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禅 × ビジネス

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このマガジン「禅×ビジネス」では、20年になる禅の修行の経験を踏まえて、禅とビジネスに関する学びについて、つづっていきます。10,000時間以上のメンタルトレーニングやコーチング…
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2020年6月の記事一覧

「無心のビジネス」への道 「無我」という問い 無責任だから信じられる

ビジネスパーソンやアスリートたちとセッションをしているとき、基本的にはクライアントに任せるようにしています。 私から何か答えを出そうとはしません。 その根底には、「いろいろあるだろうけど、必ずなんとかなる。どんな困難も乗り越える力がある。」ことを信じられる気持ちがあるのです。 むしろ私が介入することで、クライアントがさまざまな体験をする機会を奪う方が、長い目でみると、成長の伸びしろを狭めてしまうのです。 相手を信じているといえば聞こえはいいですが、それは綺麗な表現すぎま

禅語「身心一如」 言葉に自分をはめ込むから枠に縛られる 自分を解き放つ言葉と自分を縛る言葉

最近、毎日近くの山を歩くのが日課になりました。同じ道を歩いていると、日々いろいろな気づきがあります。 すれ違うときに、挨拶を交わすのは気持ちいいですね。 しかし中には、挨拶を返してくれない人もいます。一応、こちらから挨拶するように心がけていますが、まったく反応がないとちょっと悲しかったりします。時にはイラッとしたりします。何も見返りを期待していないつもりでも、相手の反応に敏感な自分がいます。 挨拶をするのがしんどい日もあります。それでも淡々と続けていたら、あるとき、言葉

「どう生きるか?」という問い あなたの物語を創造する

先日、感染症の研究者の取り組みが報道されていました。いかにウイルスの感染拡大を防ぐかがテーマでした。その中で、印象に残った言葉があります。 「ウイルスは本来宿主に死んでもらいたくない。それは自分の死を意味するから。今死者が出ているのはちょっと力加減が強すぎた。実は、新型コロナウイルスも急に人間に入ることになって戸惑っていると思います。」 研究者としてはウイルスを敵としてやっつけなければいけない立場ですが、決してウイルスを悪者にしていない。この方自身は、ウイルスとともに生き