
スポーツは誰のもの?ー 日本におけるスポーツの課題 -
日本におけるスポーツは、しばしば競争や勝利を追求する存在として位置付けられ、その影響で多くの人々にとってアクセス可能な楽しみとしての側面が失われつつあります。アスリート育成や勝負事に重点を置く傾向は、特に競技スポーツにおいて顕著ですが、これにより「誰もが笑顔になれる」スポーツの形が見えづらくなっています。本稿では、日本におけるスポーツの現状と、それに伴う課題について考察し、今後の展望について議論します。
〇縦軸と横軸の視点
日本のスポーツシーンは、主に縦軸で構造化されています。この縦軸とは、選手のパフォーマンスや成果を重視し、競技レベルを向上させることに焦点を当てる考え方です。これは、一見するとアスリートの育成に寄与し、国際競技においても一定の成果を上げるかもしれません。しかし、結果的には、一般の人々には「観るスポーツ」としての側面が増し、参加する楽しみが削がれているのが現実です。
これに対抗する形で求められているのが、横軸の視点です。横軸は、あらゆる人々が参加できるスポーツ活動の楽しさを追求するもので、年齢や能力に関わらず、多様な人々が一緒に楽しむことができる環境を作り出そうとする考え方です。この視点を持つことで、より多くの人々が笑顔になり、健康で活力ある生活を送る手助けが可能になるのです。
〇スポーツビジネスの現状と課題
さらに問題となるのが、日本のスポーツビジネスの構造です。現在、スポーツビジネスは主に縦軸に依存し、特定の競技やアスリートの成功を基にした収益モデルが支配しています。これにより、スポンサーシップやメディア露出に偏りが生じ、より多様なニーズを持つ層に対するアプローチが不十分になっています。例えば、マイナースポーツや伝統的な遊びは、十分に評価されることなく、無視されていることが多いです。
最近では、健康志向の高まりやフィットネスブームが影響を及ぼしていますが、それでも依然として多数の人々が参加する機会を得られていません。縦軸の成功がプロモーションされる一方で、各地域でのスポーツの教室やイベントは限られたリソースに奪われがちです。このような状況下で、スポーツが「誰のものなのか」という問いかけが生じるのは必然でしょう。
◯ユニバーサルスポーツの意味
特に注目したいのが、「ウォーキングサッカー」のようなユニバーサルスポーツです。この活動は、競争を追求するのではなく、参加者が楽しむことを目的としているため、年齢や体力に関係なく、多くの人々が楽しむことができます。しかし、このような活動に参加する経験者が勝利や成果を強く求める姿勢は、彼ら自身がユニバーサルスポーツの真の意義を理解していないことを示しています。
このような状況を打破するためには、スポーツに対する教育が不可欠です。「勝つこと」だけがスポーツの目的ではなく、「楽しむこと」や「つながること」も同様に重要であることを知る必要があります。さらに、講習会やイベントを通じて、参加者にネガティブな競争心ではなく、協力や共感の重要性を教え、スポーツの新しい楽しみ方を提案することが求められます。
いかにして日本のスポーツ界が「誰もが笑顔になれる」環境を作り出すかは、今後の大きな課題です。縦軸を超えた横軸のアプローチを取り入れ、地域コミュニティや多様な人々と共にアクセスできるスポーツ環境を構築することが重要です。そのためには、競技スポーツの枠を超えた包括的なスポーツ文化の形成と、それに向けた意識改革が必要です。スポーツは本来、誰もが楽しむことができるものであり、その楽しさを再発見することが、日本におけるスポーツの発展につながると信じます。
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