
それはめちゃめちゃある。
起業家シェアハウスの特徴として2つポイントがあって、
まず1つ目は、「みんなも頑張っているから自分もがんばんなきゃ」って思えること、つまり周りに感化される環境があるっていうこと。
2つ目は、帰ってきたらいつでも起業家の人たちがいるから、自分のアイデアをアウトプットしたり相談したり意見聞いたりできるっていうこと。
この2つは大きいと思います。
チームメンバーの方も起業家シェアハウスに住まれていましたね。
そうですね。
やっぱり一緒に住みながらやるのがベストだな、と思った1ヶ月でした。だからこそ生まれたスピード感もありますし、僕1人ではできないスピード感で今は走れていると思います。
仲間集めで意識していることは何ですか?
「ビジョン」への共感です。
ユニコーン企業として世界中にプロダクトを届けて、苦しんでいる人を1人でも多く救うみたいな。
人によっては、こういうのってダサいとかくさいと捉える人もいたり、「時給っていくらですか?」って聞いてきたりする人もいる。でも、僕はまず自分のやりたいことに対して原体験を持っていたり、共感してくれる人、そして夢に対して一緒に燃えてくれる人、そんな人をチームとして受け入れたいと考えています。
今は事業も組織も初期のフェーズなので特にそこは意識せざるを得ないですね。
組織マネジメントで大切にしていることはありますか?
そうですね...
僕は基本的に期待をしないようにしています。
特に最初の方は、全部僕ができる範囲内で、僕のキャパ100の中で、タスクを振ってやってもらうようにしています。
つまり、最初1ヶ月くらいは僕自身でもできる仕事をやってもらってる感じです。
その人に依存度が高まる仕事はあまりやらせないというか。
そうすれば、たとえチームの誰かが飛んだとしても自分で補えるし、責任も取れると考えています。
でも、基本的に「この人いいな」って思った人が辞めることは少ないです。
最初様子を見て、関係性が深まってある程度任せられるという確信が持てたら、その人しかできない仕事とかも任せていったりします。
僕自身、"ジェネラリスト" というか...
開発、デザイン、基本的なツールまわり、マーケティングや営業、ビジネス設計といったことがある程度できるので、自分のできる範囲の一部を切り離して人に任せるということがしやすいです。
"ジェネラリスト" としてやっていけるようになったきっかけなどありますか?
以前、1年8ヶ月ほどスタートアップに勤めていました。
そこの代表の考えが「全員が経営者であれ」というものでした。
経営者は全部1人でもできる状態にした上で人に任せていくべきみたいな価値観を、そのスタートアップで学びました。
そこでは、いる人全員が全ての部署をカバーできるみたいな仕組みが作られていました。
僕はその会社のマーケティングにいたのですが、動画編集とかデザインとか法人営業とか、マーケ以外のこともやっていました。
この下積み時代があるからこそ今の僕があると思います。
今後経営者として伸ばしていきたい部分はありますか?
再現性を持った事業の立ち上げからグロースをやりたいというのは1つあります。
っていうのも、僕は別に1個の事業をずっとやって、IPOして、お金儲けて、自由に暮らしたいみたいなところは全くなくて...
今やっている事業も将来的には今のインターンとかに任せて、
自分は違った事業をどんどん立ち上げて、同時にいくつも事業が走っているみたいな状態を目指しています。
だからこそ、立ち上げからグロースに再現性を持たせることが大事だと思っていて、
例えばそれができれば、自分の会社やそのグループ内でユニコーンが5社あるみたいな状態もあり得る。
その状態までいくことが目標です。
そして、それぞれの会社が利益を上げて、その資金力を1箇所に集めて、それぞれの組織のトップと僕が集まって、世界の抱える負の問題(教育とか貧困とか人種とか)を解決していきたいです。
今の事業も再現性からグロースというところにフォーカスするようにしています。
あなたにとってスタートアップとは?
「人生」です。
その道で生きると決めたというか...
死ぬかうまくいくか、っていうのをスタートアップというフィールドでやるということをもう決めているので、
僕の人生はこれから先もスタートアップと共にあると思っています。
あなたにとって起業家シェアハウスとは?
抽象的になってしまうけど...
「若手起業家が来て絶対損しない場所」です。
もちろんその人次第でもありますが、今やっている事業や今一緒にやっているメンバーに出会えたのは起業家シェアハウスのおかげだし、出会いが本当に広がったのもここのおかげです。
生かそうとすればするほど、本当に来て損がない。
個人的には来ない理由はないと思ってます。
起業を目指している人には、起業家シェアハウスでの自分の経験/体験を踏まえた上で、お勧めしたいです。