マガジンのカバー画像

禅 × ビジネス

150
このマガジン「禅×ビジネス」では、20年になる禅の修行の経験を踏まえて、禅とビジネスに関する学びについて、つづっていきます。10,000時間以上のメンタルトレーニングやコーチング…
運営しているクリエイター

#坐禅

お皿が洗ってくれるのを待っている 信仰とコーチング

おかげさまで、食堂はオープンから半年が過ぎました。 いまだコロナ禍の中ですが、少しずつお客さんが増えてきました。おかげさまで「○○さんから聞いたよ〜」という紹介や口コミが広がっているようです。 ただ、吹けば飛ぶような食堂です。何かがあったらすぐに終わってしまう儚い存在であることを日々実感しています。 これは決して悪い意味ではありません。だからこそ、一日一日を大切に全力を尽くすことが出来ています。 お客さんが「美味しかった」と言ってくれれば、スタッフといっしょに喜びます

【禅をビジネスにいかす】 魂の修行とエゴに出会う旅

食堂のオープンから二週間が経ちました。 いろいろなことがありましたが、あっという間の二週間でした。 毎日、分からないことの連続。傷つくことの連続。不安と緊張でいっぱいの日々。 ご飯も喉を通らず、気がつけば3キロ痩せました。 なんでこんなに苦しいのだろう。 予想以上のお客様も来てくれていますし、スタッフの皆さんも協力して頑張ってくれています。私が成すべきことはやれているのでは・・・ もともと楽しむことが大の苦手なのですが、今回の試練は私の課題を浮き彫りにしてくれまし

【禅をビジネスにいかす】 「ありがたい」が増える仕事

これまで食堂を始めることについて何回かお伝えしてきましたが、1月18日に食堂をオープンしました。 三幸食堂(香川県高松市香西東町394-1) 食堂のFacebookページはこちらから https://www.facebook.com/%E4%B8%89%E5%B9%B8%E9%A3%9F%E5%A0%82-103308408317159/ オープンから一週間、おかげさまでたくさんのお客様にご来店いただいています。 予想以上の来店のため、オープンから2日間は、開店して1時

坐禅とはゼロに出会うこと 求めるのは与えられているから

言葉には自分を縛りつける働きと、自分を解き放つ働きがあります。 言葉に自分をはめ込もうとすると縛りつけられます。 すでに意味づけされている言葉は、枠になっているからです。 これは言葉の持つ働きであり、それがよい、悪いということではありません。 身動きがとれなくなっているビジネスパーソンやアスリートに出会うと、概念と意味づけでがんじがらめになっていたりします。 コーチングのセッションをするときには、言葉の使い方が大事です。 クライアント自身が問題だと思っているものは、

話しても話さなくてもいい 本当の言葉が降りてくる「無為」のアプローチ

前回の記事で「考えていることに気づく」状態から、「考えが起こっていることに気づく」ことへの転換があったとお伝えしました。 (前回の記事を読んでいない方はこちらから読めます) https://note.com/zen_akano/n/n0c1b3a3141e4 今回は、そのことについて、もう少し詳しく言葉にしたいと思います。 心には、いろいろな状態があります。 まずは、何かが起こっているが、気づいていない状態です。 ・考えているが、考えていることには気づいていない。 ・

禅語「両忘」 白黒どっちでもいいじゃないか 白い紙と一滴の墨汁

私は、物事を真面目に捉えすぎることがあります。 自分や他の人の、少しの汚れも許せないというか、 何事にもすごく潔癖になるのです。 なんて自分は自己中心的で、心の狭い人間なのだろう。 いろいろ頑張ってきて少しは成長したと思ったのに無駄だった。 自己否定のモードですね。 こういう時は、汚れた自分にがっかりします。 そして、その矛先は自分だけではなく、他の人にも向かいます。 あの人は、なんて汚い人なんだ。 ここまで心を尽くして付き合ってきたのに、裏切られた。 がっかりだ。

禅語「小欲知足」と「もっともっと」を求める心の付き合い方

「まだまだ」「もっともっと」という人生。 まだまだ足りない。 まだまだ成長できる。 まだまだ食べたい。 もっともっといい仕事をしたい。 もっともっとお金が欲しい。 もっともっとすごいことを成し遂げたい。 もっともっとすごい人になりたい。 もっともっといいご縁が欲しい。 もっともっと幸せになりたい。 「まだまだ」「もっともっと」という欲があるから人も科学も進化する。 しかし、「もっと」に偏ると、なかなか苦しいですね。 そう分かっていても、つい求めてしまう。

均等に感じましょう 一点にこだわると苦しみになる

先日、坐禅で息の出入りを感じていたときでした。 なぜか呼吸が苦しく感じました。 呼吸を観察すると、息が苦しくなることがあります。 このとき、一点を見る力が強いことに気づきました。 呼吸の出入りへの意識が強すぎたのです。 空気の出入りをただ感じるというのは坐禅の基本でもありますが、 ただ、そこへ焦点を合わせすぎると、 息をするのが逆に苦しくなります。 一点を見すぎる。 坐っていると、自分のあり方があらわれてきます。 最近、苦しみや葛藤が多いなと思っていたら、 何か一

【道元さんと身心脱落】 手応えのない仕事 釣り合うと消える??

先日はまったく手応えを感じない一日研修をやってきました。 セミナーのタイトルは「ビジネスコーチング研修」 参加者は、コンサルタント、経営者、リーダー。 表看板はビジネス系研修です。 研修を主宰してくださったのは、数々の企業を再生されてきたバリバリのコンサルタント。 アスリートたちをメンタルトレーニングしてきた経験とノウハウを ぜひビジネスパーソンに役立ててもらいたいという 本当に有難いご依頼でした。 しかし、私の中ではお受けして良かったのか、 ずっと葛藤がありました。

「非思量という禅」 無意味と意味とは?

皆さんにとって、意味のある人生とは、どんな人生でしょう。 人生において、意味のあることとは、どんなことですか? 成功する。 好きなことをやる。 お金を稼ぐ。 人から認められる。 成長する。 夢を実現する。 努力する。 生産性を上げる。 タスクを終わらせる。 中には、ぼーっとすることに意味があると思っている人も いるかもしれませんね。 では、無意味なことって、どんなことでしょう。 何もしないこと、頑張らないこと。 努力しても評価されないこと。 ありがとうと言われないこ

生きることは坐禅 アメリカ挑戦の挫折で見えてきたこと

おかげさまで今回もアメリカでのすべての予定を無事終えることが出来ました。 禅の老師から「坐ることだけが坐禅ではない。生きることそのものが坐禅だ。」という話をよくお聴きします。 その時は良く分かりませんでしたが、最近は特にアメリカに行ったときに、 坐禅の心を感じています。 日本にいると、朝眠たくて坐禅をさぼったりすることもあるのですが、 アメリカでは、なぜか毎朝坐禅を組みたくなります。 心の静けさが気持ちよいのです。 また、アメリカ滞在中は 日本よりも規則正しくシンプル

人生を徒労に賭ける 寄り道をしましょう

今頃は、アメリカでの挑戦の真っ最中だと思いますが、 その模様はまた後日あらためてお伝えしますね。 先日、禅の師匠である藤田一照さんからお聞きした一言が 心に残りました。 「人生を徒労に賭ける」 一照さんが高校時代の同級生に会ったときに、 「おまえは高校のとき、『この人生を徒労に賭ける』と言った。 高校のときのお前のままで生きているのが素晴らしい」 と言われたそうです。 藤田一照老師の紹介はこちら http://fujitaissho.info/ 愛媛県出身の一照さん

イノベーションと捨てること ー Appleから学ぶシンプルの心ー

最近、Macを購入しました。 いつかは一度Appleのパソコンを使ってみたいと思っていましたが、これまでずっとMicrosoftユーザーでしたので、購入するには結構な勇気が必要でした。 購入のきっかけは、店頭でMacを触ってみたことでした。 私はITが得意ではないので、これまでパソコンに対しては道具という意識しかなく、いかにストレスなく使えるかに重点を置いてきました。 しかし、Macを触ったとき、まずフォルムにワクワク感を感じたのです。 Macユーザーの方にとっては、当た

心をリセットする3つの方法

あなたは、昨日、今日、明日は続いていると思いますか? それとも、一日ごとに終わっているという意識の方が強いでしょうか? 家や仕事があること、家族がいること。 今の状況を当たり前で、これからも続いていくものだと思っていると、1日や一瞬一瞬を味わうことなく、流してしまいがちだということについて、「禅語 而今(にこん)- 今この瞬間を生き切る」に書きました。 それでは、どのようにしたら気持ちを切り替えられるでしょうか? 私たちは毎日、仕事や人間関係、家事など、色々なことを考え