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禅 × ビジネス

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このマガジン「禅×ビジネス」では、20年になる禅の修行の経験を踏まえて、禅とビジネスに関する学びについて、つづっていきます。10,000時間以上のメンタルトレーニングやコーチング…
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#仕事

【禅を仕事に活かす】 気づいたときに問題は成仏している 偏った心から中道へ

最近、仕事でオンラインでの会議が増えてきました。Zoomで会議に参加していると、自分の姿が映るのが面白いです。 先日、会議が進んでいく中で、ずっと自分の映り方が気になっていました。 髪型をいじってみたり、表情を変えてみたり。こんなにも自分のことが気になるのだということに気づかされました。 全員の中で、自分だけが浮き上がっているような感覚。周りでは無く、自分へのフォーカスが圧倒的に強かったのです。私の場合は、大勢の中にいるときほど、孤独を感じます。上手く周りに溶け込むこと

禅語「発菩提心」 生きることが仕事です

これまでいろいろなお寺の坐禅会や接心(一週間の集中坐禅会)に参加したり、今は藤田一照老師から数年にわたって禅をご指導いただいていますが、毎回「???」の連続です。 坐禅法を指導されてもなかなか出来ない。 また、与えられた課題も結構さぼっている。 そんなダメ生徒ですが、何とか見放されず続けています。 しかし、不思議ですね。 一年、二年、三年と経つ中で、何かが変化しているのです。 それも、何が変化したと具体的に言える何かではありません。 でも何かは確実に変化している。

【禅コーチング】 行き詰まったときに解決しようとしないこと 「私の問題」から「わたしという問題」へ

AかBかと悩む。 何が正解かを考える。 しかし、いい答えが出ないときがあります。 それでも何とか答えを出そうとする。 AかBか、あるいは何とかいい答えを出そうとする問題のことを、 藤田一照老師は「私の問題」と言っていました。 しかし、答えを出すことだけが解決ではありません。 むしろ、答えを出さない方がいいテーマもあります。 なぜなら、もっと深いテーマを人は持っているから。 もう1つの深いテーマ。 それは「わたしという問題」です。 これは、AかBかではありません。正

禅を仕事に活かす あなたの十分メーターは? 幸せの井戸を掘っていく

先日、妻と温泉旅行に行ってきました。 1泊2日という短い旅行だったのですが、 2日目の朝、美味しい朝食をいただき、眠くなって横になりました。 妻は側で帰る支度をしていました。 そのとき、ウトウトしながら幸せな気持ちが湧き出してきました。 ただただ満たされていることを感じながら、いつの間にか眠っていました。 このように感じられるようになったのは、つい最近のことです。 私は幸せを感じるのが苦手です。 幸せを掴もうとするほど、自分に足りないものばかりみて、 焦りや不安を感

【禅と生きる】中途半端でいいかな 居場所がなくていいかな 分からないでいいかな

最近、自分が中途半端だなと思います。 周りを見ると、何かに突き抜けている人がいる。 師匠の生き方、あり方は常に突き抜けておられます。 また、禅を学んでいると、出家はしていなくても、禅という生き方に突き抜けている人達に出会います。 コーチをしていると、ビジネスという生き方に突き抜けている人がいます。 皆さん、自分の生き方を貫いているのがすごいなと思います。 そして、禅にはサンガがあり、ビジネスにはチームがあり、 どちらの世界にも同じ生き方をする仲間がいる。同士がいる。

禅を仕事に取り入れる 苦しみとどう向き合うか 人は傷つくから優しくなれる

人生における大きな2つのテーマ。 「幸せ」と「苦しみ」 幸せになりたいという願い。 若い頃は、幸せになりたいと思って生きていました。 どうすれば幸せになれるのか? 様々な本を読みましたし、幸せになるためにいろいろチャレンジしてみました。しかし、どうも私には不自然な感じがするのです。 そして、仏教に出会い、「苦しみ」とどう向き合うかという生き方があることを知りました。 仏教には「一切皆苦」という言葉があります。 シンプルにいえば「すべてが苦しみである」という意味

禅を仕事に取り入れる 「終わりは始まり 始まりは終わりの仕事術」

あなたは、朝起きるのが得意ですか? 私は、朝起きるのが苦手です。 あなたは、苦手な仕事にすぐに取りかかれる方ですか? 私の場合、仕事にもよりますが、とっかかりは悪い方です。 やらなければならないという気持ちはあるのですが、 苦手な仕事ほど後回しにしがちです。 それでは、あなたは、どのように仕事を終えていますか? ・とことんまでやりきって終わる。 ・エネルギーが空っぽになるまでやる。 ・余力を残して終わる。 ・楽しいくらいで終わる。 ・何となくズルズルと続けてしまう。

禅語「両忘」 白黒どっちでもいいじゃないか 白い紙と一滴の墨汁

私は、物事を真面目に捉えすぎることがあります。 自分や他の人の、少しの汚れも許せないというか、 何事にもすごく潔癖になるのです。 なんて自分は自己中心的で、心の狭い人間なのだろう。 いろいろ頑張ってきて少しは成長したと思ったのに無駄だった。 自己否定のモードですね。 こういう時は、汚れた自分にがっかりします。 そして、その矛先は自分だけではなく、他の人にも向かいます。 あの人は、なんて汚い人なんだ。 ここまで心を尽くして付き合ってきたのに、裏切られた。 がっかりだ。

均等に感じましょう 一点にこだわると苦しみになる

先日、坐禅で息の出入りを感じていたときでした。 なぜか呼吸が苦しく感じました。 呼吸を観察すると、息が苦しくなることがあります。 このとき、一点を見る力が強いことに気づきました。 呼吸の出入りへの意識が強すぎたのです。 空気の出入りをただ感じるというのは坐禅の基本でもありますが、 ただ、そこへ焦点を合わせすぎると、 息をするのが逆に苦しくなります。 一点を見すぎる。 坐っていると、自分のあり方があらわれてきます。 最近、苦しみや葛藤が多いなと思っていたら、 何か一

行き詰まったときの誰でもできる対処法

行き詰まったとき、皆さんはどうしますか? 人に話す、答えが出るまで考える。 考えても仕方がないので寝る。 人によって、さまざまでしょう。 何かに行き詰まると、心がざわついてやる気が出なかったり、行動をつい先延ばしにしてしまったりします。 禅では、「損か得か」「良いか悪いか」「他人からどう思われるか」というような考えはエゴであり、余分な思考とされています。 思考するのは自然な働きですし、人はこうした余分な思考が好きなのです。 思考はイマジネーションなので、心地よさ、刺激

「初心」ビギナーズマインドとは?

これまでのnoteで、私と禅の出会いを振り返り、 初心者向けの禅の講座を開催している 理由について書きました。 今回からは、初心者向けの禅の講座を振り返ります。 初心者向け禅×ビジネス講座の第1回目では、まず 鈴木俊隆老師の『禅マインド ビギナーズマインド』を 読んできた感想について、皆でシェアしました。 最初に注目したのは「初心」というキーワードです。 『禅マインド ビギナーズマインド』には、 このように書かれています。 初心者の心とは、空であり、専門家の持ってい