Zemeth "MIREN" 楽曲解説
本日10月2日。北海道はよくわからない天気。我、具合悪し。
そんな日に世に解き放たれた狂気の作品"MIREN"
熱が冷めないうちに楽曲解説をしなければという事で、書きます。
全体としての感想は激ロック様のインタビュー記事で話しております。
重複している内容もあるかとは思いますが、こちらもよろしければチェックしてみて下さい。
1.MIREN
激ロック記事でも言いましたが、アイドルにそこまで詳しくは無くともSMILE-UP.(旧ジャニーズ)や女性のアイドルさんたちがやっているフラメンコ楽曲が昔から好きで、特につんく♂さん作の楽曲とかってメロディの尖り方が異常じゃないですか。
日本人しかやらないような和風だしの効いたフラメンコ・ポップスですよね。でもガチガチに西洋風なゴシック的雰囲気もあり、不思議な楽曲です。
イントロはイース・ミュージックをはじめとした90年代Falcomの雰囲気を醸し出しました。イース4の楽曲に近いズンダラ節ですね。
系統的にはムーンライト伝説みたいなAメロにしたいなと思ってこういう感じに収まり、サビはラテン風Fly Me To The Moon+ガラスの十代的の様なものを目指しました。
本サビメロを模したギターソロのキメも中々クールだと思います。Hey! Say! JUMPの真夜中のシャドーボーイ的な具合で。
Nayuta様の透き通る様な声質と耽美でドロドロとした楽曲や歌詞のギャップが良いと思います。
今後違うコード進行で似た雰囲気の楽曲も作っていきたいですね。
2.VIERGE CENDRILLON
これは確か15~16歳の時に作ったなんとかシンデレラみたいなオリジナルデモ楽曲が元にあって、19歳くらいの時にそれをVIERGE CENDRILLONとしてボカロ楽曲に仕上げ、今作でZemethの楽曲としてリメイク、進化しました。
10代の頃に馬鹿みたいな勢いで書いた楽曲で歌詞もエグかったので少し修正してます。普通にCD身内とかも買ったり見たりするんで普通にえぐいですわ。
僕が耽美なフレーズの音楽に初めて触れたのが、ソーサリアンのエル・ジーナという楽曲でそこからの影響が色濃く表れており、Aメロからは80年代歌謡曲っぽく、人によってはロマサガ的に聴こえるかと思います。
サビメロは僕がアントニオ猪木のテーマ系統フレーズと呼んでいるタイプのフレーズで、ありがちだけどこれが何だかんだ美味いんですよね。今作は猪木のテーマ系統フレーズは多めに使用しています。
ラスサビはSMAPの夜空ノムコウを意識していた記憶があります。普通の人間が歌うようなメロディの動き方してないんですけどね…。
3.GUILLOTINE
これは以前EPの特典としてデモバージョンを配布しました。
Zemethの新しいメロデス代表曲だと思っております。
大体この系統の楽曲が生まれる時ってバチギレてる時が多くて、今作もめちゃくちゃ腹が立ってる時に勢いで生み出しました。おかげさまで歌詞もハチャメチャ大運動会なんですけど個人的に言いたい事言えた感じがあります。
最初はV系メタルチックにするのもアリかなと思ったのですが、ゼメスのスタンダードなネオクラ歌謡メロデスというナンバーに仕上がったかと思います。
とにかくこの曲はリフがクソかっちょ良くてムズい!!そしてサビメロの爆発力が怖い!!!クサ過ぎる!!!!!!
自分の目標であるイース6のMIGHTY OBSTACLEにまた少し近づく事が出来たかなと思います。
自分の人生ベスト3楽曲の要素が全て入っておりまして、
サビがMIGHTY OBSTACLEとサビ後の間奏始めの方がSILENT DESERT。
アウトロが14歳の時に作ったSCARLET TEMPESTに影響を受けたクラシカルなフレーズになっており、個人的にやりたい事が全て出来ちゃった楽曲です。
4.ナキガヲ
これはXでも書きましたが、激鬱な時に生み出した激鬱な曲です。
アイドルソング的なノリですが、UNLIMITSや鴉の夢など、高校生の時死ぬほど聴いてた日本の歌謡系メロコアやロックからの影響が強いです。
あとはOmoiのテオっていう楽曲からの影響もあります。ボカロってあんまりハマらない楽曲が多いのですがこの曲はツボでした。なんかカタールに向かう飛行機でたまたま聴いて衝撃を受けた記憶があります。いや、オーストリアの電車のトイレだったかもしれん。
この曲は楽曲ももちろん気合いが入ってますが、珍しく歌詞にも注力しております。
個人的に社会問題メタルと題しておりますが、自分が大人になって視野が広がったのか、こんな世の中なのもあるのか人間の汚い部分とかってやっぱり見ちゃうことも多くなりまして。色々思う事もあり書いた歌詞です。
本当に救済が必要な人に十分な福祉はいきわたらないんだよなぁ。
5.KURONEKO
実家に突然迷い猫がやってきました。
地元の噂によると猫の多頭飼育崩壊を起こした独り身ばーちゃんが猫を放置したまま介護施設に入ったと。家の中はめちゃくちゃで壁は爪痕だらけ、亡くなった猫の死骸もあり、辛うじて脱出できた数匹の猫が野良猫として町に放たれた。
ん?
それを聞いて言葉が出なかった、けどそれも現実であり社会問題の一つなのでしょう。
うちに来た猫がその家から来た猫なのかは不明なのですが、そういう現実を音楽にしてみました。まぁ実際はうちに来たのはクロネコではないんですけど歌詞自体はモデルありのフィクションという事で。
ずっと作りたいと思っていた、SCARS OF THE DIVINE WINGの様なタイプの楽曲です。楽曲構成を意図的に似せている部分があります。
イントロがDark Moorっぽいネオクラフレーズでかなり魅力的ですよね。
基本的にネオクラチックなゲーム音楽というのが楽曲自体のコンセプトで、間奏でもキメのフレーズにシンセを重ねたりもしています。
将来老いた末に産むものが誰かの不幸にならないように自分自身気を付けて生きていきます。
6.PURE IGNORANCE
去年死ぬほどt+pazoliteさんの楽曲にハマって、Garakuta Doll PlayとかQZKago Requiemみたいな系統の楽曲を自分もやってみたいと思いました。
サビのコード進行的にもかなり意識していますが、あくまでも今作はメロディック・デス・メタル。スピードコアの要素はもちろんメロいリフや歪んだギターなどメタルの要素が一番の要になっております。
新鮮なサウンドだからなのか、トレーラー動画の時点で気に入って下さった方が比較的多い楽曲でした。一番苦労して作り上げた楽曲なので苦労が報われる思いです。
クラシック的なフレーズをふんだんに盛り込みつつも、スピードコアパートからメロデスパートに移った時の個人的に一番のお気に入りポイントであるリフ。元々Bloody Cumshotのために書いたリフなのですが、Bloody Cumshotではあまりにもクサ過ぎて使えなかったリフです。このリフがめちゃくちゃ泣ける!
間奏も今までの楽曲とは違う雰囲気ですが、本当はここラップとか入れたかったんですけどなんかわろけてきちゃってギターソロを入れました。弾くポップコーン。
アウトロは今作で一番狂ってると思います。Anaal Nathrakh的な狂気が出せたかな?
7.LLOVIZNA DE TRISTEZA
Xでも詳細を語りましたが、ex.Dark MoorのElisa C. Martin歌唱の楽曲です。
本格的にメタルに触れるきっかけとなった楽曲がDark MoorのThe Night of the Ageで、この楽曲のオマージュ的なフレーズもあります。
Furia AnimalのEn La Oscuridad
AvalanchのTorquemada
Red WineのEl Fin De Los Tiempos
ここら辺は個人的にスパニッシュ・メタルの最強3曲で、サビで小室進行の激泣き巻き舌メロをぶっ放すクサメタルなわけで、個人的に理想的なメロスピなのです。
イントロはフォークメタルっぽいヒロイックなフレーズでアルゼンチンのTENGWARがこんな感じの曲をやってた記憶もあります。
間奏はMago de OzのGaia IIに収録されててもおかしくないヴァイキングメタル系フレーズ。ギターソロもマゴデオズがやってそうな感じで、Furia AnimalのEn La Oscuridadのオマージュ的な要素もあります。
とにかくサビメロの泣き具合が異常ですし、スペイン語の良さが沁みます。
何よりエリサが現役で美しい歌声を披露して下さったのが嬉しい限り。
全体的にスパニッシュメタルらしさを全て組み込むことができた最強パワー・メタルだと思います。最近こういうメロスピが減って寂しいです。
8.HIBISKUS
激ロック様のインタビューで話したのであまり新しく言う事は無いのですが、色んな意味で衝撃の1曲だと思います。
こういうメロデスやメロスピのアルバムでいきなりレゲトン風J-POPやった大馬鹿者って他に居るんでしょうか?対極に居るような音楽性ですがZemethなりにぶっ込んでみました。
勇者30"というゲームのカサブランカという楽曲のようなリフレインを元に構築していった楽曲で、2020年の時点でデモをYouTubeにアップしておりました。
元々最終形に悩んでいて、気だるい雰囲気のふわふわしたポップスにするか、フラメンコ・ポップス的な編曲になる予定だったのですがちゃんみなのNever Grow UpやRepezen FoxxのCowboyからの影響でレゲトン風味が強くなり、爆アゲ真夏ナンバーと成り果て(?)ました。レゲトン好きなギャルの車で流してくれ。
歌詞はストーカーチックな感じですね。あとSynthesizer V AI Eriがやばい凄くて、正しくこういう楽曲歌わしたれい!っていう音声ライブラリですよね。
楽曲自体の個人的なお気に入り度はかなり高くてデモの段階から自分でもめっちゃ聴いてました。このサビメロどうやって思いついたんだろうか。。。
9.FROZEN ENGAGEMENT
この曲は一言で言うならばイースの雪山ステージメタル。
イースにこんな曲があったらいいなの精神で作り上げました。
この曲の原型は2019年に3rdアルバムをリリースした後に速攻で作った記憶があります。なんかドンキでデモを聴きながら買い物した覚えがある。
いつかイース5のFIELD OF GALEみたいなサビメロを書きたいとずっっっと思っていて、この曲はかなりその理想に近いメロに仕上がったと思います。
ヒロイック、そしてドラマティックで泣けるってもうクサメロの理想形ですよ。
イントロはFalcomだと風の伝説ザナドゥとかのキラーチューンのイントロでありそうな感じでもあり、ミドルテンポかと思いきやいきなりの爆走リフがまた泣きまくっている。
冬や吹雪をイメージしているのでキラキラしたシンセフレーズもバックで鳴っています。ギターソロのキメフレーズなんかは厳格な雰囲気で、ホワイトアウトした外の景色が頭に浮かびます。冬の厳しさを表現する事が出来る道民の鑑。
アウトロでやり過ぎなほどの泣きを畳み掛けてもう、びしゃびしゃです。
10.MORUS BELLUS
実はこの曲一度世に出ています。
2022年にEPを出した頃裏でボーカロイド音楽プロジェクトを立ち上げてすぐ閉じるという奇行をしており、その被害者がこの楽曲でした。
やっぱり界隈が違うと届いて欲しい層に届かない事を実感し、あまりにも楽曲が良かったこともありZemethの楽曲として再度世に出すことになりました。
ZektbachのBlind Justice ~それぞれの正義~やribbon roomのmint tearsみたいな楽曲をやってみたかったのでネオクラ的ポップスとしてチャレンジしてみました。
結果としてサビメロの完成度がかなり高いと思います。完璧だと思います。
元々昔から密かに温めていたフレーズなのですがここまで化けるとは思っていませんでした。
今作全体に言える事なのですが、クリーンVoを扱う事によって今までZemethであまり意識していなかったキャッチーさというものを強く意識することになりました。従来の音の動きや音数が彩る芸術路線もありますが、耳馴染みの良いメロディが増えたと思います。
人間が賄える声域じゃないのでこの曲もかなりSynthesizer Vの恩恵を受けていますね。
11.VELVET CROW
実は今作の中でもかなり早い段階でデモが完成しまして、このアルバムの方向性を決めた楽曲です。
一言で言うならばキャッチーかつドラマティックなメロスピ。
大仰なサビと随所に見られる激クサギターフレーズが魅力の楽曲です。
Synthesizer VのMaiとEriという二種類の音声と、隠し味程度にグロウルも入れています。
浜崎あゆみのVoyageみたいなメロディで開幕からのそのフレーズをギターでなぞる爆走ヤバクサイントロの時点で魂が持っていかれると思います。ちょっとムックの娼婦も意識してます。
Aメロは歌のバックでメロデス的にギターが動き回っておりはしゃいでいてとてもかわいいです。
バラード的パートのメロを引きずり回してギターで爆走する部分がイントロに限らず間奏後にもあり、こちらもクサメロ好きからしてみればえげつない大好物おしおきみたいなものだと思います。
アウトロまでたっぷりネオクラシカルギターフレーズが盛り込まれておりどのタイミングで涙を拭けばいいのかわからない程の展開で、僕も作っている最中泣きながらメロイックサインを掲げていました。
歌詞は創作を続ける事に悩んだ自分が最終的にこうなる事が出来ればな~と理想も交えながら書きました。
以上です。
ちょっと多忙に多忙を重ねすぎて解説をあらかじめ書いておくことを忘れてて、当日に3時間くらいでばーーーっと書いた文章になってしまいメチャクチャな部分もあるかと思いますが、こういった作り手目線の解説って大事だと思うので殴り書きのままでも公開します!!
Zemethはゲストの方がいらっしゃったり担当して頂いているレコード会社の方々や流通の面を支えて下さっている方などはもちろんいらっしゃるのですが、本当にそれ以外の部分がワンマンで、首が回らない部分が多すぎて圧倒的に力不足です。
楽曲を聴いて頂いたり購入して頂く事だけでも本当に嬉しい事ですが、それに加え皆様がコメントを下さったり、拡散して下さったり、いいねを下さったり、感想を発信して下さったりと、それがZemeth存続の為の力となります。
リアルで活動をしておらず口コミで成長してきたプロジェクトで、ここまで大きくなれたのも皆様のおかげです。
今作"MIREN"もただ作って出して終わりではなくこれからがこの作品の本領を発揮するところで、
皆様と一緒にこの作品の仕上げに入ることが出来ればと思います。
どうか、この作品がより多くの人の感動を作る事が出来るようお力添え頂ければ嬉しいです。
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